開業資金500万円で始められるフランチャイズ10選

様々な分野に普及してきたフランチャイズですが、事業を始めるための第1関門は開業資金を用意することです。フランチャイズの開業資金は、業種や業態により、また加盟するフランチャイズによって異なりますが、できれば金額を押さえて安く開業したいものです。

本記事では、フランチャイズの開業資金を抑えるポイントを解説し、開業資金500万円で始められるフランチャイズを紹介しています。フランチャイズで独立開業を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

フランチャイズの開業に必要な資金は

フランチャイズの開業に必要な資金

フランチャイズの開業資金は、業種・業態や店舗の規模により異なってきますが、おおむね次のような費用がかかります。

フランチャイズの開業に必要な資金

①加盟金

加盟金は、フランチャイズに加盟する際に本部に支払う費用です。加盟金の額は、業種やフランチャイズにより大きく異なります。加盟金を徴取しないフランチャイズもあれば、数百万円など高額な金額が必要なところもあります。

②保証金

保証金は、開業後に加盟店が本部に負債を負った場合に、それを清算するために預ける費用です。例えば、加盟店が、本部に対して仕入代金や商標使用料(ロイヤリティ)を支払うことができない場合に、保証金を使って清算します。したがって、清算する必要がなければ、保証金はフランチャイズ契約解約後に戻されます。保証金も、加盟時に預けるフランチャイズと不要なところとがあります。

③物件費

物件費は次の費用をいいます。

  • 〇店舗物件購入費または店舗物件賃借費
    店舗物件の購入または賃借に要する費用です。購入に比べ賃借の方が安く済みますが、それでも契約時に敷金・礼金・当初家賃などを支払う必要があります。
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  • 〇店舗内外装工事費
    店舗物件を取得した後、内装・外装の工事を行うための費用です。店舗物件を取得したら、自分が始めようとする事業に合わせて店舗の内装および外装を新しくする必要があります。
    飲食店であれば、客室を間仕切りし、カウンターなどを設置するでしょう。また、厨房には防水工事や電気・ガス・上下水道工事なども必要になります。また、小売店の場合は、商品を陳列するスペースと在庫を保管する場所を設けなければなりません。
    さらに、外装工事では、看板や照明の設置、建物の老朽度合いによっては外壁や屋根の塗装なども必要になってきます。このように、店舗内外装工事費の金額は、始めようとする事業の種類や店の規模により、様々に異なってきます。

④設備費

設備費は、店舗内に備え付ける設備や備品にかかる費用です。必要となる設備や備品は、フランチャイズの業種や業態によって大きく異なります。例えば、飲食店の場合は、客室のテーブルセット・照明器具・エアコンなど、厨房のシンク・作業台・ガスコンロ・オーブン・冷凍庫・冷蔵庫などがこれに該当します。また、学習塾の場合は、教室の机・椅子・エアコン・パソコン・黒板などの設備や備品が必要です。

⑤研修費

研修費は、主に開業前に、フランチャイズ本部が加盟店オーナーやスタッフに対し、フランチャイズ事業の知識や技術、営業方法などを教えるために実施する研修に要する費用です。

加盟店の営業を行っていくためには、研修は必要不可欠のものであるため、多少の費用がかかっても仕方がありません。研修の内容や日程、研修費の金額などは、フランチャイズによって様々に異なっています。

⑥広告宣伝費

広告宣伝費は、店舗をPRするための費用です。フランチャイズでは、フランチャイズの商号やブランドの宣伝は、本部の方で大々的に行っています。したがって、フランチャイズの商号やブランドの宣伝は本部に任せておき、加盟店は自分の店のPRを行うことになります。

⑦人件費

人件費は、店舗にアルバイトなどを雇用する場合にかかる費用です。人件費は、本来は店舗開業後に必要になる運転経費ですが、開業時にも一定の金額を用意しておく必要があります。店舗経営が順調で売上げや利益が上がっている状態であれば、アルバイト費用も店の収益から出していけますが、売上不振で事業収益が見込めない事態も想定しておく必要があります。売上不振で事業収益が見込めない場合に備えて、開業時には一定額の運転資金の予備をストックしておく必要があるのです。この運転資金の予備は、開業のための資金ではありませんが、開業時に必要な資金という意味で、広義の開業資金といってよいかもしれません。

⑧仕入費

仕入費は、原材料や商品を仕入れるための費用です。仕入費も、上の人件費と同じく運転資金の予備です。本来であれば、毎月の売上げの中から支払っていくものですが、万が一の場合に備えて予備として一定額を貯めておくのです。

開業資金を抑えるポイント

開業資金を抑えるポイント

それでは、開業資金を抑えるには、何がポイントになるかをみていきましょう。

加盟金・保証金を抑える

1つ目は、加盟金や保証金を抑えることです。加盟金や保証金の金額は、業種やフランチャイズにより大きく異なります。加盟金・保証金を徴取しないフランチャイズもありますが、高額な金額が必要なところもあります。

このことから、開業資金を安く抑えるには、加盟金・保証金の金額が低いフランチャイズに入ることが有利です。しかし、加盟金・保証金が安いことだけを優先して加盟先のフランチャイズを選ぶことは問題があります。加盟先のフランチャイズは、その業種の将来性やフランチャイズの経営方針などを総合的に見定めて決める必要があるからです。

そうしなければ、仮に加盟金・保証金の安いフランチャイズに入ることができたとしても、その事業に成長力がなかったり、フランチャイズの経営の方向性が自分に合わなかったりという事態も起こり得るからです。

このことから、開業資金を低く抑えるためには、加盟金・保証金が高額ではないフランチャイズを探すことが重要ですが、そこからさらに、その他の条件も加味して総合的な評価を加えていくことが求められます。

物件費を抑える

次に、物件費を抑えることも重要です。物件費は、店舗物件を購入または賃借するための費用と内外装の工事費です。物件費を抑えるには、次の方法があります。

①店舗を持たない

業種・業態によっては、実店舗を持たずに開業できる場合があります。店舗に客を集めて商品を売ったり料理を食べてもらったりする商売ではなく、こちらから先方に出かけていく仕事やネットで商品を販売する形態であれば、実店舗を構える必要はありません。事務所や道具置場が必要な場合は、自宅を使えばよいのです。

例えば、住宅・家具の修理業やハウスクリーニングなどは、客の自宅や事務所などに出向いて仕事を行うことが多く、また、品物を持ち帰って修理するとしても、自宅で対応すれば実店舗を構える必要はないでしょう。また、小売業でもネットショップであれば、自宅で作業ができるので同様に実店舗は不要です。

このように店舗を持たなくて済む業種・業態であれば、賃借に伴う費用や内外装工事費もかかりません。

②小規模店舗を借りる

店舗面積が小さい小規模店舗であれば、家賃が安い分物件費を抑えることができます。また、店の規模が小さいので、内外装工事費も抑えることができます。ただし、狭い店舗でも十分にやっていける業種・業態であることが前提です。例えば、買取業などは、客に応対するカウンターと買い取った品物を保管するスペースがあれば対応可能なため、それ程大規模な店舗は必要ないでしょう。

③家賃が安い場所に借りる

家賃が安い場所に借りる方法もありますが、家賃が安い場所は交通の便が悪い、人が集まり難いなど商売に適さない場所が多いものです。しかし、例外として、田舎のハイキングコースなどに茶屋やレストランを開くという発想もあります。山の中で家賃は安くても、口コミで評判が広まれば登山客や行楽客でにぎわう可能性もあります。ただし、飲食店は、客室の内装工事や厨房設備の導入などで費用がかかるという問題があります。

設備費を抑える

設備費を抑えることは、極めて重要です。設備費は、フランチャイズ店舗を開業する場合に、その開業費用の中で大きな比率を占めるものです。したがって、設備費を抑えることが、開業資金を安く済ませることに繋がります。

設備費を抑えるには、以下の方法が効果的です。

①居抜き物件を借りる

まず、最も効果的な方法が、居抜き物件を借りることです。居抜き物件は、前の業者が施設・設備をそっくりそのまま残しているケースです。例えば、飲食店の場合は、客室のカウンターやテーブルセット、照明、厨房のシンクや作業台、オーブン、冷凍庫などがそのままの状態で残っている物件です。自分が始めようとしている業種とマッチすることが必要ですが、このような居抜き物件が見つかれば、店舗内外装工事費や設備費を大幅に節約することができます

②レンタルを活用する

設備や備品を購入するのではなく、借りるという方法もあります。設備や備品を購入すれば、開業費用として一度に多額の出費を強いられますが、借りればレンタル料金を毎月の出費に分散することができます。ただし、設備や備品の種類によってはレンタル業者が扱っていないものもあるため、事前に確認しておく必要があります。

③中古品を購入する

設備・備品を購入せざるを得ない場合でも、新品ではなく中古品を購入する方法があります。店舗で客の目に触れるものや客が使うものは新品を揃えるとしても、裏の作業場で使うものは中古品で間に合う場合があります。レストランなどの場合は、客室は綺麗で洒落た雰囲気にするため新しいものを中心に揃え、一方の厨房で使う作業台やコンロ、オーブンなどを中古品で対応する方法があります。

広告宣伝費を抑える

広告宣伝費を抑えることも大切です。開業前には大々的に店のPRを行いたいものですが、新聞の折り込み広告を出す、チラシを印刷して配るなどすると、その分費用がかかります。開業して店の集客や売上げの状態がどうなるかわからない時期に、広告費を多額に使うわけにはいきません。

そのようなお金があれば、運転資金の予備にとっておきたいものです。フランチャイズでは、フランチャイズの商号やブランドの宣伝は本部で行っており、またフランチャイズにはこれまでの営業実績があることから、屋号や販売商品の周知度は決して低くありません。したがって、開業時には、加盟店の広告宣伝費はできるだけ抑える方向で進めます。

最も費用がかからない方法は、ネットやSNSを活用した宣伝です。ネットやSNSを使う宣伝は、かかる費用が少ない割に大きな効果が見込めます

人件費を抑える

すでに説明したように、人件費は運転資金の一部ですが、開業時に一定額のストックを用意しておく必要があることから、人件費を抑えることは、実質的に開業資金を安く済ませることに繋がります。

人件費を節約するためには、次の方法があります。

①人を雇わない

人を雇わない、すなわち自分1人で開業する方法です。1人で開業できるかどうかは、店の規模にもよりますが、多分に業種と深い関係があります。1人開業ができる業種としては、修理業やリフォーム業、買取業などがあります。修理業やリフォーム業は、客の自宅を訪問して作業を行いますが、実際に1人で営業している業者が多くいます。また、買取業も客が持ち込んだ品物を査定して買い取る仕事で、1人でやっている店が沢山あります。

一方、コンビニや業務スーパーになると、従業員やアルバイトを雇用しないと、とても加盟店オーナーが1人だけで営業することは困難です。このような大型の小売業は、商品の仕入れから在庫管理、品出し、接客販売、会計など、複数のスタッフが分担して作業しないと回っていきません。

また、店の規模にもよりますが、飲食店も1人では難しいかもしれません。1人でできるとしたら、屋台のラーメン屋のような規模の飲食店でしょう。通常の食堂やレストランであれば、昼食時には客で賑わい、調理を行う人と接客や会計を行う人の最低2人は必要ではないでしょうか。

②雇っても人数を抑える

従業員やアルバイトを雇わざるを得ない場合でも、人数を絞って採用する方法です。人数を抑えると、それだけオーナーの負担が増えますが、開業当初は我慢して乗り切り、営業が軌道に乗って余裕が生じた段階で、人数を増やせばよいのです。

仕入費を抑える

次は、仕入費を抑えることです。仕入費を抑えることは運転資金の節約となり、そのことが開業時の予備費のストックに影響します。しかし、フランチャイズでは、商品や原材料は、フランチャイズ本部または本部指定の工場から仕入れることになっており、その価格も決められていることから、仕入費を抑えることは困難です。仮に、同じものをより安く仕入れることができる業者を見つけても、そこから仕入れるというわけにはいきません。

また、使う原材料を減らして仕入費を節約しようとしても、商品に使うべき原材料の量が決められているため、この方法も採用できません。例えば、カレーのフランチャイズで、1食あたりのカレーの量を減らして客に提供することはできません。1食当たりのカレーやご飯の量、価格は、マニュアルなどで統一的に定められているため、ある加盟店だけが材料費を浮かすことは許されないのです。そんなことをしたら、フランチャイズブランドを傷付けたとして、本部から契約違反を問われてしまいます。

このことから、単純に仕入費を節約するということではなく、発想を転換して、ものを仕入れる必要がない業種を選ぶという方法に目を付けます。モノを仕入れる必要がない業種というのは、在庫を持たなくてよい業種といってもよいでしょう。商品や料理を販売する業種はそれには該当しませんが、サービスを売る仕事であればものを仕入れる必要がない業種があります。例えば、人や動物の世話をする仕事である介護士やペットシッターなどはものを仕入れる必要がありません。また、ハウスクリーニングは、初めに清掃機材一式を購入しておけば、開業後は洗剤・薬剤や雑巾・タオル類が足りなくなったら補充するという方式のため、毎日ものを仕入れる必要はありません。

フランチャイズ開業までの手順

フランチャイズ開業までの手順

次に、フランチャイズを開業するまでの手順をみていきましょう。

情報収集

最初に行うことは、フランチャイズに関する情報収集です。自分が興味を持っている分野、やってみたい仕事などがあれば、それらの業種を中心に情報収集を行います。ネット上には、フランチャイズの加盟店募集ページが掲載されているので、まずその内容を把握します。

ネットに掲載された情報を見て、より詳しく知りたいフランチャイズがあれば、資料を請求します。以上のようにして情報を集め、加盟候補のフランチャイズを次第に絞っていきます。候補がいくつかに絞られたら、加盟店募集説明会に参加するのも効果的です。説明会では、その場で質問もできるので、より詳細にフランチャイズのことを把握することができます。

加盟先選定・契約締結

次のステップは、加盟先フランチャイズの選定です。加盟候補のフランチャイズが絞れたら説明会に出席し、説明会と併せて実施される個別相談にも参加してみます。個別相談では、開業費用などの資金面や開業するまでの手順・タイムスケジュールなど具体的な相談ができます。個別相談の場で加盟するかどうか決める必要はなく、一旦帰宅してから冷静に考えて結論を出す方が安全です。

また、加盟候補のフランチャイズの店舗に出かけてみて、客としてのサービスを受けてみると、そのフランチャイズの提供商品・サービス、従業員などのレベルがわかります。

以上のようなステップを踏んだ上で、加盟するフランチャイズを最終決定します。

加盟するフランチャイズの選定は、不動産投資と似ている面があります。不動産投資で成功するためには、立地の良い優良な不動産物件を選定して購入することが最も重要です。最初の物件選定で失敗して不良物件を掴んでしまったら、その後どのように頑張っても投資はうまくいきません。

同じように、フランチャイズ事業で成功するためには、最初のフランチャイズ選定が最も重要で、事業の成否の別れ道になります。この段階で、問題があるフランチャイズに入ってしまったら、その後どんなに苦労しても事業がうまくいく確率は低くなります。

このようにフランチャイズ選定というものが非常に重要なステップであることを認識し、加盟する先を決めることが大切です。

加盟先が決定したら、フランチャイズ契約の締結に移ります。通常、フランチャイズ契約書の書式は、フランチャイズ本部が用意していますが、すべての内容に目を通し、疑問点は徹底的に質問し納得した上で署名します。

資金計画・融資申込

フランチャイズの選定と並行して事業の資金計画を作ります。ただし、加盟するフランチャイズが決まらないと、加盟金や開業資金などがいくら必要になるかが固まりません。したがって、加盟先が決まるまでは、資金計画の案として何本かを用意しておくことになります。

自己資金で開業費用のすべてを賄えない場合は、金融機関から融資を受けることになります。事業計画書など融資の申込みに必要な書類は、金融機関によって異なります。あらかじめ、金融機関の窓口で相談し、融資手続きの手順や必要書類などを教えてもらうとよいでしょう。

ここで注意を要するのは、できるだけ融資額は少額に抑えることです。融資によりお金を借りると、開業後に毎月返済していくことになります。開業後の経営状況によっては、規則正しく返済することが難しいケースも想定されるため、厳しめに資金計画を作成していくことが重要です。

店舗物件選定・契約締結

フランチャイズ契約を締結し、開業資金の準備を進めたら、店舗物件を探して賃借契約を結びます。

フランチャイズ事業では、この店舗物件の選定が、フランチャイズ選定と同じ位に重要なステップになります。フランチャイズ事業をうまく成功させることができるかどうかは、店舗の立地条件にかかってくるといっても過言ではないからです。

事業を成功させるためには、できるだけ人が集まりやすい交通の便の良い場所に店を構えることが大切です。始めようとする事業の業種にもよりますが、ほとんどの業種で間違いがない立地は、次のような場所です。

  1. 大都市の商業地
  2. 大都市のビジネス街
  3. 鉄道の駅前
  4. 大規模商業施設の一角

立地条件が良い場所に店を借りることができたら、客が自然に集まり店は繁盛していきます。しかし、店の場所が悪いと、一生懸命営業努力を重ねてもなかなか良い結果は出ません。このため、フランチャイズ本部の組織力とネットワークを利用して、出来る限り優良な店舗を見つけることが肝心です。

店舗工事施工・備品調達

借りる店舗が決まったら、店舗の内外装を事業に適した形に直す必要があります。店舗の内外装工事は、開業費用の中でも大きなウェイトを占めるステップであるため、無駄を省き、本当に必要な部分の工事に絞って施工します。

また、工事が終わったら店舗用の備品を搬入するため、工事を行っている間に備品の購入やレンタルを進めておきます。

スタッフ採用・研修

業種・業態や店舗規模の関係で、従業員やアルバイトを採用しなければならない場合があります。近年は人手不足で人材が集まり難い事情もあるため、日程に余裕を持ち採用手続を進めます。

また、スタッフの採用と並行して研修を受講します。初心者や未経験者は、この研修により事業に関する知識や技術、ノウハウなどを身に付ける必要があります。研修だけでは学習量が十分ではないと判断される場合は、フランチャイズ本部が提供してくれる業務マニュアルや各種の資料を読み込んで、営業力を高めていきます。

さらに、オーナーだけが技量を上げても、その他のスタッフが素人のままでは事業が回っていきません。したがって、スタッフの教育も並行して行う必要があります。

宣伝広告・開業

開業予定時期に合わせて店舗のPRを行います。フランチャイズ自体の宣伝は本部が行っているので、加盟店は自分の店のPRに専念します。PRはネットやSNSを使い、できるだけ費用がかからない方法で行いますが、資金に余裕があれば、チラシを印刷して近隣に配布すれば効果があるでしょう。

開業日には、本部のスタッフが応援に来てくれるので、わからない点は積極的に質問するようにしたいものです。質問して教えてもらえるのは、本部スタッフが応援に来てくれている間だけです。後は、電話で訊くか、定期的な巡回指導で来店するときになってしまいます。したがって、本部スタッフの開店時応援のチャンスを最大限利用しましょう。

開業資金500万円で始められるオススメのフランチャイズ

開業資金500万円で始められるオススメのフランチャイズ

それでは、開業資金が500万円以内で始めることができるフランチャイズを紹介しましょう。

掲載したフランチャイズは、開業資金の目安が紹介されていますが、それぞれ計上の仕方が異なります。開業資金の金額に物件費や設備費を含めていないフランチャイズもあるため、承知しておく必要があります。

 おそうじ本舗

おそうじ本舗

おそうじ本舗は、ハウスクリーニング業を展開するフランチャイズです。

【開業資金】

開業資金合計 381万8,000円
開業資金内訳 加盟金30万円
保証金20万円
研修・講習費100万円
機材費190万円
システム導入費15万円
プリンターセット8万5,000円
初期販促費18万円
フリーダイヤル初期費用3,000円

開業資金は381万8,000円となっていますが、この中で最も経費がかかるのがクリーニング業で使用する機材費です。研修内容が充実していることから、研修費・講習費も100万円必要です。加盟金・保証金は併せて50万円で、それ程高くありません。おそうじ本舗では、次の2つの側面から加盟店を支援しています。

①営業面での支援

出店エリアについて人口や平均年収などを市場調査する、スーパーバイザーが営業に同行するなどにより、加盟店の営業を支援します。また、本部に来た仕事依頼を各加盟店に紹介しています(2021年は27万件)。その他、WEBを使った集客や各種販促ツールの活用などにより、営業支援に力を入れています。

②研修の充実

開業前に24日間の研修(技術研修15日間、サービス研修7日間、経営者育成研修2日間)を受講することで、クリーニングや営業に関する知識・技術を身に付けます。また、開業後も、無料で受講できる再研修制度が用意されています。

おそうじ本舗の収益モデルは、既存店の収益の平均値等から作成されています。

【収益モデル】

1人で開業(開業2年目) 月間売上額110万9,972円
月間営業利益67万9,558円
従業員6人で開業(開業3年目) 月間売上額581万2,019円
月間営業利益287万4,548円

 ライフデリ

ライフデリ

ライフデリは、高齢者や要介護者向けに、弁当の宅配を行うフランチャイズです。

【開業資金】

開業資金合計 57万9,500円
開業資金内訳 研修費10万円
厨房機器費約29万5,000円
容器・備品・販促物約14万3,000円
事務機器・事務用品約4万1,500円

飲食業ということで、開業資金のうちでは厨房機器費が30万円近くかかっています。しかし、加盟金や保証金は0円で開業資金総額が57万9,500円に抑えられており、少額開業に適した業態といえます。

高齢者や要介護者の弁当宅配は、将来的に大きな成長が見込まれる分野です。しかも、客の多くは一見でなく、定期的に注文してくれる固定客であるため、経営の安定性が期待できます。

ライフデリは、単に弁当の宅配を行うだけのサービスではありません。弁当宅配に合わせて、高齢者や要介護者の安否確認や声掛けなど、介護サービスの一環も兼ねた仕事です。家族が離れて暮らしている場合は、緊急時に家族やケアマネージャーに連絡も行います。

このように、ライフデリの仕事は地域社会と繋がった福祉サービスの一面も持っているため、社会貢献ができるメリットもあります。ただし、ライフデリの仕事を始めるのに、介護や飲食業の経験は必要ありません。

ライフデリの収益モデルは、以下の通りです。

【収益モデル】

1日50食のケース 月間売上額81万2,310円
月間必要経費69万3,897円
月間営業利益25万7,897円
1日100食のケース 月間売上額162万4,620円
月間必要経費127万827円
月間営業利益35万3,793円
1日200食のケース 月間売上額324万9,240円
月間必要経費239万3,654円
月間営業利益85万5,586円

ライフデリでは、毎月3万円(定額)の会費がかかりますが、ロイヤリティは課されないシステムになっています。

 トータルリペア

トータルリペア

トータルリペアは、住宅や家具などの修理業を展開するフランチャイズです。修理対象は、主にフローリングや建具、家具などの木部・アルミ・樹脂部分の傷や破損部分になります。

【開業資金】

開業資金合計 350万円
開業資金内訳 加盟金150万円
講習費50万円
機材・材料費150万円

開業資金は、加盟金150万円のほかに、住宅・家具修理用の機材・材料費が150万円、修理技術習得のための講習費が50万円の計350万円となっています。住宅・家具の修理業は、自宅を作業場所兼資材置場として無店舗で、かつ1人で開業することが可能です。自宅の作業場所も2畳程度あれば仕事を行うことができます。トータルリペアの収益モデルは、既存店の収益平均値から作成されています。

【収益モデル】

1人で開業のモデル 月間売上額170万円
材料費9万円
月間収入額161万円

トータルリペアの主な客は個人ではなく、ハウスメーカーやリフォーム会社などの法人です。法人が相手であるため、継続的に仕事が貰える傾向にあります。なお、本部へのロイヤリティは、月4~6万円となっています。

 リフォーム職人

リフォーム職人

リフォーム職人は、住宅のリフォーム業を展開するフランチャイズです。リフォームは、床フローリングや壁クロスの貼り替えや建具・住宅設備の交換などを行う仕事です。仕事は住宅に出向いて行うため店舗や作業場は不要で、自宅に省スペースの道具・材料置場があれば十分です。また、従業員を雇う必要もなく、自分1人で開業ができます。

【開業資金】

開業資金合計 150万円
開業資金内訳 加盟金100万円
研修費30万円
道具・材料費20万円

リフォーム職人は自社の研修センターを持っており、研修に力を入れています。加盟者を1人前のリフォーム職人にするため、技術研修をはじめ業界知識、営業研修、接客研修などを10日間の日程で行います。また、研修後も、1級施工管理技士などの資格取得に向けた支援をしてくれます。

リフォーム職人の収益モデルは、次の通りです。

【収益モデル】

月間売上額500万円
月間必要経費375万円
月間営業利益125万円

本部へのロイヤリティは必要経費に含まれていますが、月10万円となっています。

 無人ホワイトニングサロンHAKU

無人ホワイトニングサロン

HAKUは、歯のホワイトニングサロンです。HAKUの大きな特徴は、無人運営のサロンという点です。スタッフが常駐しないため、予約・入室・施術・退室・支払は自動化されています。施術は、利用客が自分で行うシステムとなっています。

HAKUでは、フランチャイズ加盟店を募集してから、7ヵ月で60件の加盟契約が決まっています。近年の健康・美容志向の高まりを背景に、将来的により成長が期待できるビジネスです。

【開業資金】

開業資金合計 187万円~
開業資金内訳 加盟金0円
開業パック187万円(物件、家具別途)
LED照射機器、スマートロック、予約決済システム、ホームページ作成、広告用動画作成、店舗レイアウトデザイン、LINE公式アカウント作成、MEO対策

開業資金は187万円からとなっていますが、物件費や家具費は含まれていません。加盟金はなく、開業資金のほとんどが店舗設備や広告宣伝の費用となっています。店舗は数坪のスペースがあれば、開業することができます。

【収益モデル】

月間売上額77万円
月間必要経費44万2,000円
(ロイヤリティ4万5,000円、運用サポート費用9万7,000円、家賃光熱費11万円、消耗品4万円、広告費15万円)
月間営業利益32万8,000円

無人営業であるため、スタッフを常駐させる必要がなく、人件費を節約することができます。HAKUでは、歯科医院と提携してオンライン診療を実施しています。

 日本ペットシッターサービス

日本ペットシッターサービス

日本ペットシッターサービスは、平成11年創業の全国で126店舗を展開するペットシッターの老舗です。

近年のペットブームによりペットを飼育する人が増えており、それに伴ってペットシッターに対する需要が高くなっています。仕事の依頼に対して、ペットシッターの数が不足している状況で、将来的に大きな成長が期待できる分野です。

【開業資金】

開業資金合計 90~135万円
開業資金内訳 加盟金60万円
研修費Aコース22万円、Bコース67万円
(Aコースは実務経験がある人を対象。Bコースはない人を対象)
備品費3万円
ホームページ製作費5万円

開業資金は、研修コースの違いにより、90~135万円と差があります。経験者に比べ未経験者は研修内容が充実しているため、研修費が高くなっています。実店舗を持たず自宅で、しかも1人で開業できるため、開業資金を抑えることができます。さらに、高額な備品や機器類も必要ありません。

【収益モデル】

オーナー1人のケース
1日6件
月間売上額3,000円×6件×25日間=45万円
スタッフ2人のケース
1日12件
月間売上額3,000円×12件×25日間=90万円
月間必要経費 ロイヤリティ 売上げの10%
システム料5,500円
ペットシッター賠償責任保険料1,650円~3,300円

日本ペットシッターサービスでは、無料の顧客紹介制度を利用できるため、オーナーが自分で営業を行う必要がありません。また、加盟店専用の賠償責任保険が用意されているので、安心して仕事に専念することができます。

 銀座屋

銀座屋

銀座屋は、商品の買取専門店を展開するフランチャイズです。

【開業資金】

開業資金合計 220万円
開業資金内訳 加盟金110万円
研修費55万円
開業支援金・開業準備金55万円

開業資金は、合計で220万円となっています。買取業は、接客および買い取った商品を転売するまで一時保管するスペースがあれば営業できるため、小規模な店舗で始めることができます。また、オーナーが1人で運営することもできるため、初期投資を抑えた開業が可能です。

銀座屋の収益モデルは、2019年度の直営店の実績平均(月次平均)から算出されています。

【収益モデル】

来店数146人
買取額645万8,000円
売上額1,122万3,000円
粗利額476万5,000円
営業利益298万5,000円

本部へのロイヤリティは月額11万円、広告協賛金は月額11万円となっています。銀座屋は、店舗買取、出張買取、宅配買取の3つの買取方法で営業しています。商品査定は開業前研修で学びますが、開業後の査定で困ったときは、本部の査定スタッフに連絡すればサポートしてくれるので安心です。

銀座屋では、買い取った商品は、本部以外に、専門業者やネットオークションなど、加盟店オーナーが自由に決定できるシステムとなっているため、収益を伸ばすことが可能です。

 くらしのパートナー

くらしのパートナー

くらしのパートナーは、シニアの生活をサポートするフランチャイズです。くらしのパートナーは、シニアの生活サポートとして以下の事業を展開しています。

①生活支援サービス

買物代行、通院サポート、スマホ予約代行など

②サービス提案

老人ホーム紹介、相続支援、行政手続代行、宅配弁当、光熱費の見直し、遺品整理、買取など

高齢化社会を迎えた日本は、今後も高齢化の進展が衰える気配がなく、1人暮らしの高齢者や夫婦共に高齢者の家庭が増えていくと予想されます。このため、高齢者の生活サポートに対する需要は、今後も増えこそすれ衰えることはなく、大きな成長が見込める分野です。

【開業資金】

開業資金合計 90万円~
開業資金内訳 加盟金90万円~
(ブランド使用料、研修費、販促物、開業コンサルサポートを含む。)

暮らしのパートナーは、自宅で1人開業できる業種・業態です。そのため、初期費用を抑えて始めることができます。

【収益モデル】

月間売上額71万6,000円
月間営業利益66万6,000円

本部へのロイヤリティは、月額5~7万円となっています。くらしのパートナーの収益は、仕事の内容により様々です。くらしのパートナーは、高齢者の生活を支援することならあらゆる仕事を行う点で、便利屋と共通点があります。

 全国スイーツ工房

全国スイーツ工房

全国スイーツ工房は催事スペースで銘菓を販売するフランチャイズです。販売場所は、百貨店やショッピングセンター、スーパーマーケット、イベント会場などで、様々な催事スペースを利用します。

【開業資金】

開業資金合計 150万円(毎月10人限定)
開業資金内訳 加盟金100万円
保証金50万円

開業資金は、毎月10人限定で150万円となっています。全国スイーツ工房では、開業費用の分割も相談に応じてくれます。催事スペースを使って販売するため実店舗を構える必要がなく、初期費用を節約できます。

【収益モデル】

月間売上額290万円~
月間営業利益50万円~

本部へのロイヤリティは、毎月5万円となっています。全国スイーツ工房では、本部のバイヤーが全国各地から周知度が高い銘菓を仕入れています。スイーツは、販売するだけで調理が不要なため、飲食店や菓子店の経験はいりません。

 からあげ専門店 鶏笑

からあげ専門店 鶏笑

からあげ専門店鶏笑は、全国で200店以上の唐揚販売店を展開するフランチャイズです。

鶏笑の唐揚は、日本唐揚協会主催の「からあげグランプリ」で最高金賞を受賞しています。

【開業資金】

開業資金合計 130万円~
開業資金内訳 加盟金100万円
研修費30万円
物件、設備費用等は別途

鶏笑は持ち帰り専門のため、店内に飲食スペースは必要ありません。そのため、数坪程度の広さで、初期費用を抑えた開業が可能です。鶏笑では、店舗物件探しから店内工事、開業前研修など開業に向けたサポートを行ってくれます。研修は14日間あるため、飲食店の経験がなくても大丈夫です。

【収益モデル】

店舗面積15坪、25日営業のモデル
月間売上額390万円
月間必要経費242万円
(仕入175万円、家賃光熱費20万円、人件費35万円、ブランド使用料2万円、その他10万円)
月間営業利益148万円

まとめ

開業資金500万円で始められるフランチャイズ

フランチャイズ事業で開業資金を抑えるためには、以下の各費用を節約する必要があります。

  1. 加盟金・保証金
  2. 物件費
  3. 設備費
  4. 広告宣伝費
  5. 人件費
  6. 仕入費

これらの費用の中では、②物件費中の店舗内外装工事費および③設備費が、業種や業態によっては大きなウェイトを占めます。このため、②物件費、③設備費をいかに抑えるかが肝心なポイントです。今回紹介したフランチャイズの開業資金には、実店舗が不要で物件費や設備費があまりかからないケースがありますが、一方で物件費・設備費を含めていないものもあるため、記載された開業資金が開業するための費用すべてを表しているというわけではありません。

また、⑤人件費や⑥仕入費は、本来は開業後の運転資金から捻出するものですが、開業時には一定額の運転資金予備を蓄えておくことが必要であることから、これらの費用を節約することが実質的な初期費用を抑えることに繋がります。

今回紹介したフランチャイズ10選は、できるだけ多様な業種・業態を紹介してあります。今回紹介していないフランチャイズでも、同じような業種・業態であれば、開業資金を抑えて始めることが可能です。さらに、今回紹介できなかった業種・業態の中にも、少額の初期費用で開業できるものが多くあるので、情報を集めてみてください。