たこ焼きのフランチャイズに加盟するメリット・デメリットや経営のポイントは?

近年、フランチャイズは様々な分野・業種に広がっていますが、昔から日本人に愛されてきた「たこ焼き」の分野でも普及しています。たこ焼きは、ちょっと小腹が空いたときの「おやつ」・「スナック」という位置付けで、広く食べられてきました。たこ焼きは調理がそれ程難しくなく、大掛かりな設備も必要としないことから、フランチャイズの1員になれば、飲食店経営の初心者でも始めることができます。

今回の記事では、たこ焼きのフランチャイズに加盟するメリットやデメリット、たこ焼き店を上手に経営するポイントを解説しています。フランチャイズで独立開業を目指している方は、参考にしてみてください。

たこ焼きのフランチャイズに加盟するメリット

たこ焼きのフランチャイズに加盟するメリット

はじめに、たこ焼きのフランチャイズに加盟すると、どのようなメリットがあるかを見ていきましょう。

老若男女に広く人気がある

たこ焼きは、老若男女に広く人気があるというメリットがあります。老若男女に人気があるということは、年齢や性別にかかわらず様々な人に愛されているという意味です。たこ焼きは、小さな子供や食べ盛りの若者に人気があるだけでなく、中高年の人にも広く食されています。また、たこ焼き好きは男性に留まらず、多くの女性の口も楽しませています。

このように、たこ焼きは、多彩な食材や料理が溢れている日本で、年齢や性別にとらわれず広く支持されているのです。このことから、たこ焼き店は、消費者の強いニーズに支えられて安定した収益を上げることができる業種といえます。

手頃な価格で提供できる

たこ焼きは、手頃な価格で提供できるメリットがあります。たこ焼きは、高級料理ではありません。むしろその逆で、ちょっとした小遣い程度の金額で買えるスナックです。少し小腹が空いたとき、きちんとしたご飯ではなくおやつが欲しいとき、たこ焼きは絶好のターゲットとなります。

手頃な価格で売っている似たものに、鯛焼きや大判焼きがありますが、いずれも餡を入れて甘党向きに作られているため、辛党の人に敬遠される場合があります。しかし、たこ焼きであれば、甘党の人も辛党の人も、おやつ代わりに楽しむことができるわけです。

同じ飲食店を始めるにしても、1品〇千円~〇万円という高級品を扱う場合は、売れるかどうかが不安になってしまいますが、たこ焼きは学生の小遣いで買える大衆食なので、安心して始めることができます。

おやつとおかずの両機能がある

たこ焼きは、おやつとおかずの両方の機能を持っています。たこ焼きをおかずにしてご飯を食べると美味しいという人は意外と多く、たこ焼きの風味とそこにかかっているソースが、ご飯に大変よく合うからです。それは、ラーメンをおかずにしてご飯を食べる、「ラーメンライス」や「半チャンラーメン」などと共通点があるかもしれません。炭水化物をおかずにして主食の炭水化物を食べるのは、昔から日本人の18番なのです。

このため、たこ焼きには、おやつとしての需要に加えて、おかずとしてのニーズが合わさっています。

持ち帰りができる

たこ焼きは、もちろん店内飲食が可能な食物ですが、どちらかといえば持ち帰りに向いています。持ち帰りができることが大きなメリットになるということは、コロナ禍が証明しています。新型コロナウィルスが感染拡大していた当時、感染の危険が高いとして店内飲食が敬遠されました。そのことで大きな打撃を受けた飲食業界でしたが、その荒波を何とか乗り越えようとして取り組んだのが、持ち帰りや宅配です。店内飲食を、持ち帰りや宅配の形態に切り替えることで、多くの飲食店が苦境を乗り切ってきました。

コロナ禍は、ひと頃と比べて落ち着いてきていますが、まだ終息したわけではなく、今後も感染拡大の波が繰り返される可能性があります。また、コロナウィルス以外の新しい感染症が登場してくることも想定されます。しかし、そのような事態になったとしても、持ち帰りが主流のたこ焼き店は、きっと新たな苦境を乗り越えてくれることでしょう。

移動販売ができる

移動販売とは、車両を使って販売することです。たこ焼き店を開業するなら、人が集まりやすい良い場所に店を構えることが大切です。しかし、人が集まりやすい良い場所に貸店舗が見つからない、または見つけても家賃が高い場合などがあります。

移動販売は、人が集まる場所をピックアップしてその場所で販売できることから、有利な事業展開が期待できます。

1人でできる

たこ焼き店は、1人でできるという大きなメリットがあります。通常の飲食店は、厨房で調理をする担当と客席に料理を運ぶなど接客を行う担当が分かれています。調理担当と接客担当が分かれている理由は、一定の時間を要する調理には専属の人間が必要である、接客や会計などの仕事も大きな負担があり専属の人間がいないと困るなどによります。

しかし、たこ焼き店は、調理と接客を1人でできる数少ない業種です。調理と接客を1人でできる理由は以下の通りです。

①たこ焼きは、調理を行いながら接客することができる

たこ焼きは、本格的な料理のように調理に専念する必要がなく、調理しながら接客もできる余裕があります。

②たこ焼きの調理は、それ程難しくない

たこ焼きの調理方法はそれ程難しくないため、同時並行で接客できる余裕があります。

③たこ焼きは販売が主体であるため、客席に運ぶ必要がない

たこ焼き店は店頭販売形式であるため、通常の飲食店のように料理を客席に運ぶ手間がいりません。

1人でできるということは、他にアルバイトなどを雇う必要がなく、その分人件費を節約できるということです。

開業費用を抑えられる

たこ焼き店は、開業費用を抑えられるメリットがあります。通常、飲食店を開業しようとすると、かなりのまとまった資金が必要です。飲食店は、客席があるスペースと厨房の両方の空間が必要であり、店舗面積が広くなってしまいます。人が集まりやすい場所に出店しようとすると地価が高いため、物件取得費や家賃が多くかかり、それに加えて店舗改装費や厨房設備導入費も必要になります。

それに対し、たこ焼き店は、テイクアウトの窓口販売が主体であるため客席スペースが不要で、大がかりな厨房設備も必要ありません。たこ焼き機や冷凍・冷蔵庫は備えなければいけませんが、専用の厨房ということではなく、厨房兼売場として小人数が作業できるスペースがあれば済みます。

このように、たこ焼き店は、店舗が小規模で大がかりな設備が不要、自分1人で始めればアルバイトを雇う必要がないため、開業費用を安く抑えることが可能です。

初心者でもできる

たこ焼きのフランチャイズに加盟すると、初心者でも開業が可能です。たこ焼きは、調理方法がそれ程難しくありません。フランチャイズに加盟すると、用意されたマニュアルに従って調理ができるシステムになっており、また開業前にたこ焼き調理の講習を受講して知識・技術を身に付けることができます。

同じようにおやつ類を製造・販売する業種に和菓子店がありますが、高級和菓子店で提供される商品は、何年間も修行を積み重ねた和菓子職人がその技術を駆使して作り上げたものです。それに対し、たこ焼き店ではそのような長い期間の修行は必要なく、比較的短期間の教育で調理することができるようになります。

また、飲食店で大きな懸案であるタコなど食材の仕入れ先については、フランチャイズ本部指定の業者から仕入れることになるため、自分で仕入れ先を開拓する苦労がありません。

このように、フランチャイズたこ焼き店は、飲食業経験がない初心者でも始めることができます。

営業ノウハウを提供してもらえる

フランチャイズに加盟すると、営業ノウハウを提供してもらえるメリットがあります。未経験者がたこ焼き店を始めようとすると、わからないことだらけです。

例えば、

  1. どこに店を出店すればよいか、どの位の規模の物件、どの位の家賃の物件を探せばよいか
  2. 物件をどのように改装すればよいか
  3. どのような設備や備品を用意すればよいか
  4. 仕入れ先はどこにするか、何をいくらで仕入れるか
  5. 食材の保管はどうするか、どの位の期間保存が可能か
  6. たこ焼きの調理はどうすればよいか、どの位作ればよいか
  7. 販売価格はいくらにすればよいか
  8. どのように宣伝したらよいか
  9. 光熱水費はどう抑えればよいか
  10. 事業の収支はどう管理すればよいか

などの疑問が、次から次へと湧いてきます。個人でたこ焼き店を始める場合は、このような疑問を相談できる相手がいないため、自分1人で悩み、解決していかなければならないことになります。

しかしフランチャイズに加盟すれば、本部のスタッフが出店計画や資金計画作りを手伝ってくれ、物件探しもサポートしてくれます。また、仕入先は本部が紹介してくれ、たこ焼きの調理法もマニュアルや研修を通じて教えてくれます。その他、集客ノウハウや事業収支管理など、事業を進める上で必要となる知識やポイント、コツなども適時専門スタッフが助言・指導してくれます。

出店場所を紹介してくれる

たこ焼きフランチャイズは、出店場所を紹介してくれるメリットがあります。たこ焼き店を始める場合は、どこに出店するかが大きな問題です。事業を成功させるには、人が集まりやすい良い場所に出店する必要がありますが、そのような場所に店舗物件を探すことは簡単ではありません。不動産取引に慣れていない一般の素人が、商売に適した場所に頃合いの貸店舗を見つけて借りる交渉を行うことは、案外難しいものです。

しかし、フランチャイズに加盟すれば、事業に適した候補地の提案や物件の紹介を行ってくれるため、初心者でも安心して手続きを進めることができます。

たこ焼きのフランチャイズに加盟するデメリット

たこ焼きのフランチャイズに加盟するデメリット

たこ焼きのフランチャイズにはデメリットもあります。ここでは、そのデメリットをみていきましょう。

差別化を図りにくい

たこ焼きのフランチャイズ店は、差別化を図りにくいというデメリットがあります。飲食店経営で成功するための重要なポイントに、「他店との差別化を図る」というものがあります。同じラーメン店でも、他店にはない味や香りのスープ、他では真似できない喉越しの良い麺などを提供できれば、他の店で味わうことができないラーメンを出してくれるということで差別化を図ることができます。また、とんかつ店でも、ある店では国産の黒豚、他の店では輸入豚を食材としているなど材料へのこだわりや揚げる温度・時間など様々に工夫する余地があります。

しかし、たこ焼きのフランチャイズ店で他店と差別化を図ることは簡単ではありません。その理由は、①たこ焼きの食材はどれも似ており、調理方法もシンプルなため、工夫できる余地があまりない、②フランチャイズでは、食材や調理方法が統一的に決められているため、提供商品が同系列の他店と同じになってしまうなどによります。

このように、たこ焼きのフランチャイズ店では、他のたこ焼き店と差別化を図ることが難しいという問題がありますが、この限られた条件の下で、自分の店独自の特徴をいかに出していくかが腕の見せ所ではないでしょうか。

場所が悪いと売れない

たこ焼き店は店の立地が良くないと売れにくくなります。店の場所が良くないと売れないことは他の飲食店も同様ですが、たこ焼き店の場合はその影響が大きく出てしまいます。

なぜなら、たこ焼きは、わざわざ遠くに行ってまで買うものではないからです。

同じおやつの部類でも、老舗の銘菓や有名なケーキ店などは、遠くからその店を目当てにやって来る客が大勢います。他店と差別化して独自の商品を提供しているかき氷店なども、入店するために長い行列ができるところもあります。このような店は、少しくらい立地が悪くても商品を目当てに人は集まってくれます。

しかし、たこ焼きは老舗の銘菓や有名なケーキ店とは異なり、手頃な価格で提供する大衆食です。材料や作り方もシンプルなため、他店と差別化を図ることも難しい事情があります。早い話が、多くの人が「たこ焼きは、どこで買っても同じ」という認識を持っているのです。

以上のように、たこ焼き店は、通勤・通学や買物の途中にあれば立ち寄るという種類の店で、わざわざ遠くから足を運んでくれる客は多くありません。したがって、たこ焼き店で成功しようとしたら、まず人が集まる良い場所に出店することです。人が集まりにくいような場所に店を構えたら、集客に苦労することが目に見えています。

軽食が多様化している

近年、軽食の種類が増えたことで、軽食に占めるたこ焼きのウェイトが相対的に低下しているというデメリットがあります。

昭和の昔に街でよく食べられた軽食には、たこ焼きのほか、鯛焼き、大判焼き、焼き芋、おでんなどがありました。その時代は軽食の種類が今のように多くなかったことから、おやつとしてのたこ焼きは大きな存在感があったものです。

しかし、昭和の後半頃から、海外発祥のハンバーガーやホットドッグ、フライドポテト、から揚げ、ソフトクリームなどが普及し、その結果近年は軽食の種類が非常に豊富になりました。

軽食の種類が豊富になるということは、例えば、昭和時代にたこ焼きや大判焼きを食べていた部活帰りの高校生が、最近はフライドポテトやソフトクリームを食べていることも大いにあり得るわけです。また、軽食に対する嗜好も多様化してきていることから、必ずしもすべての人がたこ焼き好きということもいえなくなっています。

このように、軽食の種類が増えて人々の好みも多様化してきていることは、たこ焼き店が乗り越えていかなければならない大きな課題といえるでしょう。

資格を取得する必要がある

たこ焼き店を開業するには、次の資格を取得する必要があります。

①食品衛生責任者

飲食店や販売店には、営業許可施設ごとに1人の食品衛生責任者を配置することとされています。食品衛生責任者の資格は、各地域や都道府県で実施する講習を受講することで取得することができます。

②飲食店営業許可

店舗の所在地を管轄する保健所に申請し、審査に合格すれば許可が与えられます。

また、店で売る以外に、ネットでたこ焼きを販売する場合は、食品衛生法に基づく営業許可のうち、「食品の冷凍又は冷蔵業の許可」を受けなければなりません。

なお、調理士免許は必要ありません。

宅配に適さない

たこ焼きは、宅配に適さないデメリットがあります。たこ焼きは、宅配で販売しようとしたら簡単にできます。商品自体が小さいため、バイクや自転車で楽に宅配することが可能です。

しかし、宅配するためには、その提供商品に一定水準以上の収益性がないと採算がとれません。たこ焼き1パックで得られる利益は大きな金額にならないため、宅配する労力と時間を考えると割に合わないのです。割に合うとすれば、たこ焼き50パックを届けるなどの大口注文があった場合ですが、そのような注文は滅多にないでしょう。したがって、初めから「宅配はやっていません」とする方が、効率的な営業ができます。

宅配は、飲食店経営で非常に重要な役割を持つ販売手法です。店内飲食が敬遠されたコロナ禍には、宅配で乗り切った飲食店が多くあったほどです。そのような重要な販売手法を諦めざるを得ないくらいに、たこ焼きは大衆向けの軽食であるといえます。

自由な営業が制限される

フランチャイズに加盟すると、自由に営業することが制限されるデメリットがあります。個人で事業を始める場合は、オーナーが事業経営の方針や方法などのすべてを決めます。金融機関から融資を受ける場合は、金融機関からの助言や忠告を聞き入れないといけない面もありますが、その他はオーナーがすべて自由に決めて事業を行うことができます。

しかし、フランチャイズに加盟すると、加盟店オーナーは、フランチャイズ本部の経営方針や事業戦略に従う義務が生じます。フランチャイズは、系列店の業績を向上させ、グループを拡大・成長させる目的を持っているため、グループ全体の経営方針や事業戦略を統一的に決め、系列店に従ってもらう必要があるのです。

このため、グループ内の加盟店が、フランチャイズの経営方針や事業戦略から外れた営業を行うことは禁止されます。例えば、加盟店が、勝手にフランチャイズ本部が決めたメニュー内容や調理方法、提供価格などを変更することは許されないわけです。

その点で、「自分は、誰からも拘束されずに自由な営業がしたい」、「他店にはないユニークな商品を開発したい」などの考えを持っている人は、フランチャイズに向いていないかもしれません。

加盟金・ロイヤリティがかかる

たこ焼きのフランチャイズに加盟すると、加盟金やロイヤリティがかかります。加盟金は、フランチャイズに加盟する際に発生する費用で、フランチャイズ本部に金銭で支払います。その金額はフランチャイズごとに違っており、中には加盟金を徴取しないところもあります。たこ焼きフランチャイズの加盟金の相場は、50~200万円程度となっています。加盟金の額が高過ぎると開業費用が膨らみ、後のローン返済が負担になることがあります。

また、ロイヤリティは、フランチャイズの商標や商号を利用する対価として、開業後に毎月フランチャイズ本部に支払う金銭です。これもフランチャイズによりその金額が異なりますが、概ね毎月の売上額の3~5%程度となっています。開業後に毎月の売上げが振るわなければ、ロイヤリティの支払いが負担になるため、ロイヤリティは安いに越したことはありません。

たこ焼きのフランチャイズを上手に経営するポイント

たこ焼きのフランチャイズを上手に経営するポイント

それでは、たこ焼きのフランチャイズを上手に経営するためには、どのような点がポイントになるかをみていきましょう。

自由度が高いフランチャイズを選ぶ

たこ焼きのフランチャイズを上手に経営するための第1のポイントは、自由度が高いフランチャイズを選ぶことです。

フランチャイズ本部は、それぞれ自社グループの経営方針や営業戦略を統一的に定めており、加盟店はフランチャイズ本部の定めた統一的なルールを守る義務を負っています。例えば、一般的なたこ焼きのフランチャイズであれば、たこ焼きのメニューや提供価格が決められており、各加盟店はその決められたメニューと価格に従って営業を行うことになるわけです。したがって、ある加盟店だけが勝手に決められたメニューを変更する、提供価格を変えるなどの行為は許されません。

これは、フランチャイズが自社のブランド価値を守りながら、系列店全体の業績を伸ばし、グループを拡大・成長させるという目的を持っているからです。

このことから、加盟店が発案したアイデアを営業に生かす、加盟店が独自の工夫で経営改善を行うなどの取組自体が、フランチャイズの統一的なルールから逸脱するとして許されない場合もあります。そしてそのような場合は、加盟店の営業・経営改善に向けての取組が無駄になるとともに、加盟店の営業意欲そのものも奪ってしまいかねません。

しかし、フランチャイズの統一的な経営方針や営業ルールの内容、その定め方、細かさの程度、柔軟性などは、フランチャイズにより様々に違っています。

このことから、フランチャイズに加盟する場合は、グループの統一的なルールを細かく定めているフランチャイズより、大まかにしか定めていないフランチャイズの方が、加盟後に自由に営業ができる幅が広くなります。また、ルールの拘束や締め付けが強いフランチャイズより、緩いフランチャイズの方が独自の工夫やアイデアを営業に生かせるチャンスが増えます。

フランチャイズ選びでは、自由度が高いフランチャイズを選ぶことが非常に重要なポイントになるのです。

消費者ニーズを反映するフランチャイズを選ぶ

消費者ニーズを反映するフランチャイズを選ぶことは、非常に重要なポイントです。消費者には、時代ごと、地域ごとに様々なニーズがあります。そのニーズの内容は1つではなく、複数の異なる条件から成っています。

例えば、「値段を安く」というニーズもあれば、「バラ売りもしてほしい」というニーズもあります。考えられる消費者のニーズを一覧にすると、

  1. 価格を安く
  2. 1個単位で販売を
  3. 味や風味を多彩に
  4. ヘルシーに
  5. 甘い・辛いなどの味付けも
  6. タコ以外の材料も使って
  7. たこ焼き以外のメニューも
  8. 飲料も一緒に
  9. 店頭・店内に飲食スペースを
  10. 宅配してほしい

などがあります。

消費者の様々なニーズの中から、多くを占める意見や希望を見極め、それを事業に反映させていくことが重要です。

フランチャイズ本部は、市場調査として、地域ごとにどのような客層の消費者がいるか、消費者がどのような嗜好や希望を持っているかなどを調査・分析しています。

①地域ごとにどのような客層の消費者がいるか

地域の人口・世帯数・年齢層・企業数・学校数などを調べ、地域に居住・勤務している人がどのような客層なのかを把握します。客層は、年齢帯別・男女別の比率、富裕層が多いか、労働者層が多いか、学生が多いか、専業主婦が多いかなどです。

②消費者がどのような嗜好や希望を持っているか

フランチャイズでは、系列店の売上結果を集計し、人気があるメニューやよく売れるボリューム(個数)などを把握しています。この集計結果により、年間を通じてどの季節にどのメニューがどのボリュームで売れやすいか、1週の中でどの曜日に、1日の中でどの時間帯にどのメニューがどのボリュームで売れやすいかなどがわかります。

また、価格改定後に売上げがどの程度動いたかにより、消費者の価格に対する許容度などを把握することができます。さらに、フランチャイズでは、キャンペーンなどに合わせてアンケート調査を実施することで、消費者の生の声や意見を吸い上げています。

以上のように、フランチャイズ本部は、消費者の属性や購入結果、嗜好、希望、意見などのマクロデータを保有し、分析しています。フランチャイズの加盟に際しては、本部の持っている市場調査の結果やデータを見せてもらい、そのフランチャイズが消費者ニーズを事業に反映するよう努めているかを確認することが肝心です。

消費者ニーズがそのフランチャイズの事業に反映されているかどうかは、提供メニューの内容や価格、販売形態や店舗の状況などから判断します。市場調査にあまり力を入れていないフランチャイズはそもそも論外ですが、市場調査を行っていても、その結果を事業に反映させていないフランチャイズは要注意です。

市場調査結果に基づいて消費者の嗜好や性向を的確に把握し、事業に反映させていく決断力・実行力のあるフランチャイズを見極めることが重要です。

良い場所に出店する

たこ焼き店を成功させるには、良い場所に出店することが大きなポイントになります。通常、飲食店を繁盛させようとすると、人が集まる良い場所に店を構えることが基本となります。たこ焼き店の場合も同様で、人が集まる良い場所に出店することが何より重要です。たこ焼き店の場合は、店内飲食より持ち帰りが主体になりますが、人が集まってこない場所では、持ち帰りも成り立たないからです。

人が集まる良い場所とは、①鉄道駅の駅ビルの中・駅前(鉄道駅は大きい方が良い)、②ショッピングセンターなど商業施設の中、③学校の近くなどです。

①鉄道駅の駅ビルの中・駅前に出店できれば、通勤・通学帰りの会社員や学生で繁盛するでしょう。また、②ショッピングセンターなどの商業施設の中に店を構えれば、買物に来た主婦や親子連れが買ってくれます。

③の学校近くですが、1番が高等学校、次に大学・専門学校が狙い目です。小・中学校は、帰宅途中で飲食が禁止されているため除外します。高校も、帰宅途中の飲食を認めない校則が厳しい学校は外します。

狙い目は、校則が比較的緩い高校です。生徒が帰宅途中に飲食しても、厳しく追及しない高校は結構あります。なぜ、高校が狙いかというと、大学生や専門学校生は空腹になれば、友達同士で飲食店や居酒屋に入るケースが多いからです。その点、まだ小遣いを十分に持っていない高校生は、たこ焼きを買って、店先で食べる、歩きながら食べる、自転車を漕ぎながら食べるというパターンが比較的多いのです。

以上のように、①鉄道駅の駅ビルの中・駅前、②ショッピングセンターなどの商業施設の中、③校則が厳しくない高校学校の近くなどが、人の集まりやすい良い場所です。

1人から始める

次に重要なポイントは、自分1人から始めることです。たこ焼き店は、自分1人で営業することが可能です。たこ焼き機はそれ程大きくなく、たこ焼きの調理も販売窓口のすぐ内側でできるため、1人で作って売ることが可能なのです。もっとも、出店する場所が大きな駅の前などでは、慣れるまでは苦労します。

大きな鉄道駅では、朝夕の通勤ラッシュ時は、電車が到着すると大勢の人がドッと出てきて、たこ焼きの注文も重なってしまうことがあるからです。そのため、電車の時刻表を手元に置いておき、電車が来ない間に調理・焼き上げを行って、パックに詰めておきます。そして、電車が到着したら、売ることに専念します(慣れれば、電車の時刻などは暗記できてしまいます)。

1人で始めるのは、人件費を節約するためです。開業当初からアルバイトなどを雇ってしまうと、仮に売上げが振るわなかった場合に、賃金を支払うことが難しくなってしまいます。アルバイトを雇うのは、店の売上げが十分に伸びて、自分1人ではどうしても手が回らない状態になるときまで待ちましょう。

店頭で食べられるスペースを確保する

店頭で食べられるスペースを確保することも重要なポイントです。一般的にたこ焼きは、「お腹が空いた」「美味しそう」などの動機により購入されます。この中には、「家に帰ってから食べよう」という人もいれば、「すぐに食べたい」という人も一定数います。このすぐに食べたい人向けに、店頭に2~3人用のベンチやテーブルを設ければ喜ばれることは間違いありません。

すぐに食べたい人は、高校生などの若い人が主体ですが、このような学生は常連客になってくれる可能性が高いのです。できれば、側に飲料の自動販売機が設置できれば、より喜ばれることでしょう。

店頭にベンチやテーブルを設けることが難しい場合は、諦めるしかありません。店内に食べられるスペースを作ろうとしたら、店舗面積が増えてしまい家賃が高くなってしまう可能性があります。高い家賃を払っても店内飲食のスペースを作るべきか簡単に判断はできませんが、慎重に検討する方がよいでしょう。

客層と品質・価格をマッチさせる

客層と商品の品質・価格をマッチさせることは、非常に重要なポイントです。「客層と商品の品質・価格をマッチさせる」とは、①安いことを優先する客には、品質を落としても安い品を提供する、②味や品質を優先する客には、値段が高くても品質が良い品を提供するということです。

通常、商品の品質や価格は、フランチャイズ本部が決定しています。すなわち、すべての加盟店は、フランチャイズ本部で決められた材料を使い、決められた調理法でたこ焼きが作られ、決められた価格で販売することになり、加盟店がそれらを勝手に変えることはできません。したがって、たこ焼きの品質・価格を様々な客層に臨機応変にマッチさせることなどは不可能です。

ここで言っている「客層と商品の品質・価格をマッチさせる」とは、そういうことではなく、加盟したフランチャイズのたこ焼きの品質や価格に見合う=マッチする客がいる場所に出店することが重要ということです。たこ焼きの品質や価格がすでに決められているのであれば、その品質・価格に見合う客層が多い地域に店を構えることが大切なのです。

加盟したフランチャイズのたこ焼きが、多少値段が高くても見栄えが良く、しつこくない上品な味を特徴としていれば、山の手の高級住宅地や湾岸エリアのタワーマンションに近い鉄道駅、商業施設に出店すれば、その地域によくマッチするでしょう。

一方、少々雑な味付けでも、ボリュームがあり値段が安ければ、下町の観光客や学生街の若者に人気が出るのではないでしょうか。

要は、土地の風土や客層を十分に把握した上で、自分の商品にマッチする出店場所かどうかを検討することが重要なポイントになるのです。

ハーフパックも提供する

たこ焼きは、ハーフパックもメニュー化すると売行きに貢献します。通常、たこ焼きは6~8個が1パックに詰められて販売されています(それ以上の個数のパックもあります)。どちらかというと、6個よりも8個パックの方が多いのではないでしょうか。

しかし、1人住まいで8個あっても多過ぎる、学校帰りに歩きながら2~3個を食べたいという人もいるはずです。このため、3~4個を1パックにしたメニューも加えると売行きが伸びる可能性があります。それまで、8個パックは多過ぎるとして敬遠していた人が、買ってくれるかもしれないからです。

フランチャイズで8個1パックがメニュー化されている場合は、フランチャイズ本部に協議する必要があります。しかし、食材や調理法はフランチャイズのやり方を守り、販売個数の単位を変えるだけなので、案外フランチャイズ本部も認めてくれるかもしれません。

メニューを多彩にする

店の提供メニューを多彩にすることも重要なポイントです。フランチャイズのたこ焼き店は、ただ1種類のたこ焼きを売っているわけではありません。基本的な種類はたこ焼きでも、その味付けや使う調味料を変えた複数のメニューを提供しています。

例えば、あるたこ焼きフランチャイズでは、①たこ焼きの上に削り節、ネギ、甘酢しょうがの千切り、炒り白ごまを乗せ、しょうがレモンポン酢だれと大根おろしがセットになったもの、②たこ焼きの上に白ネギ、大葉を乗せ、青じそポン酢と大根おろし、ごま油がセットになったもの、③たこ焼きの上に明太子マヨネーズ、パルメザンチーズ、モッツアレラチーズをかけたもの、④たこ焼きの上にてりやきソース、たまごサラダをかけたものなどを別個のメニューとして提供しています。

また、たこ焼きと併せて、鯛焼きなどたこ焼き以外のメニューを提供しているフランチャイズもあります。たこ焼きと併せて販売できるメニューとしては、次のものが候補になります。

  1. 鯛焼き
  2. 大判焼き
  3. 焼きそば
  4. お好み焼き
  5. クレープ など

たこ焼きにどの程度の種類があるか、たこ焼き以外のメニューも用意できるかどうかは、加盟するフランチャイズのメニュー次第です。

多彩なメニューは、単調になりやすいたこ焼きの味や風味に変化を与えることができるため、ぜひ取り入れたいところです。多彩なメニューを提供するためには、加盟しようとするフランチャイズにはどのようなメニューが用意されているかを調べるのが先決です。加盟候補の複数のフランチャイズを表にして、加盟の判断材料(自由度・出店場所・加盟金など)にメニュー数と味(美味しさの程度)を加えたものを、総合評価の基準にするとよいでしょう。

実際に美味しいか、美味しさの程度はどの位かは、それぞれのフランチャイズ店で買って食べてみるのです。工夫されたメニューが多彩にあり、味も美味しいフランチャイズがあれば、有力な加盟候補になります。

たこ以外の食材も導入する

店の売上げを伸ばすためには、タコ以外の食材を導入してみることも重要です。たこ焼きといえば、食材はタコと決まっているため、多少香辛料や調味料を変えてみても、基本的な食感や味は変わらず、長く食べていると単調になりがちです。そこで、タコ以外の食材を使い、新たなたこ焼き(?)を開発してみるのです。

タコ以外の食材の候補としては、イカや豚肉、鶏肉などがありますが、それらの材料を変えながら試作品を作り、試食で美味しいと評価されるものを商品化するのです。

もっとも、タコ以外の食材を導入するのは、店の経営が軌道に乗りある程度の資金的・時間的な余裕が生じてからです。開店直後は余計なことを考えずに、ただひたすらフランチャイズでメニュー化されているたこ焼き作りをマスターすることに専念する必要があります。

フランチャイズのメニューや材料、調理法は、統一的に定めているフランチャイズが多いため、新メニューを開発するためにはフランチャイズ本部との協議が必要です。協議内容の中心は、「新メニューを開発して、それを調理・販売してよいか」ということになります。

たこ焼きフランチャイズの中には、自由度が高く、たこ焼き以外のメニューを導入することを認めているところもあります。そこで、新メニューはたこ焼きの名前ではなく、別の名称を付けて販売する方法があります。そうすれば、新メニューはフランチャイズブランド外の商品ということになるわけです。

問題は、その新メニューをたこ焼きと一緒に、フランチャイズの屋号を掲げた店で販売することです。一般消費者が見れば、「あの有名な〇〇だこが、イカ焼きを売っている」と誤解されかねないため、フランチャイズ本部も認めてくれないかもしれません。フランチャイズがイカ焼きを商品化して売っているという噂が広まると、フランチャイズのブランド価値を傷付けてしまう虞もあるため、協議しても同意を得るのは難しい可能性もあります。

このアイデアは、フランチャイズ本部の了解を得ることができなければ、実現は不可能です。フランチャイズに加盟して商売を行うのであれば、その点は断念せざるを得ません。

しかし、何事もやってみなければ進歩や改善があり得ないのも事実です。何も行動を起こさず初めから諦めていては、商品開発や経営改善はできません。その意味で、フランチャイズという強い制約はありますが、売上げ向上に向けて食材の幅を広げる試みを行ってみる価値はあります。

まとめ

たこ焼きフランチャイズで成功する秘訣

たこ焼きフランチャイズで成功する秘訣は、消費者のニーズを的確に把握し、加盟店に自由な営業をさせてくれるフランチャイズを選ぶこと=優良なフランチャイズ選定が極めて大切です。それと忘れてならないのは、人が集まりやすい良い場所に店を出すことです。これらのポイントを踏まえれば、先の道は自ずと開けてくるでしょう。