買取のフランチャイズビジネスとは?人気の買取業者10選

近年のリユースブームに呼応して買取業が脚光を浴びていますが、事業を個人で行うのではなく、フランチャイズに加盟して始める形態が増えています。使わない物を必要な人に譲りたい、良い物を安く買いたいというリユースの流れは、今後も続くと想定され、買取フランチャイズは大きなビジネスチャンスを迎えるといわれています。

今回の記事では、買取フランチャイズのメリットやデメリット、フランチャイズ選びのポイントと併せて、今人気の買取フランチャイズ業者を紹介しています。フランチャイズで開業を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

買取フランチャイズとは

買取フランチャイズとは

買取フランチャイズとは、フランチャイズに加盟して買取業を営むこと、または、買取業を展開するフランチャイズそのものをいいます。

買取業は、客から商品を買い取り、それを他に転売する事業です。買取業の利益は、転売額と買取額の差額から必要経費を引いたものになります。例えば、客から宝石を100万円で買い取り、それを150万円で転売したとします。その場合、家賃や光熱水費などの必要経費が20万円かかったとすると、利益は以下の通りです。

利益=転売額150万円-買取額100万円-必要経費20万円=30万円

フランチャイズに所属して買取業を営む場合は、フランチャイズに加盟していることから生じる様々なメリットがある反面、毎月フランチャイズ本部にロイヤリティを支払う必要があります。ロイヤリティは、加盟者が、フランチャイズの商号やブランドを利用する対価として、毎月フランチャイズ本部に支払うお金です。

買取フランチャイズの仕事内容は

買取フランチャイズの仕事内容を時系列でみていきましょう。

①広告宣伝 店舗の集客を図るために、広告宣伝を行います。具体的には、ネットやSNSで店舗のPRを行う、広告チラシを作成して配布するなどの方法になります。
②査定 客が商品を持って来店すると、その商品をいくらで買い取ることができるかを査定します。
商品の査定は、買取にかかる知識や経験を必要とするため、開業前に研修を受講し、業務マニュアルなどを使って学習しておきます。自分個人で査定額を算出するのが困難な場合は、フランチャイズ本部の力を借りて査定額を求めます。
③買取 算出した査定額に基づき客との商談がまとまると、商品を買い取ります。
④在庫管理 買い取った商品は、転売できるまでの期間は保管することになります。在庫管理は、盗難や紛失、火災などによる滅失がないよう、また湿度などの影響で劣化する商品もあるためその防止策を施します。フランチャイズでは、転売先がフランチャイズ本部または本部指定の業者になるパターンが多くみられます。そのため、商品を買い取ったら速やかに転売でき、在庫をあまり持たずに済みます。
⑤転売 買い取って保管していた商品を転売先に売却します。
⑥収支管理 日々や月々の売上額(転売額)、仕入額(買取額)、必要経費などを記録し、営業利益を算出します。開業資金を借り入れた場合は、毎月の返済額も記録し、事業経営に支障がないかを確認します。

買取フランチャイズで開業するメリット

買取フランチャイズで開業するメリット

それでは、買取フランチャイズで開業すると、どのようなメリットがあるかをみていきましょう。

開業費用を抑えることができる

買取フランチャイズは、開業費用を抑えることができます。通常フランチャイズで事業を始めようとすると、業種にもよりますが、まとまった金額の開業費用を用意する必要があります。開業費用は、①加盟金・保証金、②店舗物件取得費、③店舗内外装工事費、④店舗用備品・消耗品取得費、⑤広告宣伝費などからなっています。

例えば、飲食店を始めようとすると、好立地の場所にある程度の広さの店舗物件を購入か賃借し、店舗の内外装を洒落た雰囲気に造り替え、厨房設備やカウンターを設置し、照明・テーブル・椅子なども揃えなければなりません。店舗物件を賃借するとしても、契約時の費用や工事費、設備・備品の設置などでかなりのまとまった金額が必要になります。

それに対し、買取フランチャイズの場合は、店舗は優良な立地場所にあることが望ましいですが、面積は2~3坪程度もあれば営業が可能です。また、店舗内に特別な設備や備品などを設置する必要がなく、応対用のテーブル・椅子にパソコンなどがあれば大丈夫です。

さらに、買取業界では、加盟金や保証金を無料にしているフランチャイズもあるため、初期費用を抑えた開業が可能になります。

在庫を抱えるリスクがない

買取フランチャイズでは、在庫を抱えるリスクがないメリットがあります。通常の買取ビジネスは、客から買い取った商品を他に転売することで生じる差益を儲けにしています。そのため、買い取った商品が他に転売できなければ在庫を抱えることになり、その在庫が増えてしまうと経営を圧迫する要因になってしまいます。

それに対し、買取フランチャイズでは、客から買い取った商品は、フランチャイズ本部または本部指定の業者が買い取ってくれるシステムになっています。このため、買い取った商品が転売できずに在庫となってしまうリスクがありません。

未経験者でも開業できる

買取フランチャイズで開業する大きなメリットは、未経験者でも開業できることです。フランチャイズでは、開業前に加盟店オーナーに対し、事業についての基本的な知識や技術を習得してもらうための研修が用意されています。

また、実際の業務の進め方については、その方法がまとめられた業務マニュアルが整備されているため、その内容に従って仕事を行えば他店と同じように日々の営業ができる仕組みになっています。

このように、研修によって仕事のやり方を身に付けた上で、業務マニュアルに従って日々の営業を行うことで、未経験者でも店舗経営ができる仕組みになっているのです。

さらに、一部の買取フランチャイズでは、買取品の査定も本部が行ってくれるシステムを導入しています。これは、客が店舗に持ち込んだ商品の写真を撮って本部に送れば、本部の方で算出した査定額を教えてくれるという仕組みです。加盟店は、本部に指示された金額を客に提示し買い取ればよいだけなので、査定に関する知識や技術を持っていなくても対応ができてしまいます。

このように、買取フランチャイズでは、未経験者や初心者でも買取対応ができるような仕組みを導入しています。

リユースのニーズが高い

近年は、リユースのニーズが高く、この傾向は今後も続くと想定されています。それは、昔と比べ近年は、社会一般で中古品に対する抵抗感・拒否感がなくなってきているからです。中古品に対する抵抗感がなくなったのは、次の理由によります。

①品物の耐久性や性能が向上した

一昔前と比較すると、新素材の開発や製造・加工技術の発達により、生産物の耐久性や品質、性能が向上しています。そのため、少々使われた中古品でも新品と比べあまり見劣りがせず、年数が経過しても耐久性や性能に問題が生じ難くなっています。

②中古品の有するクラシック的な雰囲気に惹かれる人が増えた

最近の商品は品質や性能が向上している反面、昔のような味わい深い魅力やクラシック的な雰囲気が失われてきています。このため、中古品の持つ魅力に惹かれる人が増えています。

例えば、カメラは、デジタル化・システム化されたため性能的には格段の進歩を遂げていますが、アナログ的な面白さや機械的な魅力を求めて昔の光学カメラに惹かれる人が後を絶ちません。

③良い品物を安く買おうという流れが生じている

昔の高度成長期のように毎年給料が上がる社会であれば、新商品や新製品が飛ぶように売れていきます。しかし、正社員でもなかなか給料が上がらず、しかも労働条件が良くない非正規社員が多い現代では、良い品物をできるだけ安く買おうという人が増え、その結果、必然的に中古品のニーズが高まります。

以上の要因が組み合わさることにより、買取フランチャイズ業界は今後も成長し続けるといわれています。

買取フランチャイズで開業するデメリット

買取フランチャイズで開業するデメリット

買取フランチャイズには、デメリットもあります。ここでは、そのデメリットをみていきましょう。

競争が激しい

買取フランチャイズは、競争が激しいというデメリットがあります。

近年のリユースブームを背景として、買取業には大きなビジネスチャンスがあるといわれています。そのため、買取業で独立・開業を目指す人が多く、買取業界には生き残りを賭けた競争が生じています。

買取業界で生き残るためには、同業他店との差別化を図ることが重要です。しかし、フランチャイズでは、店舗経営や営業のやり方が系列内で統一されており、その中で他店との差別化を図るために自由な営業を行おうとしても困難です。

例えば、他店との差別化を図るため、商品を買い取らせてもらった客に対し買取価格に応じたポイントを付与し、次回来店時にポイント分を上乗せした買取価格にしてあげるなどのサービスを考えついても、系列店の中で自店だけそのサービスを実施することは難しいといえるでしょう。

したがって、競争が激しい買取業界で勝ち抜いていくには、経営合理化を進めながら、客に対する確実・丁寧な対応を重ね店の信用を上げていくことが重要になってくるでしょう。

ロイヤリティの負担がある

買取フランチャイズでは、本部にロイヤリティを支払う義務があります。ロイヤリティは、フランチャイズの商号やブランドを使用する対価として、加盟者が毎月本部に支払うお金です。

ロイヤリティは、買取業だけではなく、その他の業種のフランチャイズでも広く導入されている制度ですが、その具体的な金額は、業種や個々のフランチャイズによって異なります。買取フランチャイズにおけるロイヤリティは、毎月数万円のところもありますが、20~40万円台のフランチャイズもあり、決して安いとはいえません。

特に、買取事業が軌道に乗る前の開業当初の時期や多額の借入金返済が必要な場合などは、ロイヤリティが高いと大きな負担となることがあります。

自由な経営が難しい

フランチャイズに加盟すると、自分の思うように自由な経営を行うことが難しくなります。フランチャイズ加盟店は、フランチャイズ本部の支店でもなければ子会社でもありません。加盟店は、本部から独立した経営体であり、その経営者は加盟店オーナーです。「独立した経営体ならば、オーナーが自由に経営できるのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょうが、そこがフランチャイズの難しい点です。

その1つが、フランチャイズの信用やブランドを守るためです。フランチャイズに加盟する時点で、加盟店と本部はフランチャイズ契約を結びます。通常、フランチャイズ契約では、加盟店がフランチャイズの信用やブランドを傷つけ失墜させる行為が禁止されています。

どのような行為がフランチャイズの信用やブランドを傷つけ失墜させる行為に該当するかは、ケースバイケースで判断するしかありませんが、加盟店がフランチャイズ本部の経営方針に従わない場合は、この信用失墜行為に該当する可能性があります。

フランチャイズ本部は、フランチャイズの信用やブランドを守り、高めていくために、様々な経営上の意思決定を行っています。例えば、買物フランチャイズで、①偽物のコピー商品は取り扱わない、②劣化した商品は取り扱わない、③破損した商品は取り扱わない、④取扱品目一覧にない商品は取り扱わない、⑤バーゲンセールなどの安売りは、本部の決定がなければ行わないなどの決めごとがあるとします。

これらのルールは、フランチャイズの信用やブランドを守るための経営方針として本部が決めたものです。仮に、ある加盟店が、ルールを無視して勝手に偽物のコピー商品や使い古して劣化した商品を買い取ったとしても、本部はそれらの商品の転売を認めないでしょう。それを認めてしまうと、あのフランチャイズは偽物を売っている、使い古した商品を売っていると話題になり、その信用やブランドイメージが失墜してしまうからです。

2つ目は、フランチャイズの業績を向上させるためです。加盟店の定休日は毎週〇曜日、営業時間は〇時から〇時までと、フランチャイズの定休日や営業時間が決められている場合があります。フランチャイズの営業日や営業時間は、グループの業績を向上させフランチャイズが成長していくために決められている経営方針です。それを無視して、加盟店が勝手に定休日を増やす、営業時間を変更するなどはできないのです。

このように、フランチャイズの信用やブランドを守るため、またグループ全体が成長・拡大していくという目標のために、加盟店はフランチャイズ本部が決定した経営方針に従わなければなりません。

買取フランチャイズを選ぶポイント

買取フランチャイズを選ぶポイント

それでは、買取フランチャイズを選ぶ際にどのような点がポイントになるかをみていきましょう。

本部支援の充実度はどうか

買取フランチャイズを始めるためには、フランチャイズ本部の支援が欠かせません。このため、フランチャイズ選びにおいては、本部の支援が充実しているところを選ぶことが重要になります。

買取業を営むためには、客が持ち込んだ商品の価値を測ること、すなわち査定や鑑定を行う力がなければなりません。査定力や鑑定力がなければ、偽物と気付かずに買ってしまう、あまり価値がないのに高額で買ってしまうなどのミスを起こし、店舗経営が成り立たなくなる虞があるからです。

このように、買取業には専門的な知識・技術が必要とされるため、フランチャイズ本部は、加盟者に対し、開業前研修を行って査定技術を勉強してもらうとともに、業務マニュアルを配布して仕事の参考書とするよう指導を行います。

しかし、査定力や鑑定力は、短い期間で身に付くような簡単なものではありません。商品を査定・鑑定する技術は、日々の勉強を続けながら、多くの実践的な経験を積み重ねることにより、長い期間をかけて少しずつ身に付いていくものです。

このことから、買取フランチャイズ開業後特に経験が浅いうちは、フランチャイズ本部の助けを借りながらでないと営業するのが難しいということになります。具体的には、客が持ち込んだ商品の査定・鑑定は、①巡回指導で来店しているスーパーバイザーの力を借りて行う、②商品の写真を本部に送り、本部で査定してもらうなどの方法で乗り切るのが賢明です。

このように本部の支援が不可欠であるにもかかわらず、あまり巡回指導に来てくれないフランチャイズや本部で査定することに対し制限や条件を付けてくるフランチャイズだとしたら、安全かつスムーズに営業を行っていくことが困難になってしまうでしょう。

さらに、客から買い取った商品の転売先の確保や転売額も重要です。フランチャイズ加盟者は、この業界の未経験者も多いため、商品の転売先を自分で開拓すること、転売額の交渉を行うことなどに慣れていません。したがって、売れ残って在庫を抱えないためにも、フランチャイズ本部が商品の転売先を確保してくれ、転売額も加盟店が損失を被らないよう決定するシステムが構築されていることが重要です。

以上のように、買取業では、そして特に未経験者の場合には、フランチャイズ本部のバックアップの充実度が、事業の成否を決めるといっても過言ではありません。

プラスの収益を出せるか

2つ目のポイントは、開業後実際にプラスの収益を出せるかどうかです。フランチャイズ事業開業後、実際にプラスの収益を出せなければ、それまでに苦労して準備してきた意味がないばかりか、下手をすれば負債だけ残ってしまうことになりかねません。フランチャイズ選びにあたっては、そのフランチャイズの収益モデルが現実的なものかどうかを見極める必要があります。

各フランチャイズは、それぞれ系列店の収益モデルを公表しています。しかし、公表されている収益モデルの数値は、同じやり方で算出されたものではなく、次のように捉え方が異なっています。

①系列店の実績の平均値 系列全店の実際の営業成績の平均を求めたものです。
②系列の代表店の実績 系列にあるどこか代表店の実際の営業成績です。
③シミュレーションによる想定数値 実際の営業成績ではなく、店の規模や従業員数から試算した数値です。

上の中で、最も現実的で信頼性が高いのが、①系列店の実績の平均値です。社会経済情勢が大きく変化しない限り、これから標準的な立地・規模で開業する店舗も、同じような営業成績を残せる確率が高いといえます。

これに対し、②系列の代表店の実績は、信頼性がかなり落ちます。この代表店が、どのような立地と規模を持っているか、どの位の期間営業を続けてきたのかなどがわからなければ、判定することが困難です。例え数値がプラス収益になっていたとしても、優良な立地でかなり大きな規模を持つ店かもしれませんし、長い間営業を続けて多くの常連客を抱えている店の可能性もあります。

そのような良い条件を持つ店がプラス収益になっていたからといって、今後標準的な立地・規模で開業する店舗が同じような営業成績を残せる保証は、どこにもないからです。

また、③シミュレーションによる想定数値は、実際の営業成績でなく机上の試算結果であるため、同じように信頼性が高くありません。

フランチャイズ選びでは、系列全店の実績平均値が公表されていない場合は、フランチャイズ本部にデータを求めることで、あくまでも現実の数値、それも全体の平均値を把握した上で判断することが肝心です。

買取品目の範囲はどうか

3つ目は、多くの品目を取り扱うことができるフランチャイズを選ぶことです。一般的に、買取業界が扱う商品には、貴金属・ブランド品・商品券・切手・古銭・スマホなど種々のものがあります。この中で、貴金属しか扱わない、ブランド品しか買い取らないなど、取扱品目を狭く限定してしまうと利用客が限られてしまい、事業が広がり難くなってしまいます。

買取業は、「使わなくなった物を必要な人に譲りたい」、「良い商品を安く買いたい」という利用者のニーズに応えることで、事業を成長・拡大させていけます。例えば、利用者が使わない商品券をお金に換えようと来店しても、「当店は貴金属しか買い取りません」と断ってしまうと、せっかくの客を逃がしてしまうことになり、その客も2度と来店しないでしょう。同じように、利用者が良いバッグを安く買いたいと来店しても、「当店は貴金属しか取り扱っていません」と断ってしまうと、貴重なビジネスチャンスを失ってしまうことになります。

買取業は、多くの種類の商品を取り扱うことで様々な利用者のニーズに応えることができ、その結果多くの客が集まり、店が繁盛していくのです。

開業費用やロイヤリティの負担はどうか

フランチャイズ選びにあたっては、開業費用やロイヤリティの負担が大き過ぎないかを見極めることも重要です。開業費用は、開業するために必要な費用であるため、準備ができないと開業を断念することになってしまいます。また、無理をして借入金を増やしても、開業後円滑に返済できるかという問題もあります。

一方のロイヤリティは、開業後に毎月支払うことになるコストであるため、これも負担が大きいと経営を圧迫する要因となってしまいます。これらのことから、開業費用やロイヤリティの負担が過大でないフランチャイズを選ぶことが肝心です。

開業費用で1つ気をつけなければいけないのは、フランチャイズの加盟店募集サイトで公表されている開業費用や初期費用が、すべてのコストを網羅していない場合があることです。多い例としては、開業費用として、加盟金・保証金・研修費などが含まれていても、店舗物件取得費や店舗内外装工事費が含まれていないケースがあります。

フランチャイズが公表する開業費用や初期費用に、店舗物件取得費や店舗内外装工事費が含まれていない場合は、これらの費用が別途かかることを念頭に置いて閲覧する必要があります(例外として、無店舗型の業態を採用し、これらの費用がかからない場合もあります)。

ロイヤリティで注意する点としては、固定型のロイヤリティ金額です。ロイヤリティには、毎月一定額を支払う固定型と売上額や利益額の一定割合を支払う変動型があります。このうち、固定型の長所としてよくあげられているのが、「ロイヤリティが固定なので、売上げを伸ばせば伸ばすほど利益を増やすことができる」というものです。一見もっともな話ですが、この固定額が高いと問題になります。というのは、変動型ロイヤリティは、売上げや利益が振るわない月には安くなりますが、固定型は、いくら売上げや利益が出なくても同じ額を払い続ける必要があるからです。

確かに、売上げを伸ばせば伸ばすほど利益を増やすことができる点は、固定型の長所には違いありませんが、売上不振の時期にも払い続けることができる妥当な金額であることが前提となります。

人気の買取フランチャイズ10選

人気の買取フランチャイズ10選

それでは、今人気がある買取フランチャイズを紹介しましょう。

総合買取センター宝の蔵

総合買取センター宝の蔵

(引用:総合買取センター宝の蔵公式HP)

総合買取センター宝の蔵では、客から買い取った商品を企業に転売して収益を得ます。すなわち、事前にWEBカメラで商品の情報を転売先の企業に提供して査定を行ってもらい、その査定額に基づいて客に買取価格を提示するため、客から商品を買い取る時点で利益が確定する仕組みになっています。そのため、宝の蔵では、売れ残り在庫を抱えることがありません。

なお、客からの買取価格(買取利率)は、加盟店オーナーが自由に決めることができます。

例えば、転売先の企業が100万円の査定額(転売価格)を提示した場合、買取利率を50%にすると、客からの買取価格が50万円で利益が50万円になります。一方、買取利率を60%にすると、客からの買取価格が60万円で利益が40万円になります。開業形態は、次の3種類から選べることができ、開業費用や月会費が違ってきます。

①正規加盟店コース

標準的な加盟店コースで、開業エリアは1区・1市に1店舗とされています。開業費用は100万円で、月会費は、29,800円(税別)となっています。

【開業費用】

加盟金 50万円
研修費 40万円
開業サポート費 10万円
合計(税別) 100万円

②ビジネスパートナーコース

0円開業ができるコースで、開業エリアは1区・1市に1店舗です。開業費用は無料ですが、月会費が59,800円かかります。

③完全独立型

店名や事業計画は自由で、研修・開業・買取のサポートが付いています。開業費用は加盟金の250万円のみで、月会費は無料です。

大黒屋

大黒屋

(引用:大黒屋公式HP)

大黒屋は創業43年の老舗フランチャイズで、系列店舗の継続率が高く、5年間の店舗継続率が94%となっています。

大黒屋では、フランチャイズ本部の鑑定士がオンラインでリアルタイムの買取査定を行ってくれます。また、本部に査定を依頼した商品は、売却額が保証されます。大黒屋は、加盟金・保証金・物件取得費・内外装費のいずれも0円で開業できるのが売りとなっています。店舗物件はフランチャイズ本部が探してくれますが、入るかどうかは加盟者が決めます。

開業プランは、次の2種類が用意されています。

①プライムプラン

初期費用を抑えたい人向きのプランです。開業費用は480万円からとなっており、毎月のロイヤリティは、1年目22万円、2年目33万円、3年目以降44万円と開業後間もない時期は負担が軽くなっています。

②ベーシックプラン

事業を拡大させたい人向けのプランで、多店舗展開も目指すことができます。開業費用は1,110万円と少しかかりますが、毎月のロイヤリティは、固定部分の11万円に売上額の5%を加算した額になります。

WAKABA

WAKABA

(引用:WAKABA公式HP)

WAKABAの特徴は、以下の通りです。

①2等地に出店

同業他社が1等地に出店する中で、WAKABAは敢えて2等地に出店する戦略を採用しています。1等地を避けて出店することで、開業費用を極力抑えるとともに、競合他社の少ないエリアで業績を上げていくこととしています。

②AIを使った鑑定

主に高級ブランド品に対し、人工知能を使った鑑定を行うことができます。商品の指定された部分を撮影し、AIで鑑定すると鑑定書が発行されます。AI鑑定は、現在15ブランドをカバーしています。鑑定を間違ってしまった場合は、買取金額の返金保証があります。

③充実した研修

開業から2週間OJT研修が用意され、買取業務のやり方やノウハウを徹底的に身に付けます。OJT研修なので、業務をこなしながらスーパーバイザーの指導を受ける形式の研修となります。また、研修終了後も、定期的にスーパーバイザーの訪問指導を受けることができます。

開業費用は、フランチャイズ加盟金275万円(税込)のほか、平均して約500万円の費用がかかります。自己資金の不足分は創業融資等を利用することになります。

買取大吉

買取大吉

(引用:買取大吉公式HP)

買取大吉は、買い取った商品の売却先が決まっているため、売れ残りリスクがなく安全に営業を行えるシステムとなっています。

フランチャイズ本部のサポートとして、次のものをあげることができます。

①教育サポート

教育サポートは、まず3日間の机上研修で買取専門店を運営するための基礎を学び、次に5日間のより実践的な研修を行います。

②集客サポート

開業時の認知度を高めるため、本部負担で折込広告、Web広告を出します。

③開業後のサポート

開業初日から7日間、本部のスーパーバイザーが店舗を訪問し、OJT研修を行います。

④鑑定・査定サポート

商品の写真を送ることで、本部のオンライン査定を受けることができます。

本部に査定依頼した商品は、売却額が補償されます。

開業費用の実例は、次のようになっています。

【開業費用の実例】

加盟金 220万円
開業準備金 110万円
開業支援金 220万円
物件取得費 150万円
内外装費 200万円
特殊什器 50万円
合計 950万円

なお、店舗物件は、本部の専門家が厳選した物件を紹介してくれます。

また、3か月の収支モデルとして、以下の数値が公表されています。

【1か月目の収支モデル】

売上額 868万円
買取(仕入)費用 482万円
粗利 386万円
経費 199万円
営業利益 187万円

【2か月目の収支モデル】

売上額 1,836万円
買取(仕入)費用 1,034万円
粗利 802万円
経費 421万円
営業利益 381万円

【3か月目の収支モデル】

売上額 2,976万円
買取(仕入)費用 1,714万円
粗利 1,262万円
経費 634万円
営業利益 628万円

ハウスリサイクル

ハウスリサイクル

(引用:ハウスリサイクル公式HP)

ハウスリサイクルは、以下のように幅広い商品を取り扱う買取フランチャイズです。

〇取扱商品
貴金属・ブランド品・家具・家電・絵画・骨董品・玩具・楽器・カメラ・時計・電動工具・お酒など

ハウスリサイクルの最大の特徴は、店舗を持たない無店舗型に特化している点です。そのため、店舗物件取得に要するコストを節約でき、開業費用を抑えることができます。無店舗型のため、査定は先方に出向いて行います。ハウスリサイクルでは、以下のように2通りの買取方法を用意しています。

①出張買取

事前に商品の査定を受けることができ、出張費不要で即現金払いとなっています。

②生前整理・遺品整理

高齢者が生前に身の回りの物を整理する、または亡くなった後の遺品を整理するサービスにも力を入れています。

ハウスリサイクルの開業費用は、次のようになっています。

【開業費用】

加盟金 150万円
開業キット 250万円
研修費 200万円
合計 660万円

また、収益モデルは、次のとおりです。

【月間収支モデル】

売上額 5,048,626円
買取額 1,161,184円
粗利 3,887,442円
経費 908,753円
営業利益 1,363,129円

BRAND OFF

BRAND OFF

(引用:BRAND OFF公式HP)

BRAND OFFは、次のような特徴を持つ買取フランチャイズです。

①グループ独自の販売経路がある

海外拠点やオンライン経由で、全世界にグループ独自の販売ルートを持っているため、買取品の売却がスムーズにできます。また、ネットワークを通じて世界の商品ニーズを把握することができ、需要のある商品を優先的に取り扱うことが可能です。

②査定や相場にシステムを活用

グループが独自開発した「AI真贋鑑定システム」を商品査定に活用しています。また、世界最大級の相場システムを使い、最新の流通相場を把握することができます。

③本部との連携

出張買取やお取り寄せ販売委託など、本部紹介による案件の収益化を図っています。BRAND OFFの初期投資額の目安は、次のようになっています。

【初期投資額の目安】

加盟金 100万円
開業前研修費 50万円
保証金 100万円
システム初期導入・鑑定備品
WEBマーケティング初期環境構築等
150~200万円
開店時広告宣伝費 50万円~
合計 450万円~

また、月間の収支シミュレーションは、次のとおりです。

【月間収支シミュレーション】

売上額 923万円
買取額 600万円
粗利 323万円
広告宣伝費分担金(売上げの1%) 9.2万円
オークション手数料 27.7万円
広告宣伝費 60万円
その他販売費 8.3万円
人件費 40万円
ロイヤリティ(固定) 5万円
システム利用料(固定) 3.5万円
家賃 30万円
その他管理費 20.8万円
営業利益 118.5万円

ブランドリバリュー

ブランドリバリュー

(引用:ブランドリバリュー公式HP)

ブランドリバリューは、銀座をはじめとする1等地を中心に店舗を展開する買取フランチャイズです。ブランドリバリューの取扱商品は、金・貴金属・宝石・時計・バッグ・洋服・毛皮・ブランド財布・靴・着物・骨董品・切手・遺品など幅広い分野にわたっています。

商品の買取りは、店頭買取だけでなく、来店する時間がない客や遠方に住んでいる人向けに、出張買取や宅配買取の方法も用意されています。

店舗は、銀座をはじめとする利便性の良い土地に立地していますが、家賃が安い空中階にあり、スペースや常駐スタッフを最小限として必要経費を抑えています。ブランドリバリューの開業費用は、次の通りです。

【初期費用】

加盟金 250万円
開業前研修費 50万円
保証金 100万円
システム初期導入等 150~200万円
開店時広告宣伝費 50万円
合計 600万円~

上記初期費用には、店舗物件取得費や店舗内外装工事費は含まれていません。また、毎月のロイヤリティは50万円固定であるため、売上げを伸ばせば収益も増える仕組みになっています。

買取マクサス

買取マクサス

(引用:買取マクサス公式HP)

買取マクサスでは、コストを軽減してリスクを抑えるために、以下の取組を進めています。

①Webで集客

チラシ配布はコストがかかり、効果は長続きしません。そのため、コストがかからないWebで集客します。

②オンラインで査定

マクサスは、実店舗を構えずにオンラインで査定を行います。

商談がまとまれば、オンラインで契約を締結します。

③集荷は外注

買取品の集荷は委託業者が行い、契約している倉庫または自宅に運び入れます。

マクサスの最大の特徴は、実店舗を構えずに、オンライン査定で買取りを行うことです。このため、自宅で開業が可能であり、他のフランチャイズのような店舗物件取得費や店舗内外装工事費などが不要です。

マクサスには、独自のオンライン査定システムがあります。加盟店が査定できない場合は、LINEを使い本部が査定を手伝います。

また、買取品の集荷は外注するため、加盟店オーナーが自分で出かけていく必要はありません。

マクサスの開業費用は、次のとおりです。

【開業費用】

加盟金 150万円
研修費用(6日間) 60万円
システム構築費用 50万円
LP製作費用 20万円
ポータルサイト構築費用 20万円
合計 300万円~

また、収益モデルは、次のとおりです。

【月間収支モデル】

売上額 297万円
仕入額(買取額) 89.1万円
粗利 207.9万円
ロイヤリティ 20万円
広告費 20万円
人件費 10万円
家賃 10万円
備品・雑費 10万円
利益 127.9万円

上は、開業半年後、販売員1名体制の収支モデルで、ここでは事務所家賃が入っています。

いくらや

いくらや

(引用:いくらや公式HP)

いくらやは、買い取った商品をどこに販売するかを加盟店が決めることができます。他のフランチャイズのように、本部の委託業者に販売してもよいし、自分で開拓した業者に販売することもできます。

本部が強くサポートするのは、以下の分野です。

①開業前サポート

開業に向け、座学研修5日間、店頭での開業サポート1日間の支援を行います。

②査定サポート

本部に商品の写真を送れば、本部の専門家が査定額を出してくれます。

③集客サポート

ネット広告やチラシ製作、ローカルキャンペーンなどで集客をサポートします。

いくらやの開業費用は、次のとおりです。

【開業費用】

加盟金 110万円
研修費 110万円
特殊什器 55万円
物件調査費 110万円
合計 385万円

現在、いくらやでは0次募集を行っており、0次募集限定で、上記の加盟金が0円、物件調査費が22万円、合計187万円と安くなっています。

また、収益モデルは、次のようになっています。

【開業初期月間収支モデル】

売上額 450万円
仕入額(買取額) 270万円
粗利 180万円
ロイヤリティ 10万円
広告費 30万円
人件費 30万円
家賃 15万円
広告協賛費 10万円
システム使用料 5万円
通信光熱費 2.3万円
雑費 5万円
営業利益 172.7万円

上記は、開業初期の月間収支モデルですが、人件費をなくして自分1人で営業すると、102万7,000円の営業利益となります。

銀座PARIS

銀座PARIS

(引用:銀座PARIS公式HP)

銀座PARISは、自前のライブセンターを運営しており、世界の需要動向や相場を把握し、高値で商品を販売することが可能です。

銀座PARISでは、独自の販売プランがあります。それは、加盟店が預り保証金を本部に入れ、本部の商品を貸し出してもらうプランです。貸し出してもらった商品は、加盟店が直接自分の販売ルートで売ってもよいし、本部側で売ってもらうこともできます。加盟店側で売れば利益は100%加盟店に入ることになり、本部側で売ってもらえば利益額の70%が加盟店に入る仕組みです。

また、他のフランチャイズのように、加盟店が仕入れた商品を本部が受託販売するプランもあります。なお、本部が受託した商品でも、本部と並行して加盟店でも店頭・ネットで販売することが可能です。

銀座PARISの開業費用は、次のとおりです。

【開業費用】

加盟金 200万円
研修費 50万円
鑑定ツール 50~60万円
合計 300~310万円

また、収益モデルは、次のとおりです。

【月間収益例】

売上額 814万円
仕入額(買取額) 600万円
粗利 214万円
ロイヤリティ 18万円
広告宣伝費 30万円
人件費 30万円
家賃 25万円円
販売プラン 30万円
その他運営費 15万円
利益 126万円

まとめ

買取のフランチャイズビジネスで人気の買取業者

買取フランチャイズは、飲食店のように実店舗を構え、大がかりな厨房設備などを設置する必要がないため、省スペースの店舗で開業できるメリットがあります。また、多くのフランチャイズで、加盟店が買い取った商品は本部経由で売却先が確保されているため、売れ残って在庫を抱えるリスクがありません。難しいといわれる商品の査定・鑑定も、商品の写真を本部に送れば、本部の専門家が迅速に結果を出してくれるというフランチャイズも出てきています。

これらのメリットにより、フランチャイズに加盟して買取ビジネスを始めようとする人が増えていますが、それだけ買取業間の競争も激しいものになっています。この厳しい競争を勝ち抜いて安定した店舗経営を行うためには、優良なフランチャイズを選ぶことが、何よりも重要です。

優良なフランチャイズは、①本部の支援が充実している、②信頼できるプラスの収益モデルがある、③買取品目のジャンルが多彩、④開業費用やロイヤリティの負担が過大でないなどの特徴を持っているので、慎重に比較検討してみてください。