初めてのフランチャイズで失敗しないための9つのポイント

フランチャイズを始めたが、経営に失敗してしまったという話は、口コミやネットなどでたまに聞くことがあると思います。また、フランチャイズとしては続いているが、経営に苦労しているなどの話を聞いたことがある人もいらっしゃるでしょう。一方、フランチャイズを軌道に乗せ、他店舗展開をしている事業者も多く存在します。フランチャイズの運営では本部の支援こそあれ、事業の成否を分けるのはやはり経営者です。

今回の記事では、フランチャイズの基本的な仕組みやフランチャイズで人気の業種・難しい業種、フランチャイズで失敗しないためのポイントをご紹介します。フランチャイズに加盟を検討している方は、ぜひご参考ください。

フランチャイズの仕組みとお勧め業種・高難易度業種

フランチャイズの仕組みとお勧め業種・高難易度業種

フランチャイズで失敗しないためには、フランチャイズの仕組みを熟知することや、今後成長が期待できる業種を選ぶことが重要です。特にこれまでサラリーマンや公務員など組織に守られてきた人は、経営者・自営業・フリーランスの立場になると、「こんなにも環境や周囲の扱いが変わるのか」ということを自覚する方も少なくありません。自営業ならではの厳しさもありますが、フランチャイズを成功し、軌道に乗せるためにも、まずフランチャイズの基本的な部分から改めて学んでいきましょう。

そもそもフランチャイズとは

そもそもフランチャイズとは

フランチャイズは、本部の行う事業・ブランドを借り受けて、自社・事業主自身で運営していくものです。フランチャイズは、有名な事業者の看板が最初から利用できるため、スタートしたばかりの経営者・個人事業主でも信用を得やすいというメリットがあります。フランチャイズを募集する業種の多くは、知名度が高い会社です。知名度が高く、全国展開している会社の多くが、「直営店+フランチャイズ」という体制で業務を行っています。

フランチャイズ事業者側としても、自社ですぐに全国展開を行うのは、人員の育成や、異動・現地での人員採用、その土地の風土・慣習への対応など、自社運用ゆえの負担がありますのですぐには実施できません。そこで、現地の法人やこれから現地で事業者になろうとする人に加盟してもらい、フランチャイジーとして戦力になってもらうというわけです。

・フランチャイズと起業の違い

フランチャイズ 起業・独立
知名度 多くの場合、圧倒的に高い。また、フランチャイズ運営事業者も、知名度を上げるための宣伝・PRに力を入れているケースが多い 知名度は、前職での相当な実績や人脈がない場合はゼロからのスタート。開業前から人脈・実績を作っておくことが重要になるため、現職で成果を出し、これまでやってきた仕事とリンクすることが望ましい
自由度 フランチャイズに関しては、多くのケースでオペレーションマニュアルから接客・広告までルールが厳密化しているケースが大半。ルールを逸脱した宣伝・PRを行うと規約違反になることも。また、社会の時流が変わり、事業を変えたいと思っても、契約期間中は事業を継続するのが大前提。どうしても中途解約をしたいという場合は違約金の支払いなどが出てくる 経営の自由度は、極めて高い。自由すぎるがゆえに、何をやったらいいか迷うというケースも想定される。一方、創意工夫も自分自身ででき、選択した業種を続けるのが厳しいと思ったら、フレキシブルに業態転換や撤退などもできる
相談できる人 フランチャイズの場合は、エリア担当・マネジャーに相談することが一般的。担当者により、相性が合う・合わないはあるかもしれないこと、知識やアドバイスの質に関して幅がある可能性は踏まえておく 自身で起業する場合は、身近な先輩経営者にアドバイスを請うなど、自分から相談相手を探す必要がある。コンサルなどもいるが、相応のコンサルフィーがかかることと、自身でコンサルが「本当に良いアドバイザーになってくれるか」を判別する必要がある。また、コンサルの質も千差万別なので、依頼をする場合は相手を慎重に見る
融資 フランチャイズの場合、業務のひな形や扱う事業が明確であり、フランチャイズ事業者から融資の斡旋をしてくれるケースも多いので、スムーズに融資が進みやすい傾向 自身で事業を行う場合は、過去の仕事との関連性が重視される。また、融資を受ける上で欠かせない事業計画なども自身(もしくは専門家と相談)で策定する必要がある
商品 フランチャイズが扱うもののみを原則扱う。ただし、近年は自由度が高まっている業種もある 商品の選定に関しては、極めて自由度が高い
市場調査 フランチャイズ側でも、特に店舗型の場合は、立地や商圏、周囲の状況等も踏まえ採算性があるかを見てくれる。ただし、自身でも現地を確認、様々な時間帯に現場の人通り・雰囲気などを見ることは重要 市場調査は全て自分で行う

フランチャイズに加入することで、経営の自由度は限られるものの、それゆえに迷う部分が減り、アドバイスもフランチャイズ事業者の側から受けられるようになるなど、フランチャイズ事業者の側にもメリットがあります。

フランチャイズで最初に知るべきこと

フランチャイズで最初に知るべきこと

フランチャイズに加盟する上で事前に知っておきたいポイントは、「全ては自己責任である」ということです。フランチャイズで選定する業種、どの事業者のフランチャイズに加盟するか、その後事業をどのように成長させていくかなどは、独立起業する自分自身が、気持ちの面でも実態においても「自己責任」という意識を持つことが重要になります。

フランチャイズで最初に知るべきこと

だからこそ、最初のボタンをかけ間違えないことが重要になります。具体的には、「業種、事業者の選定を慎重に行い、周囲の評判や既存店の状況も含め吟味する」「事業の採算性・商圏を含めた立地・契約内容などを極めて慎重に吟味し、本当に考え抜いてから契約をする」、などの点が重要になります。

フランチャイズは、5年なり10年、もしくはそれ以上など一定の契約期間というのが存在します。契約途中でフランチャイズ契約を解約する場合は、相当の違約金を支払う必要があります。また、契約書や中小小売商業振興法に基づく事前開示項目など、重要な事項を、「自分自身でじっくりと読み込み、本当に納得した上で契約を行う必要」があります。

また、日本フランチャイズチェーン協会では、フランチャイズの契約に関して、7日間以上の熟考期間を設けることを原則としています。それだけ、フランチャイズの契約に関しては、フランチャイズ事業者の側も「契約内容は本当に重要なことなのでしっかり考えて下さい」と暗に示しています。

フランチャイズで難易度が高い業種

フランチャイズで難易度が高い業種を、特徴別に挙げます。

業種 難易度が高い理由
コンビニエンスストア 出店数が既に相当数あり、出店場所を相当厳しく選定するとともに、人出の確保もしっかりと行っていく必要がある。また、原則は24時間明けておく必要があるため、人員が確保できなかったり、急な休みがあると、オーナーやその家族が働く必要がある
店舗型飲食業 店舗型飲食業は、家賃・社員、アルバイトの給与、店舗維持にかかるコストなど、毎月のランニングコストが大きく、特に都市部ほどその傾向は強い。また、withコロナの状況がどれくらい続くか2020年10月現在では不明確なので、新型コロナウイルスの問題が落ち着くまでは、コロナウイルス対策、ソーシャルディスタンスの確保も含め、厳しく行う必要がある
「密」になる業種全般 Withコロナの状況では、「密集」「密室」「密閉」の三密を回避する必要がある。それ故に、一カ所に多くの人を集める業種・利益率が高くないが、回転率を上げることで利益を積み上げていく業種、密閉された空間で接客・サービスを行う業種というのは、どうしても避けられてしまう可能性が強くなるため、新型コロナウイルスが落ち着きを見せるまでは、お勧めしにくい。
一過性の流行という傾向が強い業種 「このビジネスが熱いぞ」「この商品が人気だぞ」という話があると、フランチャイズを検討する上で「流行している業種を選びたい」という方も少なくない。しかし、流行を通し定着するのか、あるいは流行が終わりそのまま消滅する業種かは厳しく見つめる必要がる。白いたい焼きなどブームの終了で、一気に需要が減った事業というのは少なくない。また、タピオカなどジュースやアイス系は冬に弱い。季節に左右されない商材を選ぶか、季節毎にニーズのある商材に切り替えていくなどの工夫も問われる
時代の変化に対応しにくい業種 流通がデジタル化されるなど、外部環境に変化があると、大きな影響を受ける業種というのが増えてきた。特に、CD/DVDのレンタル事業は、音楽や映画などのサブスクリプション配信が主体となることで、かなり厳しい状況に置かれていることが伺える。物販にしても、サービスにしても、「もし自身がフランチャイズとして選択した事業が、時代の変化に対応できなくなってしまう可能性はないか、契約期間の間にデジタルにシフトしてしまう可能性はないか?」ということを慎重に考える必要があるといえる。
社会的に評価の分かれる業種 業種名を特定して挙げることはしないが、社会的に、「これはどうか」という意見があるようなフランチャイズビジネスは控えた方がよい。また、想定しにくいが、フランチャイズと謳いつつ、実態がネットワークビジネス・催眠商法など、社会的に不適切と思われている商法などというものも、ないとは限らない。事業の実態や、仕事の仕組み、世間やネットの評判はしっかりと精査しておく必要がある

以上のような業種は、加入時、特に慎重に検討する必要があります。

フランチャイズでおすすめの業種とは

フランチャイズでおすすめの業種とは

それでは、フランチャイズでお勧めの業種はどのようなものでしょうか。これも、具体的な業種を挙げるのではなく、「このような業種」という形で例示する形で示します。

業種 理由
自身の経歴・業務経験が活かせる業種 フランチャイズを検討する上でも、自身がこれまで従事してきた業種と、フランチャイズの業種が一致、もしくは近いものであれば心強いといえる。
業務経験があることは、フランチャイズ開始時の融資などでも高く評価され、実際にフランチャイズ加盟後も、業務経験が実務に活きてくることが想定される。また、接客業を行っていた人であれば、対人の販売・サービスでこれまでの経験を活かせるなど、過去のスキルが、これから加入するフランチャイズの開業時に活きる可能性がある
ステイホームを前提とした非対面・出張ビジネス 新型コロナウイルスの発生により、特に高齢者を主体に、ステイホームの傾向が強まり、現在もその傾向が続いている。
そのため、新型コロナウイルスに配慮した上で、非対面、もしくは出張して何かを行うサービスなどは需要が高まっていく可能性がある。(新型コロナウイルスの影響が一時的なものか、この後も影響を残すものかは、まだ判断がしにくい)
少子高齢化・世代間格差・同世代格差の時流に対応できる業種 日本のマーケットは、少子高齢化が進み、多くの財産を高齢者が持っており、若年層への所得移転が進んでいないという現状がある。
少子化の傾向は年々深まる一方、資産を持つ中年・高齢者と、持たない中年・高年齢者の格差も存在することは否定できない。
そのため、これまでのように全体をターゲットにするよりも、どの世代をターゲットにするか、どの世代のどのような悩みや課題、惹きつける材料を探るかが重要になってくるといえる
成熟業態ではなく成長業態 当然のことだが、歴史を重ねた事業者は安定感があるものの、加盟事業者も増え、マーケットが成熟している可能性がある。そのような、競合が多く成熟した市場に今から入るよりは、これから成長する見込みがある産業に参入していく方が、フランチャイズ事業者の支援や将来の伸びも含めて適していると言える
デジタル化されてしまわない産業 様々な産業でIT化、機械化、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中、人間がデジタル・ロボットに代替されない産業を選ぶことがこんごじゅうようになってくる。
例えば、出張で家庭の掃除や各種作業を行う便利屋などは、仕事としては労働集約型と言えますが、機械が代替できる部分というのは少ない。
このように、一見地道な業務で、人がやりたがらない、機械化できない産業を選択することも一つの選択肢といえる
デジタル化への対応が難しい人を狙った産業 今はあらゆる手続きがスマートフォン・PCを中心にデジタル化されている。一方で、少なからず、スマホ・PCは苦手・デジタルは面倒という人も存在する。
エベレット・ロジャースのイノベーター理論では、消費者を5段階に分類している。その中で、最後に時流の流れに乗る、もしくは乗らない層を、「ラガード」と定義しており、どの時代、どの分野にもラガードは存在する。
ITがいくら進化しても、ITに対し抵抗のあるラガードは少なからず存在するので、
・デジタル化が関係ない、人でないとできない領域
・デジタル化への対応が難しい人に変わって対応を行う仕事
など、世間のデジタル化に様々な事情でついて行くことができない産業や、人の存在が価値を生む産業等は今後より強く求められるようになると推測される

以上の通り、2020年は新型コロナウイルスによる、産業の大転換期になっています。このような、ゲームチェンジの時期だからこそ、withコロナ・アフターコロナを見据えた状態で動くことは重要です。

フランチャイズで失敗しないための9のポイント

フランチャイズで失敗しないための9のポイント

フランチャイズというと、本部の指示に従っていればよいという考えもあるかもしれません。しかし、本部の指示を尊重するのは大切ですが、肝心なのは目線がお客様の方を向いているかという点です。商品を選ぶのは、エンドユーザーである地域のお客様です。本部の指示だけでなく、お客様目線をいかに持つかということが重要になります。様々な要素を踏まえ、フランチャイズで失敗しないために重要なポイントを9点に集約し、解説します。

フランチャイズ本部・仕事の内容をチェック

フランチャイズは、加入時が大変重要であるということは以前述べたとおりです。加入にチェックすべきポイントとしては、中小企業庁が「フランチャイズを始めるにあたって」というガイドラインを出しています。このガイドラインは、ぜひ全体をお読みいただきたいものですが、当ガイドラインの情報やその他の内容を元に、チェックポイントをまとめます。

  • □フランチャイズ契約は、本部事業者が事前に用意した内容を加盟店が受け入れるものであり、本部事業者にとって有利となっている部分も多いことを心得る
  • □契約は長期間のものとなり、途中解約の場合は原則大きな違約金が発生すると考える
  • □本部事業者は、本来契約に関して、7日間以上の熟考期間を設ける必要がある。万一本部事業者が契約を急かす場合は、その場で契約を締結せずじっくりと考える
  • □中小小売商業振興法(フランチャイズ契約にかかる法律)で定めている「事前開示項目」があるので、事前開示項目は特にしっかりと確認する。具体的には、「本部事業者の概要(株主、子会社、財務状況、店舗数の推移、訴訟件数等)」「契約内容のうち加盟者に特別な義務を課すもの」等、加盟者にとって予め知っておくことが重要な事項。具体的には下記の表の通り。
テリトリー権の有無 近隣に同じフランチャイズが出店しないかどうか
競業避止義務 フランチャイズを抜けた後に同じ仕事してはいけないケースが多いが、具体的にはどのようになっているか
守秘義務の有無 守秘義務の範囲がどこまでか・いつまでか
加盟金、ロイヤルティの計算方法など 加盟時にいくらかかかるか、途中で辞める場合はどうなるか、物件が見つからなかった場合はどうなるか、本部に納入するロイヤルティはどのような方法で算出するかなど
商品、原材料などの取引条件に関すること 商品・原材料の仕入れ先がフランチャイズ本部やその関連会社・取引会社からに限られるケースが多い
契約期間、更新条件、契約解除等に関すること 特に契約期間が何年か、更新時の条件や更新を拒否されるケース、契約解除に至るケースや契約解除時のペナルティに関しては十分に把握しておく

以上の点は、今後のトラブルを防ぐという観点において、最重要項目です。契約時に、納得がいくまでしっかりと確認しておきます。加えて、言った言わない、確認した、していないという水掛け論を防ぐためにも、きちんとメモ、もしくは録音を取っておきます。

その他にも、中小企業庁のガイドラインでは、様々な契約時のチェックポイントを用意しています。

事業収支に関して 店舗取得にあたって保証金(敷金)が必要か、減価償却費が入っているか、什器や機器のリース、クレジット、税金等も計上されているかチェック。本部の提示するシミュレーションに、本来ならば計上されていないといけない部分が省かれていないか
借入に関して 元金・利息の返済はどうなっているか、また、シミュレーションに元金や利息の返済はきちんと算入されているか
経営理念に関して 経営理念に関して、自身が共感できるかは非常に重要。本部がなぜ事業を始めたのか、加えてなぜフランチャイズという形態を取っているのかに関する明確な説明は重要
立地や商圏を自身でチェック 立地や商圏に関して、本部からの説明はあるが、事業者から受けた売上予測や経費予測の説明と現実がかけ離れてしまうケースもあり得る。本部のシミュレーションだけでなく、自身で候補地に行き、周辺環境や通行者の数、商圏を検討することが必要
収益予測のチェック 本部事業者から売上予測を開示された場合には、どのようなデータに基づいているのか、根拠を示してもらった上で、納得いくまで説明を受けることが重要。また、あくまで予測は予測であり、本部が数字通りになることを予想するわけではない。その点、明確な割り切りが必要
必要経費のチェック 本部のシミュレーションでは、必要経費が計上されていないケース、経費の見込みが甘いケースもないとは限らない。収益は最小に見積もり、必要経費は最大で見積もることで、開業後に「こんなはずじゃなかった・・」とならないよう、厳しく見積もっておく
収支予測と借入のバランス 収支予測を厳しく見た上で、借入の返済金額を返済しても余裕があるかをきちんと確認しておく。借入の返済は、1日でも遅延すると金融機関の信用を大きく失うため、収支予測が厳しい状況でも、返済が問題なくできる返済計画を立て、収支は節約する

以上のように、フランチャイズ契約の検討において、考慮すべきポイントは数多く存在します。

また、ガイドラインも示していますが、悪質なフランチャイズ業者もないとは限りません。フランチャイズ契約において、下記のような事業者には注意し、強引な勧誘や即日の契約を迫る場合は要検討でしょう。

具体的に、FC契約で問題を生じさせないためのポイントをまとめます。

即日契約すると特典がある、強引に契約をさせようとする、とりあえずという名目で即日の署名を迫る事業者は要注意 フランチャイズ協会のガイドラインでは、フランチャイズの契約締結において、7日間以上の熟考期間を確保することを自主基準としている。それゆえに、即日契約を迫る時点で、フランチャイズ契約のガイドラインを守っていないと言える。基本的な業界のガイドラインを遵守しない事業者とでも、契約を締結してしまえばもう後戻りはできない。
また、事業説明会で、契約書以外の書類にとりあえず住所と氏名を書かせ、後日本部事業者から、
・契約は締結済みである
・解約するなら違約金を払え
・支払拒否をすると、内容証明郵便を送りつけ支払いを要求
という悪質な事例もある模様。
契約書でない書類に住所・氏名を記載しただけでは、直ちに契約成立とはならないため、違約金を支払う必要はない。即日契約は絶対控えるとともに、説明会に印鑑を持参させるケースでは要注意
トラブル発生時には、フランチャイズ協会や中小企業庁に相談する フランチャイズ本部と契約でトラブルが発生した場合は、フランチャイズ協会や中小企業庁の商業課、地方経済産業局などに相談する。時間が経つほどトラブルの解決が難しくなるので、即日他できるだけ早いタイミングで連絡すること
ぎまん的顧客誘引がないか、注意して説明を聞く 本部が加盟店を募集するに当たって、虚偽若しくは誇大な開示を行うこと等により、顧客を不当に誘引することを「ぎまん的顧客誘引行為」というが、大げさな表現や虚偽表現がないか、また、サクラなどを用いて積極的に嘘の契約をさせるなど、催眠商法と類似した雰囲気がないかも注意

いずれにせよ、フランチャイズの説明会はあくまで「説明会」と心得え、詳細はきちんと持ち帰って確認するようにするべきでしょう。

最後は自身に責任があるという自覚を持つ

最後は自身に責任があるという自覚を持つ

フランチャイズの契約は、事業者と事業者の対等な契約であり、加盟店の立場は「消費者」ではありません。つまり、消費者であるときとは全く異なり、保護制度は極めて限定され、契約に対する注意が要されます。当然クーリングオフの制度はありませんし、トラブルがあっても消費生活センターが介入してくれるわけではありません。(中小企業庁やフランチャイズチェーン協会への相談はできますが)

フランチャイズ本部のシミュレーション通りに行かなかったとしても、本部は「あくまでこれはシミュレーションです」という回答になり、本部が何か補償してくれるわけではありません。

改めて強調すると、契約の署名・捺印をしたら、「契約成立」で後戻りはできません。事業者の行動は、全てが自己責任になります。契約その他の行動は、繰り返しになりますが、特に慎重に検討して下さい。

事前リサーチを欠かさない

フランチャイズに関しては、様々な方向での事前リサーチが必要です。フランチャイズを事前リサーチする上でのチェックポイントを見てみます。

フランチャイズ本部の評判はどうか ネットや口コミなどを見て、いい評判も悪い評判も両方あるケースに関しては、おそらく加盟者が多いために意見が分かれているというケースも推測できる。しかし、悪い評判しかない場合は、そもそも考え直した方が良い
フランチャイズに加盟する他の店舗を、アポなしで観察したか フランチャイズに加盟する上では、既に加盟している他の店舗を見ることが、フランチャイズの実情を知る上で役に立つ。フランチャイズ本部が行う店舗見学などでは、優良店に、顧客が集まるように仕込むなど、賑わいを本部が意図的に演出することも考えられる。一方、他の所見の店舗をアポなしで見る、利用することにより、フランチャイズ加盟店本来の姿が見えるため、他店を訪問しておくことは重要
候補地現地へ実際に何度も赴いたか 候補地を実際に視察することは重要。時間帯によっても雰囲気・環境が異なる事がある。特に夜も営業する場合は、現地の夜間の雰囲気も確認する事が不可欠。また、ハザードマップ等も確認して、現地の災害に対する安全性も確認しておくことが望ましい
既に事業を軌道に乗せ、他店舗展開をしている事例はあるか、また失敗した事例はあるかを確認 フランチャイズ事業者の正直さも含め考える上で、既に事業を軌道に乗せ拡大している成功例に加え、失敗例があるかどうか、またなぜ加盟店は失敗したのかという原因を確認。フランチャイズ事業者が、加盟店とともにしっかり育っていこうという考えを持つ事業者であれば、きちんと失敗した原因を分析している可能性が高いと言える。また、失敗したが原因がわからないという回答があったとすると、「加盟店に同じ失敗をさせない」という気持ちが弱く、加盟店との共栄より、本部の成長の方を重視していることも懸念される
店舗が開店できない場合は、きちんとできる限りの諸費用を返還してくれるかを確認する 店舗候補の物件が確定する前に契約を結ばせ、その際に加盟金等を支払わせる本部もある。物件がきちんとその後で確定すれば良いが、店舗を開店できなかった場合、加盟金等諸費用を返還してくれるのかの有無を事前に確認しておく
第三者のセカンドオピニオンを活用する 契約であれば弁護士、税務やシミュレーションなどであれば税理士・中小企業診断士など国家資格を持つ専門会に相談し、契約の内容に落とし穴はないか、本部のシミュレーションは妥当性があるかなど、相談・コンサルティング費用を支払ってでも、セカンドオピニオンを得ると望ましい。費用はかかるが、フランチャイズで失敗して負う損害のことを考えると、安いものである

以上の通り、契約前の様々な角度からの事前リサーチは欠かせません。加えて、本部に確認するときは、「本部はビジネスパートナーである」という姿勢を持つことが重要です。丁寧に接する、疑問点は穏やかに聞くなど、社会人同士としてのマナーは守るのが前提ですが、疑問に思うことは積極的に確認していきます。

事業が時流に合っているかを確認

事業が時流に合っているかを確認

別の項目で、ブームの終焉と共に消えた白いたいやきのエピソードを出しましたが、事業が時流に乗っているか、また一過性のブームでないかという点は重要です。例えば、コンパクトデジカメの市場は、一部の高級機・望遠など高性能機を除き、スマートフォンの方が高画質ということで、大きく縮小しています。

10年近く前までは、画質等含めデジタルカメラの方が圧倒的に存在感がありましたが、現在はスマートフォンでも十分に代替できる状態です。また、カメラつながりで言えば、以前は写真を現像してくれる店舗が多くありましたが、現在は家庭用のプリンタで十分高画質な写真が印刷できたり、コンビニなどの端末でも印刷できるため、駅前にあったような現像専門店舗というのはあまり見かけなくなりました。

現在残っているのは、

  • ・極めて画質の高い印刷ができる店舗
  • ・写真・ビデオ・DVDのデータ化など、印刷以外の事も行う
  • ・子ども等の撮影向けのスタジオを併設する

など、写真の単純な現像市場が減った分を、別の方法でカバーしている店舗です。

また、2020年10月現在も新型コロナウイルスの問題が続く状況で、外食店舗を都心にオープンするというのは、現時点ではやり方を工夫しないとかなり厳しいでしょう。来客もですが、家賃・人件費などの問題もあります。

このように、今の時流・ビジネス環境において最適な事業というのを、客観的な視点をもって冷静に考える必要があります。

自身やスタッフが誇りを持ってできる仕事か

多くの場合、フランチャイズに加盟した事業者は、個人事業主、あるいはマイクロ法人として、「プレイングマネジャー件経営者」の役割を果たす必要があります。ある程度仕事が軌道に回り、人を雇う余裕ができれば良いですが、そうでない場合はまず自分がプレイングマネジャーとして動き、アルバイトの教育を行うなど、経営・マネジメント・実務の全てを担うことになるケースも想定できます。

経営だけでなく、実務や管理を行うというのは相当な負担です。そんな中、自分自身や、アルバイト、今後雇う社員が、仕事に誇りを持って取り組めるかという観点は重要になります。いくら利益率が高いビジネスであっても、例えば高齢者から法律ギリギリの手法で利益を得るような仕事であれば、よほど良心の欠片がない人を除いては、どこかで良心の呵責にさいなまれるようになります。

逆に、自身の仕事が堂々と家族にも語れるものであり、仕事にやりがい、社会的意義を見いだせるものであれば、前向きに取り組んでいけるはずです。フランチャイズ経営は、経営者の存在が極めて重要です。大変な事があっても、仕事を頑張って続けていこうと思えるか、そして自身がやっていることに社会的意義を感じられるか、これはきれい事ではなく重要な要素といえます。

「経営者」目線を持つ

「経営者」目線を持つ

会社勤務経験が長い人は、「仕事が降ってくる、お客様がくる」ということを、空気のように感じる可能性があります。しかし、経営者目線では、「仕事は取りに行く、お客様が来てくださる、ありがたいことである」という目線に切り替える必要があります。これは特に、大企業や公務員の出身者ほど強く念頭に置く必要があります。

フランチャイズ事業者が認める範囲で営業をかける、来て下さったお客様に、満足していただけるよう対応する、そして、「経営」という目線を持って、自身がすべきことを判断していくことが重要です。

イレギュラーな話かもしれませんが、反社会的勢力の人からクレームを入れられたとき、対応が怖いから、相手の要求をそのまま受け入れてしまうか、あるいは都道府県の暴追センターと連携して、毅然とした対処を行うかという問題があります。ここで、反社会的勢力が怖いから、この場を乗り切りたいからと、相手の要求を呑んでしまうと、「コイツはカモになる」と思われ、要求はエスカレートしていくでしょう。

より怖いのは、現在は社会全体が反社会的勢力に対し厳しくなっており、少しでも反社会的勢力に利益供与や特別なことを行うと、どんどん反社会的勢力に取り込まれ、最悪として自身も反社会的勢力の共生者として扱われる可能性もあります。

現在は、反社会的勢力のデータベース等が整備されており、万一自身の事業や自分が反社会的勢力の共生者扱いになってしまうと、様々な意味で社会的不利益を被る上に、反社会的勢力に様々な角度から吸い尽くされるでしょう。そのためには、最初の時点で反社会的勢力にNOを突きつけることが重要になります。

経営者目線という観点で言えば、数字に常に気を配ることも重要です。事業収支は、事業の状況を示す通知表といえます。実績に問題があれば、どこに課題があるかを探り、課題部分を改善できるように、常に目配りをする必要があります。もちろん、フランチャイズ本部からもアドバイスはありますが、アドバイスに加え、経営者として自身なりの疑問を持ち、不明確な点はきちんと確認するなど、本部と対等なコミュニケーションを図ることも重要です。

経営者目線という観点では、「本部が何もしてくれない」ではなく、「自身でできることは自身で、本部と相談して行う施策は別途相談する」という気持ちを持つことも重要です。本部におんぶにだっこでは無く、本部と対等に対話をする心構えを持つことが大切です。

少しうまく行ったときこそ油断しない

経営というのは、少しうまく行きはじめると、少なくない人が自信を持つ一方、「ドヤ」感を出してしまうこともあります。

しかし、経営が軌道に乗ったからといって、急に生活レベルを上げたり、周囲に対して偉そうな態度を取ったり、従業員・スタッフに高圧的な態度を取ると、思わぬところで足を掬われることがあります。そのため、うまく行き始めたときこそ謙虚に、そして無駄遣いをせず、税金を払い、内部留保を手厚くしていくことが重要です。また、世間は見ていないようで意外とみています。

うまく言っているからといって、これ見よがしに贅沢三昧や遊びなどを目立って行うと、現場で頑張っている従業員・アルバイト、また来店客としても「調子に乗っているな・・」というネガティブな感情を持ちかねません。このようなトラブルを防ぐ意味でも、うまく行っているときこそ謙虚に、派手な振る舞いを避けるということは、リスク管理の観点からも重要です。

特に、事業が軌道に乗っていると、いい話も来ますが、時折怪しい儲け話などが来ることもあり得ます。もし変に調子に乗って、不適切な儲け話・投資に手を出して、いろいろなものを失ってしまうという可能性もあります。詐欺などを行う人間は、脇の甘い、調子に乗っている人間を狙ってきます。気をつけた方がいいでしょう。

凡事徹底の積み重ね

フランチャイズ事業であっても、基本的なこと、当たり前のことを積み重ねるのが大事です。例えば、飲食店に行って、ドリンクバーの上にホコリが見えたら、お客の立場ならどんな印象を持つでしょうか。また、コンビニエンスストアに入店したときに、別のお客にはあいさつするが、自分の時には何も反応がないと、気になる人もいるかもしれません。

このような、掃除・あいさつなど、当たり前のことを徹底することこそ、現代だからこそ重要です。当たり前のことというのは、最初のうちはきちんと行うものですが、時間が経つと次第になおざりになっていきます。そういう時こそ、凡事徹底という、「当たり前のことをきちんとする」という気持ちを持つことで、スタッフにも経営者の意思が伝わりますし、全体がビシッと締まります

他にも、目の前にゴミが落ちていたら拾う。そういう人として基本的な事ができない、自分の仕事でないという人間は、不要です。当たり前のことをきちんとできるかというのは、全ての事業において求められるものです。ぜひ、従業員・アルバイトが凡事徹底の精神を持つよう、経営者が率先垂範して行くべきでしょう。

お客様は常に見ているという意識

お客様は常に見ているという意識

フランチャイズとはいえ、事業の多くは地域に密着しています。そして、いい話はなかなか伝わりませんが、悪い話というのはあっという間に広がります。普段から、マナーにかける行動は慎むと共に、「自分は経営者として、様々な人、様々な角度から見られているのだという意識を持つことが大切です。

経営者を見ているのは、お客様だけでなく、地域の人、従業員・アルバイト、フランチャイズ本部の人、時にライバル社の人間ということもあり得ます。例えば、タバコのポイ捨てというのは論外ですが、分不相応な装いをする、高級車に乗る、飲み屋などで尊大な態度を取るなどしているところを、お客様や他の取引先、スタッフなどが見たらどう思うでしょうか。

「実はこの人の本性って、こんなものだったのだ」と思われることは、致命的といえます。そして、こういう話に限って、様々な方面に伝わります。特に、狭い地域であればなおさらです。プライベートでも、むしろプライベートだからこそ、過度に尊大な態度を取ることは、回り回って自身の事業にダメージを与える可能性もあります。「お客様は常に見ている。」この点はぜひ意識して欲しいです。

まとめ

ここまで、初めてのフランチャイズで失敗しないためのポイントを見てきました。改めて要点を復習すると、

  • ・フランチャイズ選びはともかく慎重に、契約すると後戻りできない
  • ・経営者としての自覚を強く持ち、社会の一員としても配慮ある行動をする
  • ・不当対応には毅然と対処する
  • ・経営に関し常に目を配ると共に、安定するまでは現場で積極的に汗をかく
  • ・本部ともフラットな立場でコミュニケーションを取る

など、フランチャイズであっても、求められる行動は経営者と変わりがありません。

また、「フランチャイズ契約」という最初の段階でボタンの掛け違えがあっても、違約金などを払わない限り戻ることはできません。そのため、契約書は穴が開くほど熟読し、不明確な点は専門家などのセカンドオピニオンを得るなど、「最初で失敗の原因を作らない」ために、当初のフランチャイズ選びこそ慎重に行う必要があります。ぜひ、当記事や中小企業庁のフランチャイズに関するガイドラインを参考に、厳格な視点でフランチャイズを検討するようにしましょう。