二毛作ビジネスのメリット・デメリット!フランチャイズなら手堅い!?
1つの場所で2つのビジネスをする「二毛作ビジネス」といえば、昔からある代表的なものはカフェバーです。昼はカフェ、夜はバー…一つのお店が昼夜で表情をガラリと変える様は、少し不思議な気がします。しかしよくよく考えてみると、同じ街でも昼と夜とでは、道行く人のタイプも目的もまるで違うので、二毛作ビジネスは理にかなったものですよね。
貸店舗で営業していると、閉店している時間が長くても賃料は変わらないので、何かしたいと考える人も多いでしょう。そんなときに「空間を遊ばせておくのはもったいない」と考えて、二毛作ビジネスをやってみたくなるのかもしれません。
しかし農業の二毛作にも相性があるように、二毛作ビジネスもただ思いつきでやってみればいいというものではありません。勢いと思いつきで二毛作ビジネスを始めてみたら「めちゃくちゃ忙しいのに、なぜか収益が出ない」と笑うに笑えない事態を招くこともあります。
そこでこの記事では、二毛作ビジネスのメリット・デメリット、成功させるポイント、フランチャイズの実例などを見て、失敗しないように気をつけていきましょう。
目次
二毛作ビジネスのメリット・デメリット
二毛作ビジネスの例と、メリット・デメリットを見ていきます。
二毛作ビジネスの例
二毛作ビジネスの例には、次のようなものがあります。
飲食店と飲食店の組み合わせ
- ・昼はそば屋、夜はワインバー
- ・昼はうどん屋、夜は居酒屋
- ・昼はうどん屋、夜は天ぷら屋
- ・昼はカレー専門店、夜はワイン居酒屋
- ・昼は高級寿司屋、夜は弟子が握るお手頃な寿司屋
飲食店と異業種の組み合わせ
- ・昼はレンタルオフィス、夜はスナック
- ・平日の昼はレンタルオフィス、休日と夜はカフェ
- ・普段はカフェ、休日はイベントスペースとしてレンタル
- ・昼は料理教室、夜はレストラン
フランチャイズを利用
- ・昼はカレー屋(FC加入)、夜はスナック
- ・昼は宅配弁当屋(FC加入)、夜は居酒屋
- ・昼はカフェ、夜はバー(昼夜ともFC加入)
こうして見ていくと、一口に二毛作ビジネスといってもさまざまなスタイルがあることがわかります。昼が飲食店で夜も飲食店のお店はもちろん、全く違う業種を組み合わせて二毛作ビジネスをおこなっているお店もあります。
店構えは同じでも、店の名前を変えて営業することもあれば、店長が入れ替わって、全く違う店として営業することもあります。さらに変わったところでは、1日ごとに店長が入れ替わる「日替わり店長の店」というスタイルもあります。
昼の店も夜の店も、すべて自分たちで一から考えて営業するスタイルもありますが、フランチャイズに加入して、手堅く二毛作ビジネスを始める人もいます。二毛作ビジネスは安易に始めると失敗しやすいですが、実績のあるフランチャイズ方式であれば、リスクを減らせるからでしょう。
二毛作ビジネスのメリット
二毛作ビジネスのメリットには、次のようなものがあります。
- ・場所と時間を有効活用して、利益を増やせる
- ・たくさんの人が出入りするので、店の知名度を上げられる
- ・メニューの工夫で、余った食材を使い切れる
- ・新しい企画をするなど、実験的な場所にできる
- ・昼夜とも利用してもらえるファンができる
- ・昼夜で店長が違うスタイルなら、店を借りる方はお試しで営業できる
使っていない時間を利用して、売り上げをアップさせることが何よりの目的かもしれませんが、二毛作ビジネスには他にもさまざまなメリットがあります。店のオーナーとして、昼夜で違う業種にレンタルするスタイルにすれば、1つの店でも複数の店を持つ状態に近くなるので、人と人とのネットワークも広がることでしょう。
日替わり店長の店ならば、週に1~2回程度お試しで営業することも可能になり、副業として二毛作ビジネスに参入することもできそうです。今は会社員をしているが、いずれは独立して飲食店をやりたいという人にとっても、お試しで店長ができる場はとても魅力的に違いありません。
二毛作ビジネスのデメリット
二毛作ビジネスのデメリットには、次のようなものがあります。
- ・昼も夜もすべて自分でやろうとすると、長時間働くことになる
- ・昼夜で店長が違う店などは、トラブルが発生する可能性が高い
- ・昼夜でイメージの違う店は、中途半端に営業すると何の店か伝わりにくくなる
- ・昼の店で何か悪いイメージがついた場合、夜の店にも悪影響がある
オーナーが1人の店で、昼夜の店をすべて自分でやろうとすると、必然的に仕事量は二倍近くになり長時間働くことになります。だからと言って、手抜きすると両方とも中途半端な店という結果になりがちで、効果的な集客ができません。
昼夜で集客できますので、昼のお客様が夜にも来店してくれる可能性もあり、昼だけの店よりも新規集客もできます。しかしもしも昼の店に何か悪いことがあれば、夜の店とは別の店だったとしても、同じ店と見なされて悪影響が出ますので注意が必要です。
店長が違う店などは、店の設備を共有するので食材をどう使うかなど細かなルール決めをしておかないと、トラブルが発生します。見ず知らずの他人との生活が難しいのと同様、二毛作ビジネスにはメリットもデメリットもありますので、事前に十分に計画した上で、店長を変えるならきちんと契約を交わしておくことが重要でしょう。
二毛作ビジネスを成功させるポイント
成功例から二毛作ビジネスを成功させるポイントを考えてみます。
- ・昼と夜で雰囲気を変えて、見た目の印象から違う店と感じさせる
- ・昼の匂いが残らないように、換気など細かな部分にも気を配る
- ・中途半端にやらずに、2つの店を持つつもりでキッチリと経営する
- ・フランチャイズ加入で経営ノウハウを受けて、開業の手間やリスクを減らす
昼と夜で雰囲気を変えて違う店のイメージを作ることは大切ですので、場合によっては改装してどちらの雰囲気にも対応できるようにした方がいいかもしれません。複数の店を持つつもりで、経営していくのはかなり労力が必要ですので、フランチャイズ加入によって、時間と手間を減らすというのも効果的でしょう。
二毛作ビジネス向きFCの内容をチェック
二毛作ビジネスを成功させるには、色々なポイントがあるのでなかなか難しいようですね。そこで開業の手間や失敗のリスクを減らせるというフランチャイズの実例から、それぞれの特徴やサポート内容をチェックしていきましょう。
カレー屋「スパイスドリーム」
昼の3~4時間で手軽にできるというのが強みの「スパイスドリーム」をチェックしていきます。
カレーが嫌いな人って日本人にはほとんどいませんよね。毎日食べても飽きない人もいるほどカレー好きな人もいるくらいですから、二毛作ビジネスとしてカレーを選ぶというのはアリかもしれません。
スパイスドリームのフランチャイズ加盟について、詳しくはこちらをご覧ください。
特徴
- ・本格カレーに必要な仕込み時間は、わずか10分
- ・カレーのトッピングを自由に変えて、オリジナルカレーを作れる
- ・店舗の改装などの工事がほぼ不要で、用意されたのぼりなどを取り付けるだけ
- ・カレー代金から一定額を募金に回す仕組みを取り入れ、社会貢献までできる
- ・メニューも少なく作り方も簡単なので、低出費で手軽に導入できる
- ・カレーは安くて美味しくて健康にもいい
サポート内容
二毛作ビジネスを始めるとき、人材の確保ができるかどうかはとても気になりますが、スパイスドリームでは券売機を取り入れることによって、人手不足の心配を軽減しています。
- ・ブランディング
- ・営業ツールの作成(横断幕やのぼりの手配)
- ・教育ツール作成と使用方法などの教育サポート
- ・食材選定支援
- ・システム構築管理
- ・食材卸
- ・食材配送
- ・器材・備品・ユニホーム関係の手配
- ・寄付金作業のとりまとめ
高齢者向け宅配弁当「ニコニコキッチン」
ただの宅配弁当ではなく、高齢者向けのサービスを含んだ「ニコニコキッチン」をチェックしていきます。
高齢者のために欲しいサービスとして、国民生活センターは次のようなアンケート結果を公開しています。この結果からも、高齢者に向けた「食事の宅配サービス」が求められていることがわかりますが、ニコニコキッチンにはさらに「親の様子を知らせる安否確認」のサービスなども含まれているのです。
離れて暮らす親を支えるためにもっと欲しいサービス(2つまで回答) | 人数(人) |
---|---|
①遠距離介護者向けの交通費の割引サービス | 84 |
②もっと頻繁に使えるホームヘルプサービス | 55 |
③故郷の親のことを相談できる相談機関 | 47 |
④食事の宅配サービス | 39 |
⑤子の携帯電話に親の様子を知らせてくれる安否確認サービス | 26 |
⑥安全に暮らせる為の住宅改修サービス | 12 |
⑦その他 | 13 |
ニコニコキッチンのフランチャイズ加盟について、詳しくはこちらをご覧ください。
特徴
- ・高齢者向けの弁当を宅配し、同時に安否を確認する
- ・食事をきちんととれているかを確認する
- ・食のサービスを通じて、孤独になりがちな高齢者と交流する
- ・配達スタッフを同じ人にして、高齢者と信頼関係を築く
- ・美しい容器を使って、食べる楽しみを演出している
- ・回収型の容器でゴミ削減とともに、食べ残しをチェックする
- ・回収型の容器は、傷んだ弁当を翌日に食べるなどの事故防止にもつながる
- ・管理栄養士が栄養バランスの整ったメニューを開発している
- ・定番メニューを見直して、常に新しいメニューを開発している
- ・誰にでも調理ができる弁当を開発している
サポート内容
- ・営業中の店舗見学、市場調査、資金計画、開業計画の提案など
- ・店舗運営に必要なノウハウ資料をお渡し
- ・店舗研修で、実際に店舗に入って指導を受ける
- ・同行営業などの研修で、スーパーバイザーと一緒に営業活動をおこなう
- ・開業後もバックアップ
カフェバー「PRONT(プロント)」
二毛作ビジネスの老舗、カフェバー「PRONTO(プロント)」をチェックしていきます。
プロントは、カフェ&バーとして1号店を1988年4月に銀座に出店していますので、30年以上の歴史があります。それから今日に至るまで、店舗を増やし続けているため、研修やサポート体制が詳細にシステム化されています。
プロントのフランチャイズ加盟について、詳しくはこちらをご覧ください。
特徴
- ・UCC上島珈琲の「コーヒー」、サントリーグループの「お酒」がコラボした店
- ・昼はカフェ、夜はバーの二毛作ビジネス
- ・朝から晩まで1日に5回の売り上げチャンス
- ・メニュー開発は、シーズンごとに年4回
- ・パスタのメニュー開発は2品が毎月更新
- ・コックがいなくてもアルバイトが調理できるメニュー
サポート内容
プロントには、専任のSV(スーパーバイザー)が1店1店をサポートするしくみがあり、メニュー開発にも力を入れています。約1か月の研修がプロントビジネススクールという研修施設でおこなわれますので、飲食経営の経験がなくても一から経営のノウハウを学べます。
・契約後:社員募集のお手伝いをはじめ、発注などあらゆる開店準備を行います。
・開店時:入店指導を行い、スムーズにお店をオープンします。
・開店後:専任スーパーバイザーが随時、訪店します。
また、業績検討会(月1回)や店長会(四半期毎)、メニュー説明会(月毎・季節毎)など店舗社員と一体となってサポートします。
まとめ
二毛作ビジネスについてメリット・デメリットや成功させるポイントを見てきました。あらためて内容をふり返ってみましょう。
- ・二毛作ビジネスには、飲食店と異業種の組み合わせもある
- ・1日ごとに店長が入れ替わる「日替わり店長の店」もある
- ・フランチャイズを利用して、二毛作ビジネスをすることもある
- ・二毛作ビジネスの主なメリットは、利益を増やせる、食材の使い切りなど
- ・主なデメリットは、長時間労働、手抜きが許されないなど
- ・二毛作ビジネスの成功ポイントは、2つの店の印象を切り分けるなど
- ・フランチャイズ加入で、二毛作ビジネスにかかる時間と手間を減らせる
- ・二毛作ビジネス向けのフランチャイズには、カレー屋、宅配弁当、カフェバーなどがある
ご紹介した二毛作ビジネスのフランチャイズの特徴には必ず「誰にでも簡単に調理できる」という項目が含まれていました。新しいお店を始めて売り上げアップしたいと考えたときに、人手不足という壁は避けて通れないので、この部分は重要ですよね。
二毛作ビジネスは、経営が成功すれば売り上げや店の評価が倍以上になることもありますが、失敗するともう一方の店にも少なからず悪影響が出てしまう可能性がありますので、そこが少し怖い部分かもしれません。
何もかも1人で考えて経営しようとすると、労働時間だけが長くなって体調を壊してしまうかもしれません。そんな風にならないように、十分に計画してから新しいビジネスにチャレンジしていきましょう。