フランチャイズで起業〜FCビジネスは儲かるのか〜

自分だけのお店を経営したいけど経験もないしノウハウもない。開業してもお客さんが来てくれるかどうか不安だ……。

このような悩みを抱えてお店を開業できない人は近頃多いようです。
しかし、仮に有名店の名前を借りてお店を開くことができたら、確立した経営ノウハウや知名度を活用して、一定以上の売上げも見込めますよね。

フランチャイズビジネスでは、そのお店が持っている情報や経営システムをレンタルすることで、知識や経験のない人でもビジネスを立ち上げることができます。

今回の記事ではフランチャイズに加盟するにはどうすればいいのか、どのようなメリットやデメリットがあるのかなどをご紹介します。

フラインチャイズシステムの概要

(参照:wise

フランチャイズとは、フランチャイザーと呼ばれる本部とフランチャイジーと呼ばれる加盟店の間で結ばれる契約の形態です。

フランチャイザー(本部)

本部(=フランチャイザー)は、開発した販売システム・事業の運営ノウハウ・業界情報と、それを象徴するブランド力(商標)を提供します。

フランチャイジー(加盟店)

加盟店(=フランチャイザー)は、自己資金を投入し本部の開発した事業のノウハウを利用して営業を行い、見返りとして売上げの一部を本部に支払うことで、お互いに利益を得られる共同体となっています。

加盟店は本部に加盟料(=イニシャルフィー)を支払うことでフランチャイズシステムを利用することができるようになります。

さらに、本部にロイヤルティ(=経営指導料)を支払うことで、継続的に指導や援助を受けることができます。

(参照:牛繁「フランチャイズとは」)

フランチャイズを利用している店舗数

日本フランチャイズ・チェーン協会によれば、全国で展開しているフランチャイズ・チェーン数は1286チェーン、店舗数は24万5263店舗あります。

また、売上高は22兆2286億円に及び、小売や飲食業界におけるフランチャイズシステムの販売力の強さを伺うことができます。

フランチャイズ・チェーンの店舗数

チェーン数 店舗数 売上高(百万円)
小売業 340 97133 15705058
外食業 538 56773 9383002
サービス業 408 91357 2613437
合計 1286 245263 22228691

(参照:日本フランチャイズ・チェーン協会統計調査

メリットもあるがデメリットもある

フランチャイズに加盟するには本部に加盟料や経営指導料を支払う必要がありますが、加盟すれば大企業が持つ確かな経営ノウハウと膨大な業界情報を活用することができます。

では、フランチャイズシステムを利用するうえでどのようなデメリットがあるのでしょうか。

フランチャイズを利用するメリット

まずはメリットを整理してみます。

  1. 本部から経営指導・営業指導を受けることで、未経験でも短期間で事業を始めることができる。
  2. 本部の商標やサービスマークなどのブランド力を活用することで、大々的な広告展開に費用をかけてなくても新規顧客を比較的容易に獲得することができる。
  3. 人材の募集がしやすく、集めやすい。さらに、本部の指導で人材教育も受けることができる
  4. 小規模な小売店舗と比べて、大量仕入れ・大量販売ができる。悪天候・相場の上げ下げなど外的要因による仕入価格の変動も小さくて済む。
  5. 商品開発などをしなくても、その業界で標準以上の商品・サービスを提供することができる。
  6. 金融機関からの信用を得やすい。

フランチャイズを利用するうえでのデメリット

次にデメリットを確認しましょう。

  1. 本部から商品の調達方法、仕入価格、販売方法などあらゆる指定をうけるため、クリエイティブ性に欠けるなど自由裁量権の制限が大きい。
  2. ロイヤルティやイニシャルフィーの支払いが煩わしくなる。
  3. 本部と経営ノウハウ・機密情報の漏えい防止契約を結ぶ必要があり、解約後にまで制約を受ける。
  4. 加盟店の営業成績に関わらず、本部の景気に左右される。
  5. 本部が提供する情報やノウハウにもバラツキがあり、一定の質が確保されているわけではない。

フランチャイズで経営を学んでから独立する

経営や戦略プランに自信がない人は、一旦、似たような業種のフランチャイズに加盟しノウハウを学んでから改めて独立するという方法があります。

ただし、フランチャイザー(本部)を選ぶさいは慎重に判断しなくてはなりません。広告や営業トークに乗せられるまま契約してしまうと、イメージしていたものと全然違ったというケースがよくあるからです。

フランチャイでは本部が提供している情報と実態が乖離していることは珍しくなく、情報が本当かどうか自分の目で確認したうえで判断するように心がけ、悪質なフランチャイズ詐欺にも注意してください。

業種別FCビジネスの紹介

コンビニや塾などフランチャイズ展開をしている代表的な業種をご紹介します。

コンビニエンスストア

フランチャイズ展開している最も身近な企業にコンビニが挙げられます。コンビニFC(フランチャイズ)は安定性がウリで、最低収入が保証されていることから人気があります。

セブンイレブン

アメリカ発祥で国内店舗数1位で知られるコンビニです。本部はセブン・イレブンジャパンになります。

国内店舗数は18500店舗を超え、世界でも59000店舗を展開。セブンプレミアムなどのプライベートブランドも開発。業界をリードするコンビニエンスストアといえるでしょう

店舗数 18500
加盟料 Aタイプ※ 300万円
Cタイプ※ 250万円
最低保証収入 Aタイプ※ 1900万円
Cタイプ※ 1700万円
ロイヤルティ Aタイプ※ 売上の43%
Cタイプ※ 売上の54%

Aタイプは加盟を申請するオーナー自身で土地と建物を用意し、販売機器は本部から借りる。

Cタイプは店舗の土地と建物も本部が用意する形態である。

ミニストップ

小売大手のイオンが運営するミニストップは、店内にイートインコーナーを設けるなど他のコンビニには見られない特徴があります。また季節限定のソフトクリームやスイーツなど独自色が強いラインナップが人気です。

店舗数 2227
加盟料 255万円
最低保証収入※ 2100万円 1900万円
ロイヤルティ Sタイプ 30%
SLタイプ 33%

24時間営業の場合の金額。

デイリーヤマザキ

山崎製パンが運営する、国内でも唯一のメーカー系のコンビニエンスストアです。本部がパンの製造業者であるため、豊富な種類のパンを取り揃えます。

店舗数 1464
加盟料 220万円
最低保証収入※ 1680万円
ロイヤルティ 売上に応じて27%〜65%

学習塾

(参照:New York Times

学習塾のフランチャイズでは初期費用が1000万円近くかかるところが多く、慎重に判断をしなければならないでしょう。予想収益をしっかりと分析し、また学習指導要綱を随時追いかけ、求められる学習内容を常に把握する必要があります。

スクールIE

(参照:franchisearch asia

テレビCMでもお馴染みの個別指導学習塾です。本部は平成元年に設立された株式会社やる気スイッチグループホールディングス。英会話スクールや幼児教室のほか、海外でも教育事業を展開している会社です。

店舗数 678
加盟料 210万円
初期費用 約960万円
ロイヤルティ 授業料の10%

明光義塾

教室の数は業界でもトップクラスのいわずと知れた有名学習塾です。創業50年の歴史があり、全国に2000以上の教室を展開。本部は株式会社明光ネットワークジャパンです。
Iターン・Uターンでのフランチャイズを考えている人には無料で現地の調査をするサービスを提供しています。

店舗数 2137
加盟料 315万円
初期費用 約1100万円
ロイヤルティ 売上の10%

ITTO個別指導学院

(参照:施設検索

1対1での個別指導型の学習塾で、2013年に顧客満足度調査では第1位を獲得するなど評価が高いことで知られています。本部は自分未来きょういく株式会社。

本部によるバックアップシステムが充実しており、電話代行・事務代行・情報ツールなどのルーティン業務をフルサポート。経営者は集客や生徒満足度向上に集中して取り組むことができます。(参照:NOVA Holdings

他のフランチャイズ展開している学習塾と比べて初期費用が安いのが特徴です。さらに独自の成果報酬型の制度※を導入しています。

店舗数 771
加盟料 0円
初期費用 約700万円
ロイヤルティ 売上の7%

共存共栄の経営理念のもと、加盟金を必要とせず、開業された校舎の生徒数が一定数に達した際に対価を支払うスペシャルチャージ制度を導入している。開業に伴う初期負担の軽減や成功するまで対価を支払わなくてもよいシステムとなっている。