ゴルフのフランチャイズ経営にビジネスチャンスあり?仕事の種類や加盟のポイントを紹介

最近、様々な業種に普及・拡大してきたフランチャイズビジネスですが、ユニークな分野としてゴルフ関連のビジネスがあります。ゴルフ好きの人で、ゴルフ練習場の経営などゴルフビジネスを始めたいと思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。その場合、未経験者でも安心して開業ができるフランチャイズがお勧めです。

今回の記事では、ゴルフフランチャイズの種類や開業費用、加盟の際のポイントを紹介しています。ゴルフビジネスで独立・開業を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

ゴルフビジネスとは

ゴルフビジネスとは

はじめに、ゴルフビジネスの種類や仕事の内容を見ていきましょう。

ゴルフビジネスの種類

ゴルフビジネスは、ゴルフに関係する仕事ですが、具体的には次のような種類があります。

ゴルフビジネスの種類

①屋外型ゴルフ練習場

屋外型のゴルフ練習場です。広い敷地に複数の打席が設けられ、実際にボールを遠くまで飛ばすことができます。利用者は、打ったボールの数に応じて料金を支払います。住宅地や道路に隣接する練習場は、防球ネットで囲われています。打席の他、ミニコースが併設された練習場もあります。ミニコースでは、主にグリーン周りの寄せやパットの練習ができます。

②屋内型ゴルフ練習場

屋内に設置されたゴルフ練習場です。通常、1~数打席を設置しますが、1打席あたりの広さは数坪程度と広くありません。打席の数メートル先にネットが張られ、セットされた的に打球を当てるよう練習するため、屋外型のように打球の飛ぶ様子を確認することはできません。

最近は、シミュレーター機械を導入する練習場が増えてきています。シミュレーターでは、正面の画面に打球が飛ぶ様子が写し出されます。また、コンピューターが、クラブの軌道やヘッドスピードの測定を行うなどスイングを解析してくれます。また、最近では、シミュレーター完備で無人・24時間営業の店も現れており、事前にネットから予約を入れれば利用することができます。

屋内型ゴルフ練習場は、広い敷地やスペースが不要なため、都心のビジネス街や繁華街に近い場所に立地が可能です。そのため、仕事の合間に短時間利用したいビジネスマンや日焼けを避けたいOLなどを中心に人気が高まっています。

③ゴルフスクール

ゴルフ練習場で、ゴルフの知識や技術を教える教室です。ゴルフの指導者は、ゴルフの知識が豊富で高い技術を持つレッスンプロになります。ゴルフスクールは、スクールのオーナーが自分で所有するゴルフ練習場を使う場合と他人が所有するゴルフ練習場を借りて教えるケースとがあります。自分で所有するゴルフ練習場を使う場合は、ゴルフ練習場をスクール専用に使う形態と練習場・スクール併用型で営業する形態があります。

④ゴルフショップ

ゴルフ用品を販売する店舗です。商品は、ゴルフクラブ、ゴルフバッグ、ゴルフボール、ゴルフシューズ、手袋、シャツ、その他小物などになります。同じゴルフショップでも、主な購買層を初心者に置くもの、中級者を想定したもの、新品のクラブを販売するもの、中古クラブを豊富に揃えているものなど様々な特徴があります。

上記①~④の業態は、どれか1つが単独で経営される場合のほか、複数の種類を組み合わせて運営されるケースがあります。

ゴルフビジネスの仕事内容

ゴルフビジネスの仕事内容は、上で示したビジネスの種類により大きく違ってきます。

①屋外型ゴルフ練習場

屋外型ゴルフ練習場の運営では、接客、施設・設備管理、収支管理などが主な仕事になります。この中で、屋外型ゴルフ練習場では施設・設備の管理に手間や時間がかかります。建物や防球ネットが破損した場合は修繕業者を手配するとともに、待合室やトイレ、洗面所、ロッカー室などは常に清潔な状態を保つよう清掃しておく必要があります。

また、練習用の設備や貸出用クラブが壊れた場合は、修繕や買い替えを行うことで、ゴルフの練習に支障が生じない体制を維持しなければなりません。ミニコースが付属している場合は、ミニコースの除草や芝の手入れを行い、いつでも使用可能な状態にしておきます。

②屋内型ゴルフ練習場

屋内型ゴルフ練習場も、接客、設備管理、収支管理などが主な仕事です。屋内型ゴルフ練習場は、ビルの1室や1フロアなどを賃借することが多く、その場合施設管理は必要ありません。練習用設備の管理では、シミュレーターを設置していれば、機械に不具合が生じた場合に修理の手配を行う必要があります。

③ゴルフスクール

ゴルフスクールは英会話教室などと同じく、生徒にゴルフの知識・技術を教示・指導することが仕事になります。ゴルフスクールは、スクールのオーナーが自ら教示・指導する場合と外部からレッスンプロを雇う場合とがあります。オーナー自ら教える場合は、常に自分の知識・技術を高め磨いていく努力が必要になります。

また、初心者に対してはゴルフのイロハから懇切丁寧に、中級者に対しては主に技術の向上に向けた指導やアドバイスを与えます。

④ゴルフショップ

ゴルフショップは小売業であるため、コンビニなどと同じくゴルフ商品を販売する形態で、商品仕入、在庫管理、接客・販売、レジ、収支管理などが仕事になります。ゴルフショップは、ショッピングモールなどの商業施設やゴルフ場・ゴルフ練習場のクラブハウスの中に出店する場合は、施設管理は不要となります。しかし、街道沿いなどに独立した店舗を構える場合は、建物を管理する必要があります。

ゴルフビジネスの現況と将来性

公益財団法人日本生産性本部が公表しているレジャー白書によると、近年のコロナ禍により多くのレジャー・観光産業が影響を受ける中、ゴルフ練習場の利用状況は、2020,2021年と連続して伸びています

利用客の内訳は、コロナ重症化を懸念する高齢者層が減少した代わりに、20~50歳代の若い世代が増加した状況になっています。ゴルフ練習場が活況となった理由は、①コロナ禍により、人々の関心が3密の危険が少ないゴルフに向いた、②テレワークの普及などによる運動不足解消の手段として、ゴルフ練習が利用されたなどが挙げられます。

このように、コロナ禍により多くの産業が打撃を受ける中で、ゴルフビジネスはしっかりとした人気に支えられており、今後も比較的安定したニーズがあると期待できます。

ただし、このことは、ゴルフビジネスが手放しに将来バラ色であるということではありません。近年は健康志向ブームにより、体を動かして汗を流す余暇活動に関心・注目が集まっています。一昔前は、中高年層の代表的なスポーツといえばゴルフが筆頭格にあげられていましたが、最近は、屋外のスポーツやアウトドアレジャーも多様化が進み、ゴルフ以外で瑞々しい緑や新鮮な空気を満喫しようとする人も増えています。その代表が、最近人気が出てきているキャンプやハイキングです。

キャンプは、テントやキャンプ用品を初めに揃えてしまえば、後は現地に行って見様見まねで楽しむことができます。また、ハイキングも最初に登山靴などを揃える必要はありますが、初心者用コースであれば特別な訓練なしで行くことが可能です。

それに対しゴルフは、やはりクラブを揃えることからスタートしますが、そのままではコースに出ることは困難です。コースで楽しむためには、練習場やスクールで一定期間技術を習得する必要があります。また、1日コースを回って昼食を摂ると、経済的にも結構な出費となります。

このように、ゴルフには、①ゴルフ用具の購入、②事前の練習、③当日の経済的な出費などお金や手間がかかるという課題があるのです。そのため、ゴルフがアウトドアレジャーで最近台頭してきたキャンプやハイキングと互角以上の勝負をするためには、利用者が多くの時間を過ごすゴルフ練習場やゴルフスクールで、いかに快適な時間を持ち、実のある結果(知識・技術の向上)を持ち帰れるかにかかっています。そのためにも、ゴルフ練習場のハード・ソフトの近代化やそこに携わる従業者の質の向上が求められるでしょう。

ゴルフフランチャイズの開業費用と収益性

次に、ゴルフビジネスを始めるとしたら、費用はいくら位かかるかを見ていきましょう。

フランチャイズで開業する場合は、一般的に次の費用がかかります。

①加盟金・保証金 加盟金はフランチャイズに加盟するために支払う費用、保証金は加盟店が本部に負債を負った場合に清算するために預ける金銭です。
②店舗物件取得費 店舗物件を購入または賃借するための費用です。
③店舗内・外装工事費 店舗の内装や外装の工事に要する費用です。
④店舗内備品・消耗品取得費 店舗で使用する備品や消耗品の購入費用です。
⑤広告宣伝費 店舗を宣伝するための費用です。

ゴルフビジネスは、その種類によって、開業費用が大きく違ってきます。また、同じ種類でも、施設を取得するかどうかでも異なります。

①屋外型ゴルフ練習場

【開業費用】

新しく土地を購入して施設を建てるのか、既に持っている土地に施設を建てるのか、元々ゴルフ練習場だった物件をまるごと購入するのかなど、方法の違いにより開業費用が大きく違ってきます。この中では、持っている土地を活用する方法が最も安く済むでしょうが、練習場施設の建設費用(数百~数千万円)はかかります。新しく土地を購入して施設を建てる、ゴルフ練習場だった物件をまるごと購入する場合は、よりまとまった費用がかかります。

【収益性】

屋外型練習場の利用料金は売ったボールの数による(1打〇円など)ため、練習場の売上げは利用客の入り具合で大体決まります。打球の料金以外では、ゴルフクラブの貸出料金などの収入があります。

売上げは、練習場の立地や打席数により異なりますが、例えば、1打13円の利用料金の練習場で1人あたり平均70球打つと仮定し、1日平均50人の来客があれば、13円×70球×50人=4.55万円(年200日営業で910万円)の売上げが見込めます。

同じく単純計算ですが、1日平均100人の来客で9.1万円(同1,820万円)、200人の来客で18.2万円(同3,640万円)となります。必要経費は、練習所施設・設備の修繕やメンテナンス費用、除草などを外注する場合は外注費、受付にアルバイトを置く場合は人件費、照明などの光熱水費、ロイヤリティなどが必要になります。

②屋内型ゴルフ練習場

【開業費用】

これも、施設物件を購入するのか、賃借するのかで開業費用が異なります。多いパターンは、ビルの1室や1フロアを賃借して1~数打席を設置するもので、開業費用を抑えることができます。

ただし、シミュレーターなどの練習用機械を導入すると、それなりの費用が必要です。練習中心のシステムは300万円程度で導入できますが、全国120コース以上でラウンドができるシステムをフルオプションで入れると800万円近くかかります。

そのため、開業費用は、練習場の打席数や導入するシステムの種類にもよりますが、数百万円~3,000万円程度が必要です。

【収益性】

最近増えているのが、シミュレーターを導入した無人の24時間練習場です。人が常駐しておらず、ネットで予約すればいつでも好きな時間に利用できるのが人気の秘訣です。利用料金は、利用時間に応じてその都度払うシステムや月々決まった会費を払う方式など様々です。例えば、月々の会費を1人5,000円に設定すれば、会員が100人で月50万円、200人で月100万円、300人で月150万円の売上げになります。

必要経費は、人が常駐しないため人件費がかからず、練習場の家賃や照明・暖房などの光熱水費、機械のメンテナンス費用、ロイヤリティなどで済みます。

③ゴルフスクール

【開業費用】

この場合も、オーナーが自分の練習場を所有してスクールを開くのか、他人の練習場を賃借して営業するのかにより異なってきます。自分の練習場を所有してスクールを開こうとしたら、上でみたようにまとまった費用がかかります。最も安くあがるのは、「既にゴルフ練習場を所有している人が、新たにゴルフスクールのフランチャイズに加盟する」「他人の練習場の一角を賃借してレッスンを行う」などの方法で、この場合の開業費用はほとんどかかりません。

【収益性】

ゴルフスクールの場合は、自分が教えるのでない限り、レッスンプロを雇って常駐してもらう形態になります。シミュレーターを備えた屋内型練習場でスクールを開く場合の月謝は、レッスン料も入っているため無人24時間の練習場より高くでき、月1~2万円などに設定することが可能です。

例えば、月2~4回レッスンで月謝1.5万円の場合、会員が100人で月150万円、200人で月300万円、300人で月450万円の売上げになります。どれだけの会員を獲得できるかは、レッスンプロの人数や打席の数によりますが、標準的なスクールで年間売上額3,000万円程度とされています。

必要経費は、練習場の家賃や照明・暖房などの光熱水費、機械のメンテナンス費用、ロイヤリティに加えて、レッスンプロの人件費が少しまとまってかかります。

④ゴルフショップ

【開業費用】

ゴルフショップは、①街中に出店するタイプ、②街道沿いに出店するタイプ、③ゴルフ練習場内に出店するタイプ、④ゴルフ場内に出店するタイプなどがあります。

街中や街道沿いに独立した店舗を構える場合は、立地場所にもよりますが、店舗物件取得費を加えると、数千万円などまとまった費用が必要です。一方、土地などを購入するのではなく、商業施設やゴルフクラブ内の一角を賃借するのであれば、数百万円程度に抑えることも可能です。

【収益性】

ゴルフショップの売上げは、店頭販売のほかネット販売が一定割合見込めます。ゴルフショップの営業利益は、売上額から仕入原価や必要経費(家賃・光熱水費・人件費・ロイヤリティなど)を差し引いて求めます。収益性は、店舗の立地条件や店舗規模により違ってくるため、年間の売上額は数百万円~数千万円と幅があります。

以上のように、ゴルフビジネスは、土地や施設・設備などを用意する形態が多く、そのためにかなりまとまった金額の開業費用がかかる場合が多くみられます。しかし、このように開業費用が高くかかる反面、店舗経営が軌道に乗れば、開業後の収益も大きく見込める期待性があります。

フランチャイズでゴルフビジネスを始めるメリット

フランチャイズでゴルフビジネスを始めるメリット

次に、フランチャイズでゴルフビジネスを始めるとどのようなメリットがあるかをみていきましょう。

フランチャイズでゴルフビジネスを始めるメリット

フランチャイズでゴルフビジネスを始めるメリット

①有名な商号やブランドを使用できる

フランチャイズに加盟すると、そのフランチャイズの商号やブランドを使用することができます。

様々な広告媒体を使って積極的に宣伝を行っているフランチャイズであれば、世間的にも名前が知れ渡っています。フランチャイズの加盟店になれば、何もしなくてもその有名な商号やブランドを使用できるというメリットがあるのです。

②事業のやり方を教えてもらえる

フランチャイズに加盟する大きなメリットは、フランチャイズ本部から事業のやり方を教えてもらえることです。

ゴルフ好きの人でも、事業経験なしでゴルフビジネスを始める方も多いはずです。そのように事業経験がない人が、個人でゴルフ練習場やゴルフスクールを始めようとしても、何から手をつけなければならないのか、何を揃えればよいのか、開業費用はどの位用意すればよいのかなど、四方八方がわからないことだらけに違いありません。

このように自分で事業経営を行ったことがない人、事業経験は多少あるがゴルフビジネスの経験がない人などは、フランチャイズに加盟して、開業準備や事業のやり方を学ぶ方がはるかに近道です。

フランチャイズでは、事業経験がない初心者に対しても、開業までの流れや手順、開業のための必要な費用などを説明してくれます。また、開業前には、営業の実践力を身に付けるための研修も用意されているため、未経験者や初心者であってもスムーズに開業することが可能です。さらに、実際の事業のやり方をまとめてある業務遂行マニュアルを提供してくれるため、開業後はそのマニュアルに沿って仕事を進めれば安全です。

③事業収益の予測ができる

フランチャイズに加盟すると、開業後の事業収益の予測ができます。フランチャイズの多くは、系列店舗の事業収益を公表しています。この事業収益は、系列の加盟店や直営店の売上額や利益額の実績を平均した数値、あるいは、代表的な系列店舗の売上額や利益額の実績値などが使われます。

さらに、フランチャイズによっては、標準的なモデル店舗の事業収益を試算しているところもあります。この場合の標準的なモデル店舗は、一般的な立地条件を満たし、平均的な規模や従業員数を持つ店舗で、その場合に想定される客数や売上額、必要経費、営業利益などを試算したものです。すなわち、「この立地でこの程度の規模の店ならば、この位の売上げや利益が期待できる」と内外にPRするためのデータです。

いずれにしても、これから始めようとする事業で、それも未経験の分野の事業の開業後の売上額や営業利益を一般の素人が予想するのは、至難の業です。しかし、フランチャイズに加盟すれば、フランチャイズ本部が集計分析、試算した事業収益値を参考数値として把握することができます。想定であっても、開業後の事業収益を予測できることは、毎月の収支や借入金の返済について自分なりにシミュレーションを行う際に大いに役立つでしょう。

④組織のネットワークを利用できる

フランチャイズでは、在庫やシステムを共有できるメリットもあります。フランチャイズの中には、在庫情報をネットで共有し、どこかの加盟店で在庫不足が生じた場合に最寄りの店舗が補填する仕組みを導入しているところがあります。例えば、あるゴルフショップ加盟店で、ゴルフシューズの在庫が不足してしまった際に、近隣にある他の加盟店からシューズを補填してもらうなどです。

また、フランチャイズ本部が導入したシステムを共有できる場合もあります。例えば、フランチャイズ本部の予約システムを使い、加盟店のゴルフスクールが生徒の予約を入れることができるなどです。

このように、フランチャイズは、グループという組織のネットワークを利用できる強みがあります。

⑤困った時に本部が支援してくれる

フランチャイズでは、本部の支援を受けられるメリットがあります。通常、フランチャイズでは、開業後に本部からスタッフが巡回指導に来てくれます。店舗の集客のやり方や接客方法、その他営業全般に関し必要な助言・指導を行ってくれるのです。また、加盟店が経営で行き詰った場合や事故・トラブルが生じた際に、本部の経営や法律の専門家による解決策の指導を受けることができます。

フランチャイズでゴルフビジネスを始めるデメリット

メリットがある反面、フランチャイズには次のようなデメリットもあります。

フランチャイズでゴルフビジネスを始めるデメリット

①加盟時に加盟金や保証金が必要

フランチャイズに加盟するには、フランチャイズ本部に加盟金や保証金を払う必要があります。この加盟金や保証金の金額はフランチャイズによって違ってきますが、高いケースでは、数百万円などかなりまとまった金額になることもあります。加盟金や保証金は、開業費用に上乗せされて必要になる金額であるため、複数のフランチャイズで比較する必要があります。

②開業後にロイヤリティがかかる

フランチャイズでは、開業後にロイヤリティがかかるデメリットもあります。ロイヤリティは、フランチャイズの商標やブランドを利用する代わりに、毎月金銭で本部に払うことになっているものです。

毎月の金額は、これもフランチャイズによって違ってきますが、固定額を払うケースと売上げや利益の一定割合を払うケースとがあります。ロイヤリティの金額が高いと、売上不振が続く場合などに、店舗経営を圧迫してしまう要因になります。

③一度加盟すると簡単に辞めることが難しい

フランチャイズは、一度加盟すると簡単に辞めることができません。フランチャイズ契約では、〇年間などの契約期間が定められており、契約期間中に加盟者が勝手に廃業すると、契約違反として違約金などのペナルティを課されてしまう場合があります。

契約期間中にフランチャイズを辞める場合は、どのような取扱いになるかについて、契約書の内容も含め加盟時に十分に確認しておくことが重要です。

ゴルフビジネスを始めるならフランチャイズで

ゴルフフランチャイズに加盟すると、メリットとデメリットの両面があります。デメリットとして大きいのは、やはり加盟金や保証金がかかることです。加盟金や保証金は、かなりまとまった金額を徴するフランチャイズがあるため、開業費用と併せて加盟金・保証金を用意するのは、加盟者にとり大きな負担となります。

また、開業後のロイヤリティの支払いも経済的な負担になります。フランチャイズ事業開業後に事業が順調に軌道に乗り、売上げや利益が確実にあがる状況であれば、ロイヤリティの支払いも苦にはなりません。しかし、事業には売上不振などの低迷期もあるはずで、そのような経営状況が苦しい時期にも毎月ロイヤリティを払い続けることは、加盟店にとりかなりの負担となるでしょう。

このように、お金の支払い面を中心にフランチャイズのデメリットが注目されるわけですが、このデメリットと一方のメリットを比較して、どちらが重く大きいのかを判断しなければいけません。

フランチャイズのメリットを振り返ってみると、①有名な商号やブランドを使用できる、②事業のやり方を教えてもらえる、③事業収益の予測ができる、④組織のネットワークを利用できる、⑤困った時に本部が支援してくれる等がありました。

一方、デメリットとして、確かに金銭的な負担はあるものの、そのデメリットによってゴルフビジネスが致命的に打撃を受けるというものではありません。

以上を総合的に考慮すると、ゴルフビジネスでフランチャイズに加盟するメリットは、デメリットよりも重く大きいと判断することができます。ゴルフビジネスを始めようと決めたら、優良なフランチャイズに加盟するのも一つの賢い手段になり得ます。

ゴルフフランチャイズに加盟する際のポイント

ゴルフフランチャイズに加盟する際のポイント

それでは、ゴルフフランチャイズに加盟する際に、どのような点が重要なポイントになるかを見ていきましょう。

自分が向いているか

まず、最も重要なポイントは、自分がゴルフビジネスに向いているかを見極めることです。

自分がゴルフビジネスに向いているためには、ゴルフが好きということが絶対的な条件になります。ゴルフビジネスを始めるには、ゴルフをプレーすることが最大の生き甲斐、打ち放し練習場に行くのが趣味、ゴルフトーナメントを観戦するのが楽しいなど、ゴルフ好きということが大前提となります。ただし、技術的に上手であることは必須の条件ではなく、上手くなくても好きということが大切です。

「ゴルフは好きではないが、稼ぐためだから仕方がない」「ゴルフに関心はないが、仕事だと割り切ることができる」など、ゴルフ好きでなくてもゴルフビジネスを行うのに支障はないと思う方が結構いらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、実際にゴルフビジネスを始めてみると、楽なことばかりではありません。ゴルフ練習場を経営すると、練習用の機械・道具の手入れや故障した時の修理が必要になります。また、待合所内はいつも清潔な状態にしておかなくてはならず、特にトイレや洗面所などの水回りの清掃は大変です。さらに、練習場にミニコースが併設されている場合などは、定期的に草取りや芝刈りなども行う必要があります。真夏の炎天下でも、コースの手入れは欠かせないのです。

このような日常の作業をアルバイトや庭師など他人に任せようとすると、それなりの人件費がかかるため、加盟店オーナーが自分でせざるを得ないケースが多いでしょう。そのような場合、ゴルフ好きでない人であれば、「どうして、こんなことをしなければならないのか」とストレスが貯まってしまう可能性もあります。

しかし、ゴルフ好きのオーナーであれば、ゴルフ練習に来てくれる客が快適に過ごせるよう、道具の手入れや清掃、草取りなどを苦にせずにこなすことができるでしょう。ゴルフ好きであれば、ゴルフ道具の手入れやコースの整備には無意識のうちに熱が入ります。なぜなら、常に、自分が好きなことを仕事にしているという満足感に支えられているため、労働や作業が少しも苦にならないからです。

このように、ゴルフビジネスを始める際は、自分がその仕事に向いているかどうかを冷静になって考えてみることが大切です。

どの種類を選ぶか

ゴルフフランチャイズに加盟する際は、ゴルフビジネスの中のどの種類を選ぶかも非常に重要です。仕事の内容からみると、①屋外型ゴルフ練習場、②屋内型ゴルフ練習場は、ゴルフ練習の場や関連サービスを提供する仕事であり、③ゴルフスクールはゴルフの知識・技術を教える仕事、④ゴルフショップはゴルフ用品を販売する仕事と、大きく異なっています。

また、開業費用や開業後の収益ですが、①屋外型ゴルフ練習場は開業費用がかかる分開業後の収益も大きく、②屋内型ゴルフ練習場がそれに続きます。④ゴルフショップは、実店舗を構える経費やゴルフ用品を仕入れる費用が必要になりますが、店舗の立地条件などによりかなりの売上げが見込める場合があります。③ゴルフスクールは、自らゴルフ練習場を所有してスクールを開く場合はまとまった開業費用がかかりますが、他人の練習場を借りて教える場合は少額開業が可能でしょう。

ゴルフフランチャイズに加盟する場合に、どの業種を選ぶかは、加盟者それぞれの仕事に対する適性(例えば、ゴルフにかかる知識や技術を持っているので、レッスンプロに向いているなど)や資金事情を考慮して選ぶことが重要です。

評価が高いか

フランチャイズの評価が高いことは、重要なポイントです。例えば、利用者の評価をチェックしてみましょう。ゴルフ練習場でも、ゴルフショップでも、ゴルフ好きの人はそれぞれに独自の評価基準を持っています。

屋外型ゴルフ練習場であれば、①打席は打ちやすいか、使いやすいか、②打球の飛ぶエリアは十分な距離があるか、③待合室やトイレは清潔で使いやすいか、④快適に過ごすことができるか、⑤料金は高過ぎないかなどの評価基準により、自分なりの採点をつけます。

ゴルフショップであれば、①ゴルフ用具の種類は豊富に置いてあるか、②新製品のクラブが置いてあるか、③中古のクラブが置いてあるか、④価格は高過ぎないか、⑤店員の対応は良いか、⑥店のアクセスや駐車場の広さは良いかなどになるでしょう。

これら利用者の声は、信頼できるサイトの評価・評判を見て判断します。

また、社会的な評価も大切です。社会的な評価は、①宣伝や広告に対する世間の反応はどうか、②悪いニュースや噂がないかなどネットの情報を集めることで確認可能です。

最後は自分自身の評価です。自分自身で評価を下すためには、フランチャイズが加盟候補者向けに開催する説明会に参加してみることです。その場で質問して疑問点の説明を受ける、貰った資料を読み込んでフランチャイズの経営方針や事業実績、今後の方向性や計画などを把握した上で自分なりの評価を下します。

社会的に問題がなく、利用者の評価が高く、自分も優良なグループだと判断できれば、信頼ができるフランチャイズといってよいでしょう。

新しい業態に対応できているか

フランチャイズが新しい業態に対応できているかも、重要なポイントです。従来のゴルフ練習場は、屋外での打ち放しタイプが一般的でした。その後、屋内型の練習場が普及してきましたが、屋内にネットを貼り的に打球を当てて練習するスタイルが主流でした。その後、シミュレーターを導入した無人の屋内練習場が現れ、現在注目されてきている状況です。

ここでいう新しい業態というのは、従来のように郊外の住宅地にある練習場ではなく、ビジネス街や商業地など会社や駅、商業施設などに近く、交通の便の良い練習場をいいます。会社や駅に近く交通の便が良い練習場であれば、会社帰りや昼休みのビジネスマン、OLなどが気軽に利用することができます。

従来のゴルフ練習場は自宅の近くにあり、まとまった時間がとれる休日でないとなかなか利用するのが難しかったのですが、会社や駅に近く交通の便が良い場所に設置されたために、空き時間を利用して気軽に練習できるようになったのです。このような練習場は屋外型でも屋内型でもどちらでもよいのですが、立地的に土地代が高いことから、屋内型の小規模タイプのものが主流となっています。

近年街中に普及してきた屋内型練習場ですが、依然として、ネットを張った上に的を掲げてあるところもあります。このタイプの練習場では、ゴルフの上達には限界があります。例えば、打球が数メートル先の的に当たったからといって、実戦で真っすぐに飛ぶ保証はどこにもないからです。通常、打球が右に左にスライス、フックするのは、ボールに回転がかかり徐々に空気抵抗の影響を受けるからで、曲がり始めの距離は的よりも遠方になります。

そのため、的の向こう側で常に曲がるような打球を打っているにもかかわらず、的に当たっているため安心してしまい、その癖を直そうとせずに同じ打ち方を続けてしまう可能性があります。

それに対し、シミュレーターでクラブの軌道やスイングを解析してもらうと、自分の欠点や直し方が明白にわかります。

このことからも、屋内型練習場を展開するフランチャイズの場合は、シミュレーターを導入していることが重要な条件となるでしょう。

開業費用が過大でないか

ゴルフビジネスは、その種類によって開業費用が異なりますが、練習場施設を取得するかどうかで大きく違ってきます。また、屋内型練習場の場合は、最近流行りのシミュレーションを導入すると、まとまった費用がかかります。さらに、フランチャイズでゴルフビジネスを始めようとすると、施設や備品取得費以外に、加盟金や保証金も必要です。

このように、ゴルフビジネスの開業費用は比較的多額になるケースが多いため、自己資金だけで賄えない場合は金融機関からの融資に頼ることになります。しかし、借入金額は、開業後に毎月返済していくことになるため、あまり多額に借りてしまうと返済負担が経営の圧迫要因になってしまいかねません。

したがって、借入金額が多額にならないようにするためにも、開業費用はできるだけ抑えなければなりません。フランチャイズは、屋内型ゴルフ練習場を展開しているところ、ゴルフスクールをメインとしているところなどがありますが、同じ種類のビジネスを扱っていても、加盟金や保証金の額、開業費用などはそれぞれに異なっています。

初期費用さえ安ければ良いという考え方には問題がありますが、ゴルフビジネスにまとまった額の開業費用が必要である以上は、初期費用の金額は重要な判断材料になります。このような観点から、複数のフランチャイズを比較して開業費用が過大でないか審査を行い、他のポイントの評点と合わせて総合評価を下し、加盟するフランチャイズを決めることが肝心です。

収益モデルに信憑性があるか

フランチャイズ選びでは、フランチャイズ本部が提示する収益モデルが現実的かどうかを見極めることが非常に重要です。ゴルフフランチャイズを始めるためには、まとまった開業資金が必要になるからです。開業費用がまとまってかかるということは、事業に失敗した場合には多額の負債を抱える可能性があります。

このため、開業後に確実に事業収益を上げていけるかを、しっかりと検討する必要があります。多くのフランチャイズで、開業後のビジネスモデルを公表しており、中には、「ゴルフショップの月間売上額〇〇万円のモデルで、必要経費を差し引いた営業利益は〇〇万円」などという例があります。

ここで重要なポイントは、公表されているビジネスモデルに信憑性があるかということです。ビジネスモデルの売上額や営業利益額が、実際に営業している多くの店舗の営業実績に裏打ちされているものであれば、信頼できる数値であると判定ができます。実際に営業している多くの店舗で、公表されている売上げや営業利益が本当に出せているならば、自分が開業しようとしている店舗でも同じような営業成績を残せる可能性が高いからです。

しかし、ビジネスモデルとして公表されている数値が、多くの店舗の営業実績ではなく、①選ばれた代表店の営業実績、②机上で設定された仮定の数値などの場合は、信頼できる数値であると判定するのは困難です。

①選ばれた代表店の営業実績の場合、PRのために最も成績が良好な店舗の数値を掲載している可能性もある一方、②机上で設定された仮定の数値の場合、実際の事業でそのような成績を残せる保証はどこにもありません。

フランチャイズの収益モデルを確認する場合は、その営業数値が、「系列既存店の営業実績平均値」であることを必ず確認することが大切です。

本部の支援体制が充実しているか

ゴルフフランチャイズの場合、本部の支援体制が充実していることも重要です。ゴルフフランチャイズに加盟しようとする人で、ゴルフビジネスを行った経験者はほとんどいないと想定されます。これまでに事業経験がある人でも、小売店や飲食店を経営したことはあるかもしれませんが、ゴルフ練習場を経営したりゴルフスクールを開いたりした人は多くないでしょう。

さらに、ゴルフフランチャイズの中でも、ゴルフ練習場は施設の修繕・補修やシミュレーター機械のメンテナンスが必要になるなど、他のフランチャイズ業種と比べ固有の仕事が必要になります。

このようなことから、ゴルフフランチャイズでは、他業種のフランチャイズよりも本部の強力なバックアップが必要になります。フランチャイズ選びにおいては、営業面での指導・助言やトラブル解決など、どのような内容の支援を行ってくれるかを十分にチェックしましょう。

まとめ

ゴルフのフランチャイズ経営

ゴルフビジネスの代表的な例として、①屋外型ゴルフ練習場、②屋内型ゴルフ練習場、③ゴルフスクール、④ゴルフショップなどがありますが、その業務内容はそれぞれに大きく異なっていることからも、ゴルフビジネスの種類が多彩であるということがわかります。

また、そのゴルフビジネスを始める場合に、フランチャイズに加盟すると様々な大きなメリットがあるため、事業で成功しようとすると優良なフランチャイズを探すことが重要です。

さらに、フランチャイズに加盟する際のポイントとしては、①自分が向いているか、②どの種類を選ぶか、③評価が高いか、④新しい業態に対応できているか 、⑤開業費用が過大でないか、⑥収益モデルに信憑性があるか、⑦本部の支援体制が充実しているかなどをあげることができます。

まず、自分がゴルフビジネスに向いているか、向いている場合はどの種類を選ぶかを判断した上で、③以降のポイントについて複数のフランチャイズを比較し、最終的には総合評価が高い優良なフランチャイズに加盟することが大切です。