フランチャイズの足抜けって何?フランチャイズを辞める手順を紹介!

最近、フランチャイズが様々な分野で成長・拡大してきています。フランチャイズは、本部の強力なバックアップにより、事業経験が少ない初心者でも独立・開業ができる魅力ある事業形態です。しかし、開業しても種々の事情により、フランチャイズを辞めざるを得ない例も見受けられます。

本記事では、そのような場合に、フランチャイズを辞める方法や辞める手順、さらにフランチャイズをスムーズに辞めるための注意事項について解説しています。フランチャイズ事業に携わっている方は、ぜひ参考にしてください。

フランチャイズの足抜けとは

フランチャイズの足抜けとは

そもそもフランチャイズ契約とは、フランチャイズ加盟店が、フランチャイズ本部の商標や商号を使用する対価として、加盟金や商標使用料(ロイヤリティ)を本部に支払う契約をいいます。

フランチャイズ契約を締結してフランチャイズに加入すれば、加盟店はフランチャイズ本部から、事業を進める上で必要となる経営ノウハウや様々なサポートを提供してもらうことができます。

例えば、セブンイレブンはコンビニ・フランチャイズの代表的なものですが、加盟店は、セブンイレブンの本部に加盟金やロイヤリティを支払う代わりに、自分の店舗名にセブンイレブンの商号を使うことができ、また、セブンイレブン本部から様々な支援を受けることができるのです。

このように、フランチャイズ事業は、加入する際の加盟金や開業後のロイヤリティなどの金銭的な負担がある反面で、フランチャイズ本部による経営ノウハウの提供や強力なバックアップが期待できることから、事業経験が乏しい初心者であっても安全に始めることができる事業形態です。

フランチャイズ契約は、一度締結したら永久に有効となるわけではありません。一般的に、フランチャイズ契約には、5~10年などの契約期間があります。加盟店は、その契約期間内においてフランチャイズ本部の商標・商号を使用でき、また、本部からのバックアップを受けることができますが、契約期間満了時には契約を更新して延長するかどうかを決めなければなりません。

一方、原則として加盟店は、契約期間中はフランチャイズ加盟店として拘束され、加盟店側の都合で勝手に辞めることはできません。

フランチャイズの足抜けとは、フランチャイズ加盟店が、フランチャイズ契約期間の満了を待たずに途中で辞めてしまうことです。

フランチャイズ契約は、フランチャイズ本部と加盟店との信頼関係で成り立っています。本部と加盟店の両者ともに、契約期間が満了するまでは、お互いに営業を続け助け合っていくことを前提としています。

しかし、加盟店の一方的な都合により契約期間の途中で辞められてしまったら、フランチャイズ本部は、これまで投下した資金や労力が無駄になってしまい、また、加盟店が辞めた以降の収益もストップしてしまいます。

表現は良くありませんが、フランチャイズの足抜けは、本部と加盟店の両者が合意して契約書に定めた「契約期間という約束」を守らずに、逃げてしまうことと同じです。

このようなフランチャイズの足抜けを防ぐために、多くの場合、フランチャイズ契約書には、契約期間途中での解約に関する条件やペナルティとしての違約金の定めなどが盛り込まれています。

フランチャイズを辞める方法

フランチャイズを辞める方法

それでは、フランチャイズを脱退せざるを得ない状況になった場合、加盟店にはどのような選択肢があるのでしょうか。ここでは、フランチャイズを辞める方法についてみていきましょう。

契約終了

契約終了は、フランチャイズ契約に定められた契約期間の満了日に契約を終了させる方法です。

フランチャイズ契約では、通常、契約期間や契約満了日が定められています。このため、契約期間の満了日以降は契約を更新しないことになります。

ただし、フランチャイズ契約によっては、契約期間満了日の一定日数前までに契約更新をしない意思表示を行わない場合は、契約が自動更新されるという定めがされていることがあります。

この場合に契約更新をしないのであれば、定められた期日までに、契約更新をしない旨の意思表示を行う必要があります。契約更新をしない意思表示は、後日のトラブルを避けるためにも、内容証明郵便など記録が残る形で行っておくことが大切です。

契約期間満了による契約終了では、途中解約のような違約金やペナルティが発生することがなく、契約当事者双方が円満に契約を終了させることができます。

任意解約

任意解約は、フランチャイズ契約の条項に基づき、契約期間の途中で契約を終了させる方法です。

フランチャイズ契約では、契約期間の途中における解約に関して定めがある場合とない場合があります。任意解約は、契約期間の途中における解約について契約書に定めがある場合に、その条項に従って契約を終了させるものです。

例えば、フランチャイズ契約書に、「契約期間の途中でも、加盟者が意思表示することにより契約を一方的に中途解約できる」旨の条項が盛り込まれているなどです。

任意解約はフランチャイズ契約締結後に一定の期間が経過した後に認められる、あるいは、加盟者の意思表示は書面による通知を必要とするなど様々な条件が付く場合がありますが、それらの条件は、予め契約書に定めてあるはずです。

また多くの場合、任意解約では、ペナルティとして違約金が課せられるケースがみられますが、違約金を課す場合はその旨を契約書に定めておくことが必要です。

なお、契約書に中途解約に関する定めがない場合は、任意解約を行うことは困難です。その場合は、契約当事者同士の話し合いによる合意解約という手段があります。

合意解約

合意解約は、契約当事者双方が合意することにより、契約期間の途中で契約を終了させる方法です。

合意解約は、フランチャイズ契約書に中途解約に関する定めがない場合に、契約当事者双方が合意することにより、中途解約するものです。契約書に中途解約についての定めがないことから、合意解約では、契約当事者同士の話し合いで、解約条件は自由に決めることができます。

例えば、任意解約の場合、中途解約すると一定額の違約金がかかることが契約書に定められる場合があります。しかし、この合意解約では、契約書に中途解約に関する定めがないため、当事者双方が合意すれば、このような違約金などが生じないようにすることが可能です。

合意解約は、契約書に定めがない中途解約について、当事者同士の話し合いで着地点を決める方法です。したがって、解約の際の条件やペナルティなどは、双方の合意で自由に決めることができるため、交渉次第では、辞める加盟者に不利益が生じないようにすることが可能ともいえます。

しかし、フランチャイズ契約書には契約期間の定めがあり、加盟店がその定められた契約期間を守らないという点では、任意解約と同じとみることができます。このため、当事者同士が話し合っても、ペナルティの発生を防ぐことができないケースもあるため、注意が必要です。

契約解除

契約当事者のどちらかが、契約書で定めた義務を履行しない場合には、もう一方の当事者は、債務不履行を理由に契約を解除することができます。

契約が解除になるのは、次の2つのケースです。

  1.  契約書に定められた契約解除事由に該当する場合
  2.  民法などの法律で定められた解除事由に基づく場合

フランチャイズ契約では、加盟店とフランチャイズ本部の双方が契約書の内容を守る義務があります。したがって、①加盟店が契約内容を守らない場合、フランチャイズ本部が契約を解除できる、②フランチャイズ本部が契約内容を守らない場合、加盟店が契約を解除できることになります。

ただし、フランチャイズ契約は、加盟店とフランチャイズ本部双方の信頼関係が基礎となっていることから、軽微な違反は契約解除の理由とならない場合があります。また、契約解除の場合には、契約相手の被った損失について、損害賠償請求されることもあるため、注意が必要です。

フランチャイズを辞める手順

フランチャイズを辞める手順

次に、フランチャイズを辞める場合は、どのような手順を踏めばよいかについてみていきましょう。

フランチャイズ契約を確認する

まず、フランチャイズ契約の内容を確認することが先決です。フランチャイズ契約書には、契約満了日や途中解約の場合の取り決めなどが定められています。契約の内容を確認し、自分が辞める場合は、契約満了日まで続けられるのか、それとも契約途中でやめざるを得ないのかなどを検討します。

すなわち、すでに説明したフランチャイズを辞める下記の4つの方法のうち、自分のケースがどれに該当するかを見極めておくのです。

  1.  契約終了
  2.  任意解約
  3.  合意解約
  4.  契約解除

①の契約終了に該当する場合は、契約期間の満了日まで引き続き営業を行う体制を整えた上で、契約更新をしない旨を通知する時期や方法について計画を立てておきます。

②の任意解約であれば、契約書の中途解約に関する条項を十分に確認し、解約に向けた準備を進めておきます。

③の合意解約に該当する場合は、契約書に中途解約に関する条項がないため、フランチャイズ本部と話し合って合意する必要があることを念頭に置きます。そして、解約理由や違約金の発生などについて、協議する内容をまとめておきます。

④の契約解除は、加盟店と本部のどちらが解除原因を作ったかによって様々なパターンが想定されますが、いずれにしても円満な話し合いはあまり期待できません。

辞めることによる不利益を確認する

次に、フランチャイズを辞めることで、どのような不利益を被ることになるかを確認します。フランチャイズを辞めることで被る可能性がある不利益の1つ目は、違約金です。これは、契約期間の途中で、契約書で定める中途解約条項に基づき、任意解約を行う場合にかかるペナルティです。

2つ目は、損害賠償です。これは、加盟店側がフランチャイズ契約書に定められた条項を守らなかったことで、本部から契約解除される場合に発生します。損害賠償責任は、フランチャイズ契約書にその旨が定められている場合に発生します。この場合、加盟店オーナーは、加盟店の契約違反によってフランチャイズ本部が被る損失を賠償する責任が生じます。

3つ目は、フランチャイズ事業全体の損失です。フランチャイズを辞める場合は、違約金などのペナルティに注目しがちですが、最も重要なのが、フランチャイズ事業全体の損失です。フランチャイズ事業を始めるには、次のようなコストがかかります。

フランチャイズ事業を始める時のコスト

 

  1.  フランチャイズ加盟金
  2.  店舗物件購入費または賃借費
  3.  店舗内・外装工事費
  4.  店舗内備品・消耗品調達費
  5.  店舗内スタッフ採用人件費
  6.  広告宣伝費

フランチャイズ事業を辞める場合は、通常、フランチャイズ加盟金は戻ってきません。多くの場合、フランチャイズ契約書には加盟金を返還しない旨が規定されているからです。

ただし、フランチャイズ本部の勝手な事情で営業継続が難しくなった、本部が加盟店に行うべき義務を果たさないことで営業に支障が生じたなどの場合には、加盟金の返還について争う余地はあります。

また、店舗物件を購入した場合は、廃業後にその物件をどのように利用・処分するかについて検討することが必要です。店舗物件を賃借している場合は、廃業時に店舗内・外を原状回復して返却しなければいけません。

店舗内に用意した備品や消耗品の処分をどうするかも検討が必要です。余った備品や消耗品をフランチャイズ本部が引き取ってくれればよいですが、そうしてくれる保証はありません。

さらに、店舗内スタッフの教育にかけた労力や店舗の広告宣伝費も、表現は悪いですが、ほとんどが無駄になってしまいます。

このように、フランチャイズ事業を始める際には、かなりのまとまった資金が投入されているはずです。フランチャイズの営業期間が数十年に及ぶなど長期に渡る場合は、投資原本が十分に回収できているともいえますが、短期の場合は投下資金の多くが戻ってこない可能性があります。

以上のように、フランチャイズを辞める場合には様々な不利益が生じますが、特に、契約期間の途中で解約する場合には、不利益や損失が発生する可能性が高いことを十分に認識しておく必要があります。

このことからも、契約期間の途中における解約は、真にやむを得ない事情がある場合に限定することが求められます。

フランチャイズ本部が納得する理由を用意する

フランチャイズを辞めるには、フランチャイズ本部が納得する理由を用意することが肝心です。一般的に、フランチャイズ事業を辞める理由には、以下のものが想定されます。

フランチャイズ事業を辞める理由の想定

 

  1.  加盟店オーナーの病気・事故・体調不良・高齢化
  2.  加盟店オーナーの家族の病気・事故・介護
  3.  加盟店の経営不振・資金繰り悪化
  4.  加盟店オーナーの事業熱意喪失
  5.  加盟店オーナーの事業分野転換

上記のうち、①加盟店オーナーの病気・事故・体調不良・高齢化、②加盟店オーナーの家族の病気・事故・介護については、本部に対し真摯に説明すれば、やむを得ない事情として理解されやすく、加盟店オーナーの損失が最少になるよう本部も相談に応じてくれるはずです。

③加盟店の経営不振・資金繰り悪化については、事業を辞める判断を行う前に本部に相談を行い、経営不振や資金繰り悪化の原因究明や改善策のアドバイスを貰うことが大切です。

そのことを行っても経営が改善できないと判断される場合に、はじめて辞める選択肢が出てきます。この場合も、本部はやむを得ない事情として真剣に対応してくれます。

④加盟店オーナーの事業熱意喪失については、一般的に理解してもらうことが困難です。

事業に興味がなくなった、飽きてしまったなどの理由だけでは説得力に乏しく、本部側も厳しい対応にならざるを得ません。したがって、このようなケースでは、何か別の説得力ある理由を考えておく必要があるでしょう。

⑤加盟店オーナーの事業分野転換は、加盟店オーナーが別の事業を始めるために現在のフランチャイズを辞めたいというものです。

事業分野転換は、加盟店オーナーにそれなりの資金力があれば可能ですが、一般的には、本部側に理解され難い理由でしょう。契約期間の途中であれば、違約金も満額を徴取されやすいパターンです。

以上のように、フランチャイズを辞める理由については、真にやむを得ないという切迫した事情であるかどうかによって、本部側の対応も異なってくる可能性があります。このため、本部が真にやむを得ないと判断してくれる理由を用意しておく必要があります。

フランチャイズ本部と相談する

フランチャイズ本部と相談に入る前の準備

 

  1.  フランチャイズ契約を確認する
  2.  辞めることによる不利益を確認する
  3.  フランチャイズ本部が納得する理由を用意する

以上の手順を踏んだ後は、いよいよフランチャイズ本部との相談に入ります。

上の①~③では、辞めることが契約違反とならないか、辞めることで違約金や損害賠償責任が発生しないかなどのチェックも重要ですが、フランチャイズ本部が納得する理由を用意することも怠ってはいけません。

本部に相談する場合は、用意した理由を真摯に説明して相手方に理解してもらうことが肝心です。その際に、本部側から解決策の提案がされる場合がありますが、提案の内容で事態が打開できるかどうかについて、十分に検討することも必要です。

フランチャイズをスムーズに辞めるための注意事項

フランチャイズをスムーズに辞めるための注意事項

フランチャイズを辞める場合は、訴訟などのトラブルが生じないよう、できる限り円満に解決したいものです。ここでは、フランチャイズを円滑に辞めるための注意事項についてみていきましょう。

円満に辞めない場合のリスク

なぜ、フランチャイズをスムーズに辞める必要があるのでしょうか。それは、スムーズに辞めないと、以下のように、様々なリスクを負う危険性があるからです。

フランチャイズ契約には、契約期間の途中で加盟店が契約を中途解約できる条項が盛り込まれる場合があります。加盟店オーナーは、その中途解約条項に基づき、契約期間中であっても中途解約の権利を行使することができます=任意解約。

しかし、この中途解約条項には、中途解約する場合はペナルティとして違約金が課せられる旨も定められることが通例となっています。そして、この違約金が非常に高額な場合があるため、そのことを巡って、フランチャイズ本部と加盟店がトラブルになる例がみられます。

違約金は、フランチャイズ契約を中途解約した場合に、フランチャイズ本部が被る損失を徴取するものであることから、この金額が不当に高額である、中途解約の原因がフランチャイズ本部側にあるなどの場合は、この支払い責任や金額の高低について争う余地はあります。

しかし、これらの場合でも、フランチャイズ本部が被る損失に比して違約金額が不当に高額であること、中途解約の原因がフランチャイズ本部側にあることなどの立証責任は加盟店側にあるため、違約金の支払いを免れるのは容易ではありません。

また、加盟店が、契約内容に違反してフランチャイズ本部に損害を与えた場合は、契約期間の途中であっても契約を解除され、損害賠償を請求されることがあります。例えば、「加盟店は、加盟しているフランチャイズの商品しか取扱いできない」との契約内容にもかかわらず、それ以外の商品も仕入れて販売したケースなどが該当します。

この場合は、加盟店に契約に違反する行為があったかどうか、その事実によってフランチャイズ本部にどの程度の損害が生じたのかなどについて、加盟店と本部が争うことになります。

いずれにしろ、法的なトラブルに発展した場合は、解決するまでに多大な費用や時間、労力などを要し、結果次第では、多額の経済的不利益を被る可能性があります。

このことからも、フランチャイズを辞めざるを得ない事情が生じた場合は、どのようにしたら円満かつスムーズに契約を終わらせることができるかについて、十分に検討を行った上で行動に移すことが重要です。

契約終了日まで頑張る

フランチャイズをスムーズに辞める最良の方法は、契約終了日まで営業を続けて辞めることです。これまでにみてきたように、フランチャイズを辞めるには、以下の4つの方法がありました。

  1.  契約終了
  2.  任意解約
  3.  合意解約
  4.  契約解除

この中で、当事者双方が最も円満に収まることができるのは、①の契約終了です。契約終了は、フランチャイズ契約で定められた契約期間の満了日で契約を終了し、以降の更新を行わないため、当事者双方とも被る損失が少なくて済む方法です。

このことから、フランチャイズを円満に辞めるためには、フランチャイズ契約で定められた契約終了日まで営業を続けることが肝心です。

契約終了日まで営業を続けることができない切迫した事情があっても、その理由次第で打開策を見出せる場合もあります。例えば、オーナーの事故や病気、体調不良、介護など健康上や家庭上の事情による場合は、契約終了日まで営業を続けることができないかもしれません。しかし、加盟店の経営不振などの場合は、一考の余地があります。

経営不振は、フランチャイズ加盟店が営業を続けることが難しいとする理由の中で、大きな比重を占めています。経営不振は、文字どおりお店の経営が苦しい状況ですが、その主な原因は次のとおりです。

フランチャイズ経営不振の主な原因

 

  1.  集客が芳しくない
  2.  売上げが伸びない
  3.  必要経費が店舗の経営を圧迫する

これらは、いずれも店舗経営で直面する課題ですが、フランチャイズの場合は解決への打開策があります。それは、フランチャイズ特有のメリットである本部のバックアップを最大限に利用することです。

フランチャイズでは、店舗の営業を進めるための、事業マニュアルが整備されています。自分の店舗は、その事業マニュアルに忠実に沿った方法で営業しているか、何か間違っている個所や欠落している部分はないかなど、日々の店舗営業についてチェックを行うことが重要です。それにより、事業マニュアルから逸脱している部分が判明すれば、その個所を軌道修正することにより、業績が上向く可能性があります。

また、フランチャイズでは、加盟店が売上不振に陥ったときやトラブルが発生した場合などに、本部の専門スタッフが指導・助言してくれる体制が整っています。店舗経営が振るわないため廃業を考えている場合は、まず、本部に現在の店舗経営状況を報告・相談し、改善策の指導を求めてみるのが先決です。

フランチャイズにかかわらず、事業は順風満帆の時ばかりではありません。上記の①集客が芳しくない、②売上げが伸びない、③必要経費が店舗の経営を圧迫するなどの問題は、どのような業種や店舗でも直面する課題です。これらの課題について、一つひとつ解決・改善していくことで、事業は継続・発展することに繋がるのです。

あらゆる事業の中でも、本部の強力なバックアップがある点で、フランチャイズ加盟店は恵まれた条件にあるといえます。一般の個人事業であれば、オーナーが自分一人で試行錯誤し独力で解決していかなければなりませんが、フランチャイズ加盟店は事業の専門的な課題やトラブルについて本部に頼ることができることを忘れてはいけません。

このようにして、事業マニュアルによるチェック・改善や本部の指導・助言により店舗経営を持ち直すことができれば、契約満了日まで営業を続けることができ、また、場合によっては廃業せずに契約更新ができる可能性も出てくるでしょう。

辞める理由を理解してもらうよう努力する

フランチャイズを辞める場合は、フランチャイズ本部に辞める理由を理解してもらうよう努力することが必要です。加盟店とフランチャイズ本部は、お互いが信頼関係で成り立っています。両者の間に信頼関係が醸成されていれば、加盟店が辞める場合も、その意思を尊重してもらえます。

そのため、加盟店は、フランチャイズ事業を辞める理由について、真実を客観的かつ丁寧に説明しなければいけません。

日頃からフランチャイズのルールを守り健全経営を行う

フランチャイズをスムーズに辞めるためには、日頃からフランチャイズのルールを守り健全経営を行うことが重要です。

フランチャイズ本部と加盟店は、お互いが強い信頼関係で結び付いています。加盟店が、日頃からフランチャイズのルールを守らず問題を起こすようなことを行っていると、その肝心な信頼関係が醸成されなくなってしまいます。両者の間に信頼関係がなければ、いざという場合の解約交渉もスムーズに行うことができません。

また、普段から健全経営に向けた取組を怠っていれば、そのことが店舗の経営不振にも繋がってしまうでしょう。そのためにも、店舗経営は、フランチャイズのマニュアルに従って健全に進めておくことが重要です。

まとめ

フランチャイズを辞める手順

フランチャイズを辞める方法には、①契約終了、②任意解約、③合意解約、④契約解除の方法がありますが、この中で契約当事者同士が円満に契約を解除することができるのは、①の契約終了です。

契約終了は、フランチャイズ契約書に定められた契約期間の満了まで、加盟店営業の義務を果たす方法であるため、加盟店はフランチャイズ本部に引け目を感じることなく、また、ペナルティやトラブルなどが生じることなく辞めることができます。

したがって、どうしてもフランチャイズを辞めざるを得ない場合には、可能な限り①の契約終了を目指すことが肝心です。

また、フランチャイズを辞める際は、①フランチャイズ契約を確認する、②辞めることによる不利益を確認する、③フランチャイズ本部が納得する理由を用意する、④フランチャイズ本部と相談するの手順を踏むことになりますが、①~④のいずれの手順も極めて重要なステップです。

中でも、②辞めることによる不利益を確認するについては、違約金や損害賠償金のみでなく、辞めることによる事業全体の損益も十分に精査しておく必要があります。さらに、③フランチャイズ本部が納得する理由を用意するについては、本部が納得し得る切迫したやむを得ざる事情を準備して話し合いに臨むことが肝心です。

事業を辞めるのは、やむを得ざる最後の手段と考え、後悔のないよう万全の準備を行っておくことが重要です。