フランチャイズの将来展望
フランチャイズの市場について
(社)日本フランチャイズチェーン協会(JFA)が毎年行っているJFAフランチャイズチェーン統計調査によると、フランチャイズビジネスの市場規模は年々拡大しています。
2011年度の日本国内のフランチャイズチェーン数は1260チェーンを数え、前年度比+2.2%(27チェーン増)と2年連続の増加となりました。
国内の総店舗数(直営店と加盟店の合計)は23万8,838店舗で、+2.0%(4,692店舗増)となり、店舗数の拡大は続いています。
売上高は21兆6,166億円、+1.1%(2,352億円増)と、前年度に引き続き2年連続のプラス成長となっています。
フランチャイズビジネスの市場シェアについて
小売業では、2004年度のデータとなりますが、年間小売販売額(商業統計)133兆2,786億円に対してフランチャイズビジネスの市場シェアは9.4%を占めています。
また外食業では、2006年度の外食産業市場規模((財)食の安全・安心財団;旧外食産業総合研究センター)24兆3,592億円に対して15.7%を占めています。
(1)小売業
コンビニエンスストアでは、東日本大震災の被災店舗が全店舗数の約5%に相当する2,138店舗が甚大な被害を受けたにもかかわらず、急速に復旧を成し遂げました。
また、全国的な生活インフラとしてのニーズの高まりとともに順調に実績を伸ばしています。2011年に小売業分野で高い伸び率を示したのが、ルートセールス方式による飲料水販売チェーンなどの各種食料品でしょう。震災の影響で、飲料水に対する消費者の関心が高まったことも要因としてあげられます。
一方、業績が低迷したのは地デジ化やエコポイント政策の恩恵が薄れた家電量販店分野。
店舗数は前年より増えてはいるが、売上高は減少しています。
中古品ビジネスは、幅広い商品分野に広がっている。ここ1~2年増加してきたのが「宝石・貴金属類の買取り」「携帯電話の買取り」であるのが特徴です。
(2)外食業
2011年度の外食業界は、東日本大震災の直接的被害の他に、計画停電や節電政策などによる影響、あるいは家での食事で家族の絆を深めるという心理的な影響も見てとれ、全般的に振るわなかった。
特に焼肉関係は、食中毒事件などの影響も加わって、業績を大きく後退させてしまいました。また、居酒屋分野も”家呑み“の傾向が強まったこと、また低価格戦略の広がりなどから、売上が振るいませんでした。
こうした中、売上高で比較的高い成長をみせたのがハンバーグレストラン、讃岐うどんを中心とするうどん店等が挙げられる。ただし、これらの分野はいずれも市場規模が小さく、外食業界全体を押し上げるまでには至っていないのが実情です。
外食フランチャイズ業界では、新規参入が活発で、ラーメン、焼きとり、丼ものなどの新規ビジネスが毎年参入してきている。今回、から揚げチェーンが4社確認されています。
(3)サービス業
2011年度サービス業では、店舗数+1.9%(1,711店舗増)、売上高+2.9%(726億円増)となりました。サービス業は幅広い分野でフランチャイズ化が進んでいます。
昨年と同様に、学習塾や介護関連の分野で大きな伸びを見せている。特に、従来の個別指導塾に加え、幼児教育、シニア等への新サービスが増加し多様化が進んでいる。
介護関連では、介護予防を中心とした介護保険に適合したサービスを提供する業態が大きく伸びており、整体やストレッチなど、健康関連分野も好調です。
また、低価格の理容・美容関係が順調な成長を見せている。
自動車整備サービスは、車の所有期間の長期化から車検サービスが好調に推移した。一方、リース・レンタルサービスの分野では、震災によるインフラ復旧工事でのレンタル需要の増加や低価格レンタカーの店舗数の躍進が特徴としてあげられます。