40代、脱サラでフランチャイズ起業は可能?メリットやデメリットや成功のポイントを紹介!

40代に差し掛かると多くのサラリーマンは、今勤める会社での自分の将来が分かってきます。自分の能力を活かして会社の業績に貢献して、組織や予算を任されて自らが立てた戦略を持って自分や部下を動かしていく責任者になる人もいます。一方、同年代の人間が課長や部長などの役職に就く中で、自分だけ昇進がなく昇給も遅れている人もいます。

「この会社で働き続けて良いのか?」と言う疑問の答えとして『脱サラ』をして、開業を選ぶ人がいます。40代の開業が多い事実を示す数値もあります。開業者の平均年齢は43.7才、年代別でみても40代の開業者が全体構成比36.9%と最も高い構成比である傾向が続いています*。

社会経験を充分に積んで人脈などもできている40代の起業には、やりたいことを実現する多くのチャンスがあるものの、起業には対応すべきリスクもあります。開業のリスクにうまく対応するために有効な方法の一つが、フランチャイズ起業です。

そこで今回の記事では、脱サラからのフランチャイズ起業について解説します。起業の実態とそのリスク、フランチャイズ起業のメリットとデメリット、脱サラでのフランチャイズ起業の成功のポイントなどをご紹介します。

起業とフランチャイズ

起業とフランチャイズ

起業には、いろいろな選択肢があります。どんな商売をするか(業種)、どこで(地域)、いつから(時期)、誰と(採用)、どのように(営業方法)などです。そして、株式会社などの法人を設立するか、個人事業主として開業するかなども検討しなければなりません。

起業の上での決めごとで最も重要なことは『何のために起業するのか』と言う起業目的です。起業目的に沿って、起業前も起業後も複数の選択肢を1つずつ決めていきます。

選択をするのが得意な人や他人と異なるオリジナルな選択をしたい人は、独立開業を選ぶ方が多くなります。一方で、選択が苦手な人や成功している事業をそのまま自分でもやりたい方はフランチャイズ起業が向いています

起業とフランチャイズの基本知識を抑えておくと、自身の起業でやらなければならないことや準備すべきことが分かります。

起業の実態と苦労

前述の新規開業実態調査は、開業者の属性や開業費用などの開業に係る情報を1991年から蓄積しています。

この実態調査では、以下のようなことが分かります。

①開業時の年齢は40歳代が中心

開業時の40歳代は(36.9%)で、平均年齢は徐々に増加を続けています。

②開業直前の職業の主はサラリーマン

開業直前の職業は「正社員・正職員(管理職)」が41.3%と最も高くなっています。「正社員・正職員(管理職以外)」28.3%と「会社や団体の常勤役員」11.2%を加えると、開業直前の職業の8割以上はサラリーマンであることが分かります。

③開業事業は過去の仕事から培った経験や技能や知識を活用できるもの

開業の事業を決めた理由は、「これまでの仕事の経験や技能を生かせるから」(43.8%)と「身につけた資格や知識を生かせるから」(19.4%)となり、過去の仕事で培った経験や技能や知識を活用できることが主な理由になっています。一方で、「成長が見込める事業だから」(8.4%)や「新しい事業のアイデアやヒントを見つけたから」(4.0%)や「趣味や特技を生かせるから」(3.9%)や「経験がなくてもできそうだから」(2.1%)と、過去の仕事から離れると開業の事業を決めた理由は少なくなっています。

④開業費用は500万円未満が42.1%ともっとも高い

開業費用は500万円未満がもっとも多く、年々開業費用の平均は減少し続けています。統計を開始した1991年の開業費用の平均値は1,440万円(中央値970万円)から直近の2021年には平均値は941万円(中央値580万円)となっています。

開業費用の減少に伴い、開業時の資金調達額も1,177万円と調査開始からもっとも少ない結果となっています。

⑤事務所の位置は近い

開業時の店舗や事業所は通勤時間「1〜15分未満」(31.1%)が主となり、次いで「15〜30分未満」(22.3%)や「自宅の一室や自宅に併設」(27.7%)となっています。

⑥約6割が黒字

開業時点で気になるのは収入です。58.2%が黒字基調であり、41.8%が赤字基調になっています。また、月商は100万円未満が45.9%と最も多く、次いで100万〜500万円未満が41.6%となっています。

●現在の起業の実態

新規開業実態調査を読み解くと現在の起業は、サラリーマンなどが仕事の経験を十分に生かして売上100万円未満の小規模な起業が主になっていることが伺えます。また、開業する場所も生活圏などの知っている土地を選択しており、全体として過去の経験や知識を活用している点が特徴と言えます。

一方で、成長が見込める事業や新しい事業や趣味などの過去の仕事と大きく異なる、つまり新たな知識や技能の習得が必要となる事業を選択することは主流ではないことが伺えます。

●起業の苦労

同じく新規開業実態調査では、開業時に苦労したことや現在の苦労についても調査されています。

開業時の苦労 資金繰り、資金調達(57.6%)
顧客・販路の開拓(44.8%)
財務、税務、法務に関する知識の不足(38.4%)
現在の苦労 顧客・販路の開拓(47.9%)
資金繰り、資金調達(34.6%)
財務、税務、法務に関する知識の不足(33.0%)

起業における苦労は、「資金繰り」「顧客・販路の開拓」「財務などの専門知識」の3つは開業時も開業後も継続的に苦労していることが分かります。そして、数値を比較すると、資金繰りや財務などの専門知識などはその苦労の割合が減少し、顧客・販路の開拓はその苦労度合いが増加しています。

また、近年においては新型コロナウィルス感染症によるマイナス影響を受ける企業が多くなっています。開業者の約8割がマイナスの影響を受けた調査結果になっています。特に、飲食業や宿泊業や運輸業や教育・学習支援などの業種は大きくマイナス影響が出ていることが伺えます。

フランチャイズとは

フランチャイズは、既存の商品やサービスなどのブランドやノウハウを借りて事業を行う仕組みです。セブンイレブンジャパンやローソンなどのコンビニエンスストアやマクドナルドやモスバーガーやタリーズコーヒーやドトールコーヒーなどの飲食業などで多く活用されているビジネスモデルです。

フランチャイズの最も大きな特徴は、そのフランチャイズ業種の経営や運用のノウハウ、ブラントや商品やサービスなど開業をする上で必要なものの多くを利用できる点です。

●フランチャイズ本部とフランチャイズ加盟店の関係

フランチャイズの仕組みは、経営やサービス運営や商品やサービスを持っている事業者(フランシャイズ本部)が、店舗運営を事業として実施してくれる事業者(フランチャイズ加盟店)と共にビジネスを進めていくものです。

フランチャイズ本部は、フランチャイズ加盟店の売上や利益が上がるようにビジネスモデルの改善やブランディングや商品開発などを実施していきます。また、フランチャイズ加盟店はフランチャイズ本部に対して加盟金などのフランチャイズの仕組みを活用するための対価を払います。

この加盟金がフランチャイズ本部の主たる売上になります。そのため、フランチャイズ本部は継続してフランチャイズ加盟店が儲かるための努力と加盟店を増やす努力を行います。

一方で、フランチャイズ加盟店はフランチャイズ本部とは別会社で別経営になりますので、自分の利益を上げるためにフランチャイズ本部の協力を得ながらやりくりをしていきます。

●フランチャイズの業種は様々

フランチャイズの業種は、コンビニや外食が有名です。その他に、学習塾やコインランドリーやハウスクリーニングや理美容やリラクゼーションやレジャーは介護など様々な業種があります。

また、フランチャイズ本部には上場企業や長い業歴を持つ企業からこれから大きくなっていくことを目指す新規法人まであります。また、加盟金などの加盟店になるための条件なども、各フランチャイズ本部によって異なってきます。

起業とサラリーマンとの比較

サラリーマンを辞めてしまう前に、サラリーマンでいるメリットをもう一度確認することが大切です。脱サラして起業後にサラリーマンの良さを実感して後悔する場合もあるためです。

起業とサラリーマンとの比較

●サラリーマンは働く対価で給与を得る

サラリーマンは毎月会社から給与が受け取れます。働く人と働いてもらう企業との間で雇用契約を結び、労働力の対価として給与をもらいます。

営業職が歩合制などの業績や営業成果によって支給額が増減する場合もありますが、基本給は雇用契約に基づき定められた時間に定められた場所で働けば支給されます。

●指示の通り仕事をすれば良い

サラリーマンは、原則会社や上司の指示の通り仕事をすることを求められます。それが正しかったとしても会社や上司の指示に従わない場合、社内の評価が下がることすらあります。

指示の通り仕事をするのは、最初は簡単ではありません。しかし、長く働いて同じ仕事を繰り返すうちに身体が仕事を覚えます。身体が仕事を覚えれば、苦労なく仕事ができるようになります。

もちろん、会社の指示が変わることはありますが、それでも指示が変わるまでは同じ行動を繰り返し、指示の変更に応じて行動を変えることができれば良いと言えます。

●法律で守られている

労働者は法律で保護されています。労働者がもつ生存権を守るために、賃金や労働時間や休日・年次有給休暇、災害補償や就業規則など労働条件の中での最低基準が労働基準法で決められています。

会社と労働者が合意していたとしても法令に違反している場合には「強行法規」と言う法令が優先され、法令に違反した合意は無効化されます。

また、労働基準法は罰則がある法律になります。そのため、違反行為については刑事罰(罰金刑や懲役刑)が科される場合があります。強制労働や解雇予告手当を支払いしない即時解雇などは罰金や懲役が科されます。

●起業は成果が問われる

働くだけでは利益や収入はありません。お客様や取引先からサービスや商品の対価として収入を得なければなりません。さらに、契約をとってきただけではダメで、あくまで現金が自身の手元に来なければ、収入にはなりません。病気になって働くことができない場合でも、サラリーマンであれば有給を活用できます。しかし、起業すると病気になって休んでも有給がないので収入が入らなければ無収入になります。

働いていなかったとしても収入が入るモデルを作ることができれば収入は継続的に入ってきます。つまり、良い意味でも悪い意味でも働く時間と収入は比例しません。これは、サラリーマンが働く時間によって残行代などが増えることと比べると大きな差になります。

起業する理由には「もっと自分の自由になる仕事がしたかった」(41.6%)*が最も多い理由になっていますが、起業することで働くことの自由度は大幅に改善できます。ただし、時間に比例して収入が増えない場合には長時間働いても事業収入がなければ起業家の収入も増えないことになります。

起業すると仕事内容を指示してくれる人はいなくなります。なぜなら、起業する人は事業主や法人の代表になります。事業主や代表は指示を受けるのではなく、自らの意思で事業や会社を動かすことが求められます。それができなければ、事業や法人の責任を負うことができないからです。

事業主や法人の代表者になると自分の裁量で仕事をしていきます。裁量が増えると指示を受けることが減ります。自分で選択してその結果も自分で引き受けるのも起業しなければ得られない経験と言えます。

事業主は消費者でも労働者でもなくなります。そのため、全ての責任は自己責任になります。消費者や労働者は事業主に比較して弱い立場にあります。そのため、クーリングオフなどの消費者保護法や労働者を守るための労働者保護法があります。しかし、起業家を守る法律はありません。

起業家は自らの責任の範囲で事業や法人を運営していかなければなりません。自らの責任があるからこそ、裁量も広く自分の意思で経営・運営ができるのが起業と言えます。

*PR TIMES「脱サラ経営者に関する実態調査」より

脱サラでフランチャイズ起業とは

脱サラでフランチャイズ起業とは

脱サラとは、「脱サラリーマン」の略になります。勤めている会社を退職して、自身で起業することを言います。起業には、個人事業主や法人設立する場合などがあります。

前述の通り、新規開業の約8割の起業前の仕事は会社務めなので、起業の大半が脱サラによっての起業と言えます。脱サラをして起業することは簡単です。しかし、脱サラをして良かったと思えるだけの起業や業績を残すことは簡単ではありません。

脱サラを実行に移す前に、脱サラする理由を見直すことは有効です。脱サラには、働いていた会社の倒産などの自分の意図とは異なる中で失業しての脱サラもあります。しかし、多くの場合には自らの意思で会社を退職して、脱サラの道を選択します。

何のための脱サラなのかと言う「目的」を明確にしておいて、目的を達成させるためのどんな努力も惜しまない覚悟が脱サラの起業には必要です。

サラリーマンでいることが嫌になったために脱サラして起業するケースもあります。しかし、脱サラしても嫌なことがない保証はありません。むしろ、ストレスや不安はサラリーマン時代より多くなる場合もあります。

脱サラで起業する難しさ

脱サラは、特に起業時期は収入が安定しません。事業を開始するまでには初期投資と言われる事務所や店舗の開設費用や採用のための費用などがかかります。

人件費を抑えるために雇用する人数を少なくすれば、その分自分が働く時間を増やさなければなりません。利益が出れば自分のものになる反面、仕事の成果や仕事上のトラブルも全て自己責任として対応する必要があります。

事業上では自己責任の前提が脱サラで起業する難しさになります。

●市場が重要

事業を継続的に成功させていくためには、事業を行う市場選びが重要になります。市場とは、商品やサービスを売り買いなどの経済活動が行われる範囲を言います。例えば、『ゲーム市場』はゲームを製造するメーカーやゲーム機を製造するメーカー、ゲームを販売する小売店やゲームを購入する消費者までを含んでいます。

市場選びが大事なのは、市場の増減が大きく事業の売上や利益の増減に影響するからです。市場が活性している場合、市場参加者(=消費者)は利用頻度も高くなります。

市場が大きくなっている場合、すでにその市場にいる事業者は市場に残り続け、より魅力的なサービスや商品を投入しようとします。そのため、消費者はより良いサービスや商品を購入・利用することが期待できて、市場での購入や利用などより活性化した活動をします。また、市場が広がるタイミングにおいては新規の消費者も市場に参加してくることが期待できます。

一方、市場が縮小しているタイミングでは事業者の多くは事業活動を縮小もしくは極端な場合には撤退など消極的な動きになります。事業活動が消極的になると、新商品や新サービスの投入頻度が減少するため、相対的に市場の魅力が減少していきます。市場の魅力が減少すると、消費者の動きも消極的になります。具体的には、消費の減少や市場から他の市場へ移動していきます。

事業者も消費者も減少する市場で事業をすることは簡単ではありません。市場が消滅するまでは事業を継続できる可能性はゼロではありません。しかし、減少する市場で事業を成功させても事業が投資したヒトモノカネに対して得られるものが少ないケースも多くなります。

●経験を活かせる事業か、成長している事業か

脱サラをして起業をする場合には、自分の過去の経験が財産になります。人脈や成功体験や失敗体験に裏打ちされた知識は社会人経験を積まなければ得られない財産と言えます。

注意したいのは、起業して生かせる経験が成長している市場かどうかです。40代で起業をしたとしても、そこから20年近く働かなければいけないことを考えると、起業する市場が継続的に成長するあるいは少なくても存在し続ける市場であることが望まれます。

しかし、少子高齢化が進み消費者の数や法人の数が減少している日本の市場においては成長している市場の多くは新しくできた市場です。新しい市場では、多くの場合には経験が活かせないこともあります。しかし、中長期的に成長する市場で身を置くことは継続的な成長を簡単にできるチャンスがあります。

経験が活かせる成長市場で起業するのが理想です。しかし、現実として日本全体で考えると「横ばい」もしくは「減少」している市場が一般的です。

前述の通り、縮小している市場で新規の事業者が成功することは簡単ではありません。また、市場が消滅してしまった場合にはその市場で培った経験や知識が他の市場で利用できなければ無価値になってしまうリスクもあります。

経験や知識を活かすことも大事ですが、その経験がどの市場でも活かせる経験なのか、それとも限定された市場でしか活かせない経験なのかを客観的に判断する必要があります。

例えば、営業力はどんな市場でも役に立ちます。また、経理なども同様です。一方、調理師の資格はおおむね飲食業界やその関連する限定された市場で役に立つことができるものの、他の業界や市場では役に立ちにくい技能・知識と言えます。

●失敗のリスクもある

40代での脱サラで失敗するリスクがあります。20代に脱サラをして、事業に失敗してもリカバリーのチャンスは十分にあります。まだ若い内の失敗は起業に挑戦したバイタリティやそこで得た経験や責任感が評価されることが多くなります。そのため、再度企業に就職する場合にも大きなアドバンテージになります。また、就職後には企業で働くメリットをより感じて働くことができます。

また、20代でまだ結婚や扶養家族がいないもしくは少ない場合には、収入の必要絶対額が少なくても良い点もプラスに作用します。

一方で、40代の脱サラの失敗はリカバリーチャンスが少なくなります。40代での失敗は、「若気の至り」とは世間は見做しません。そのため、経験を持って起業したはずが、自身の経験が役に立たなかった証拠と見なされてしまう危険があります。そのため、起業失敗後に企業に再就職しようとしても、一般的な40代の転職同様に転職先が見つかりにくい状況が続くことになります。

また、40代で事業を行い、想定していた収入が得られなかった場合に、扶養家族がいた場合には必要最低限の収入に満たない場合には子供の学費など家庭全体に影響を及ぼすこともあります。さらに、起業に注ぎ込んだ資金が回収できない場合には、老後の資金形成にも大きく影響します。借金などが残った場合には、次の就職が難しい状況下でかつ働ける期間が少なくなっている中で、借金返済と返済後の老後の資金形成をしなければならなくなるリスクも生まれます。

つまり、40代以降の起業は小さくても成功確率が高い起業を実現させる必要があると言えます。

脱サラでフランチャイズ起業のメリット

脱サラで起業をする上で、フランチャイズシステムを利用することには以下のように複数のメリットがあります。

脱サラでフランチャイズ起業のメリット

①好きな市場を選べる

40代の脱サラでフランチャイズ起業の最も大きなメリットは、好きな市場を選べることと言えます。前述の通り、市場選びは重要です。注目の成長市場やまさにこれから成長していく市場にアーリーアダプター(早期導入者)として参入できれば成功可能性は格段に向上します。

フランチャイズシステムは、一般的には知識も経験もない業界未経験者でもできるように仕組み化・マニュアル化されています。そのため、どの市場で起業するかを選択する上で、自身の経験や知識の有無を考慮することなく好きな市場を選べます。

②リスクを最小限にできる

リスクとは、不確定要素です。起業をする自体、不確定要素だらけです。独立起業した場合には、同業他社を真似て開始しても、オリジナルな店舗や商品やサービスを世に送り出すことになります。そのため、想定通り物事が進むかどうかは実際にやって見なければわからないのが実際です。

フランチャイズ起業は、独立起業とは異なってすでに世の中に出ている商品やサービス、店舗名などを活用します。そのため、他のフランチャイズ店舗の状況と大きく変わらない経営になることが一般的です。

つまり、フランチャイズ起業をすることで、不確定要素=リスクを最小限に抑えることができます。

③収益を上げることに集中できる

サラリーマン時代の経験があっても、実は経営者としての経験は少ないのが一般的です。サラリーマン時代に子会社の立ち上げを行なった経験やその子会社の代表として働くなどの機会がないことはありませんが、それを経験している人は少数派です。

また、サラリーマンの働き方は分業してそれぞれの役割をこなしていることが多くなります。つまり、営業であれば営業の仕事に専念し、経理や人事などの営業以外の仕事を兼業していることもありますがそれぞれ専属で仕事をしているケースが一般的です。

つまり、経営の経験や起業に必要な業務全般を経験して起業しているケースは稀と言えます。そのため、起業時にやらなければいけないことで、かつやったことがないことが大半を占めることになります。

起業のタイミングは、収益が安定的に得られるように営業活動に力を入れたいところではありますが、1人で会社設立をした場合などは以下のようなことを営業活動以外でこなさなければなりません。

法務局 印鑑カード交付申請 会社設立後早急に
印鑑証明書交付申請 印鑑カード受け取り後早急に
登記事項証明書交付申請 会社設立後早急に
税務署 法人設立届出 会社設立後2ヶ月以内*
(定款の写し、登記事項証明書の写しが必要)
青色申告*の承認申請書 会社設立から3ヶ月以内
給与支払事務所等の開設届出 会社設立から1ヶ月以内
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 適用しようとする月の前月末日まで
都道府県税事務所 法人設立届出 期限は地域によって異なる**
(定款の写し、登記事項証明書の写しが必要)
市区町村役場 法人設立届出 期限は地域によって異なる**
(定款の写し、登記事項証明書の写しが必要)
年金事務所 健康保険・厚生年金保険新規適用届 会社設立から5日以内
(登記事項証明書、法人番号指定通知書の写し)
健康保険・厚生年金被保険者資格取得届 被保険者になってから5日以内
ハローワーク 雇用保険適用事務所設立届 従業員の雇用日の翌日から10日以内
雇用保険被保険者資格取得届 従業員の雇用日の翌日から10日以内
労働基準監督署 労働保険関係成立届 従業員の雇用日の翌日から10日以内
(登記事項証明書)
労働保険 概算保険料申告書 従業員の雇用日の翌日から50日以内
就業規則(変更)届 従業員の雇用が10人以上(常時)になった時点から早急に
適用事業報告 従業員の雇用後早急に
時間外労働・休日労働に関する協定届 時間外労働や休日労働が発生した時点から早急に

**東京都は会社設立から15日以内、大阪府では同2ヶ月以内が提出期限となっています。設立した会社住所を管轄する都道府県税事務所に問い合わせやホームページを確認するようにしてください。

***市区町村役場への法人設立届出提出は、不要とする地域もあります。期限と合わせて管轄する市区町村役場に問い合わせやホームページを確認するようにしてください。

****ハローワークならびに労働基準監督署への申請事項は、従業員の雇用がなければ申請不要です。

これらの書類作成や申請を外部の行政書士などに作成を依頼するなどしても、依頼や大元の情報の提出や内容確認など書類ワークが苦手な方でなくても、忙しい日々になります。

起業をする上で、やらなければならないことは多数あります。その1つずつをサポートして事業開始にまで導いてくれるフランチャイズ本部も多くあります。知っている人が近くにいることは、起業後のどの場面においてもとても心強いものです。そして、書類ワークにかかる手間と時間を減らすことができれば、その時間を営業に集中できます。

そして、フランチャイズの利点は何をすれば良いか、が明確です。すでに成功しているビジネスモデルを持つフランチャイズを選べば、あとはその必要な運用・運営を実践することに集中すれば収益をあげられます。もちろん、実践することも簡単ではありません。しかし、フランチャイズ本部の協力を得て、運用・運営に活用できる時間があれば実践することはできます。

一方で、独立開業や企業の場合にはノウハウが固まっていないビジネスモデルを完成させることも簡単ではない上に、そのサービスや商品がお客様に受け入れられるのかも確実ではありません。当たれば、大きく売上や利益などのリターンも得られますが、それまでの苦労は一般的には独立開業の方がフランチャイズより大きくなっています。

40代の脱サラのタイミングでは、20代や30代と比べれば身体的な頑張りはできなくなっていきます。そんな中で、効率的にビジネスを軌道に乗せることができるフランチャイズ起業は大きなメリットになると言えます。

脱サラでフランチャイズ起業のデメリット

メリットがあるものにはデメリットもあります。脱サラでフランチャイズ起業も同様です。

脱サラでフランチャイズ起業のデメリットは、フランチャイズ本部との関係によるものが多く、大きくは以下の2つにデメリットは集約されます。

脱サラでフランチャイズ起業のメリット

①フランチャイズ本部選びを失敗するとやり直しが難しい
②独立開業より自由度が低い

①フランチャイズ本部選びを失敗するとやり直しが難しい

フランチャイズ起業で成功は、『起業される方の選択と行動』と『フランチャイズ本部選び』によって決まると言っても過言ではありません。

起業される方の選択と行動は、起業したのちに学びによって変化・改善されていくことが一般的です。

一方で、フランチャイズ本部選びは変更することが簡単ではありません。簡単ではない理由として、フランチャイズ本部とフランチャイズ加盟店の間には契約があります。この契約は、「フランチャイズ加盟店契約」と呼ばれるもので、フランチャイズ加盟店としての義務などが明記されています。

フランチャイズの義務の1つとして、契約期間が設定されていることが多くあります。契約期間とは、契約の効果が継続する期間です。一般的なフランチャイズ契約は5年になりますが、5年間は契約を継続しなければいけない=フランチャイズ加盟店として経営をする契約になっています。

この契約期間内に何かの理由によってフランチャイズ加盟店経営をやめる場合には、解約違約金などが発生するケースもあります。

フランチャイズ本部は、フランチャイズ加盟店からのフランチャイズ加盟金が収益になり、フランチャイズ契約期間中の加盟金を計算して最もサポートが必要な起業時のサービスを手厚くするなどを行なっています。そのため、フランチャイズ本部の立場に立てば契約期間を定めておくことは理解できます。

●フランチャイズ本部選びが重要な理由

フランチャイズ契約では、多くのことが定められています。例えば実例として、多くのコンビニエンスストアとフランチャイズ契約をすると、一般的には24時間365日営業することが求められ、商品ラインナップも商品価格も定められたルールに沿う必要があります。

アルバイトなどの働き手不足と深夜時間帯の売上減少によって24時間の営業を継続することが難しいフランチャイズ加盟店オーナーがフランチャイズ本部の許可を得ない状況で営業時間を変更した事例があります。

フランチャイズ本部とフランチャイズ加盟店は別経営です。そのため、ビジネスパートナーでありながら、常にお互いの利益が一致するわけではありません。

フランチャイズ本部によっては、まだ完成していないビジネスモデルでフランチャイズ加盟店を募集しているケースや、加盟店が期待する収益が上がらないビジネスモデルもあります。

起業家が選択と行動を変更できても、フランチャイズ契約の縛りがあれば、事業を変更することが難しくなります。

②独立開業より自由度が低い

せっかく、サラリーマンと言う縛られた仕事をやめて社長になるなら、自分の思うようにやりたい。そんな思いで起業する方もいらっしゃいます。

特に、40代のサラリーマンで管理職となるといわゆる「中間管理職」の、上司からも部下からも指示や依頼が飛んでくるポジショニングの方も多くいます。そんなサラリーマンから社長になるので、自由な時間や自由な働き方を希望するのは理解できます。

しかし、フランチャイズ契約は前述の通り、契約を守らなければなりません。雇用契約同様にフランチャイズ契約に縛られることを嫌う方にはフランチャイズ契約は向かない場合もあります。

●フランチャイズ契約内容を確認する

フランチャイズ契約内容を確認して、自身の起業の目的に合致しているかどうかを検討します。

本当に利益が出るか 利益が出ないフランチャイズもあります。フランチャイズ本部が儲かる、利益が出ると言っているとしても確認が必要です。

利益が出ているのかどうかは、フランチャイズ加盟店の継続率の高さやフランチャイズ加盟店数の多さなどから確認ができます。また、実際に加盟しようとするフランチャイズ加盟店のオーナー数名に確認することも有効です。

フランチャイズ本部に支払う金額はいくらか フランチャイズ本部には、「加盟金」「ロイヤリティ」「システム利用料」など複数の支払い項目があります。支払い項目と合わせて、支払い金額の計算方法を確認します。特に毎月のロイヤリティは「売上」「粗利」「営業利益」などの収益のどの項目に応じて計算されるのか、またその掛け率はどのくらいかなどは確認必須です。
売上に乗じてロイヤリティを計算する場合には、例え利益は赤字になってもロイヤリティを支払いする計算になるため、フランチャイズ加盟店にとっては有利な契約とは言えません。
契約期間と更新方法 前述の通り、フランチャイズ契約の期間の確認も必須です。また、契約期間が終了するタイミングで自動更新や更新手続き必要な場合など更新手法も契約によって異なってくるので注意が必要です。
違約金 フランチャイズ契約事項に違反事項が発生した場合のフランチャイズ加盟店に支払いするペナルティが違約金です。違約金が発生するケースとその金額は確認が必要です。
契約期間中に契約を終了する、いわゆる中途解約も違約金を支払わなければいけないケースの1つです。
競業避止義務 加盟店になった法人やその代表がフランチャイズ本部のビジネスモデルに対する類似ビジネスを行うことを禁止する義務を競業避止義務と言います。競業避止義務がなければ、フランチャイズビジネスの類似ビジネスが乱立することになるので、フランチャイズ本部ならびにフランチャイズ加盟店を守る上でも必要な義務と言えます。
営業時間や取扱商品 営業時間や取扱商品やサービスに縛りがあるのかによって、事業の自由度は大きく変わってきます。
事業がうまくいっている場合には、自由度は大きな影響はありません。一方で、事業がうまくいっていない場合には、事業の自由度はそのまま事業の改善幅となります。つまり、自由度がなければ、改善幅も改善幅もありません。

脱サラでフランチャイズ起業を成功させるために

脱サラでフランチャイズ起業を成功させるために

脱サラでフランチャイズ起業を成功させるためには、フランチャイズ選びが重要です。フランチャイズ選びを成功させるためには、前述のとおりフランチャイズ契約を確認することも重要です。

それ以外にも、成功するポイントと失敗してしまうポイントがあります。これらのポイントを理解した上で、フランチャイズ起業を成功させられるようにします。

成功するためのポイント

脱サラでフランチャイズ起業を成功ポイントは、以下の2つに集約されます。

① 主体性
② 計画性

●主体性は基本

起業は、フランチャイズ起業でも独自開業でも自分の資金を使って、事業を起こすことに変わりはありません。そして、起業に必要なベースは主体性であることも共通です。

フランチャイズ契約をすれば、フランチャイズ本部の支援を受けられます。フランチャイズ本部の支援は、事業経験のない人でも事業ができるほど的確なビジネスノウハウがマニュアル化されているケースもあります。

ただし、前述の通りフランチャイズ本部とフランチャイズ加盟店は別経営です。そのため、成功している場合はサポートや支援も十分に受けることが可能です。しかし、失敗している時などはその協力関係が崩れる場合があります。

フランチャイズ本部の指示やビジネスモデルやサービスが悪い場合にはフランチャイズ本部に責任があることになります。一方で、本部側の言う通り動けていない場合には、フランチャイズ加盟店側に問題があります。

主体性があれば、自分の至らなさに原因を求めて変化・改善できるところを探していくことができます。一方で、主体性がないとフランチャイズ本部頼みや外的要因次第になってしまいます。例えば、フランチャイズ本部に営業不審の原因を求めると、他社に自分の事業を任せてしまう事態になってしまいます。

フランチャイズ起業は、フランチャイズ本部のノウハウや支援を受けることができます。しかし、あくまで自身が経営・運営をしている主体性が必要です。全てフランチャイズ本部の言うとおりにすれば絶対に利益が成長していく保証はありません。そんな保証はどこの企業にもありません。環境や市場が変化していく中で、少しずつでも店舗やサービスや商品や接客などを変化させていかなければなりません。それらを決めるのは、あくまで事業主であることの理解が必要です。

●計画性が大事

40代のフランチャイズ起業では、できることは無限ではありません。また、極力失敗もしないようにしなければなりません。そのため、計画性も重要になります。

『事業計画を立てて、実行する』と言うことは当たり前のことにみえます。しかし、事業計画を正確に立てることは難しく、それを計画通りに実行するのもやはり多くの人が実施できません。

なぜならば、起業時には自信があります。しかし、起業したことがないためそこに根拠はありません。例え、フランチャイズ本部が集積した情報を活用したとしても、自分の店舗やサービスに完全に当てはまる保証はありません。

そのため、できるだけ計画は消極的に立てて、それでも耐えられるだけの現金などの資金と覚悟を用意しておきます。資金があれば収入が無くても事業を継続できます。また、覚悟があれば、収入が無くても必要以上に慌てることなくやるべきことに集中できます。

失敗しないためのポイント

40代のサラリーマン起業における失敗とは、起業しなければよかったと後悔を続けながら40代以降の人生を生きることです。

起業して思い通りに収益を上げて、生活の自由と仕事のやりがいを得ることが理想です。一方で、収益が上がらず、生活が不自由になり、仕事のやりがいが得られない、となるのは回避したい状況です。

このような状況を回避するためには、副業などでできる程度に小さく始めることと、もし起業が失敗した場合の救済策を練っておくことが必要です。副業でフランチャイズ事業を開始できるなら、収入がサラリーマンの収入を超えるようになってから脱サラすれば、起業が失敗に終わる可能性を下げられます。

また、結婚している場合には2人で必要な収入をあらかじめ決めておいて、仮に起業によって収入がゼロになっても世帯収入としては必要な収入をクリアできるようにしておけば安心です。

40代のフランチャイズ起業では、サラリーマン時代の収入を下回る場合はあります。思っていた収入がなく、生活に困る状況を作らないことは失敗しないための大きなポイントと言えます。

まとめ

脱サラでフランチャイズ起業

40代で脱サラをしてフランチャイズ起業をすることについてまとめました。人生100年時代と考えると40代はまだ人生の折り返し地点前です。一方で、現実的には40代は社会人としてはキャリアの折り返し地点です。

起業の成功や失敗は人それぞれです。何を実現したくて脱サラして起業をするのか、その目的を明確にしておくことが先決です。その上で、収入面や事業面での安定性を考える場合、フランチャイズ起業には様々な優位性もあるので、ぜひ検討してみてください。