中南米フランチャイズ事情③ 〜コロンビア、メキシコ編〜

ジェトロが発表する中南米におけるフランチャイズ事業。前回記事では、「中南米フランチャイズ業界の動向」をもとに、アルゼンチン、チリ、ペルーにおけるフランチャイズ事業について詳細に見ましたが、今回は、コロンビアとメキシコを取り上げます。

ブラジルやアルゼンチンの規模には及ばないものの、着実な成長を見せているコロンビアでは、フランチャイズ事業を営む事業者は、10年間で約4倍に増加。また、メキシコでは、米国系ブランドの影響を受け、外食チェーンを中心に市場は成長してきました。現在ではメキシコにおけるフランチャイズ市場規模はGDPの6%におよびます。

雇用創出に貢献してきたコロンビアのフランチャイズ事業

ジェトロによれば、コロンビアでフランチャイズ事業を営む企業は2005年との比較で約4倍(103社→430社)に増えており、2015年は前年比7%の成長をみせました(コロンビア・フランチャイズ協会発表数値)。
現在では9500店舗の加盟店が存在し、雇用者は4万2000人におよびます。

外国資本が全体の半分以上を占める

フランチャイズ事業者を業態別にみると、「外食」が36%と最も多く、次いで「ファッション」17%、「小売り」15%、「サービス」15%、「美容・健康関連」11%、「教育関連」7%となります。

事業者のうち海外資本は全体の55%を占めますが、近年は国内フランチャイズの海外進出も盛んで、現在15ブランドが海外展開しています。

コロンビアにおけるフランチャイズ企業の業種

業種 割合
外食 36%
ファッション・アパレル 17%
小売り 15%
サービス 15%
美容・健康関連 11%
教育関連 7%

(ジェトロ公表資料より作成)

中間層が人口の45.4%

コロンビア国家統計庁によれば、所得中間層は国民全体の45.4%で、他の南米と比較しても高い割合です。また、30歳以下の若年層が52.3%、14歳以下では24.3%を占めるなど、今後の労働力拡大が見込まれています。

また、昨年上半期における家計消費支出の内訳では、フランチャイズ市場拡大を背景に「外食」「ファッション」での支出の割合が高いことがわかります。

家計消費支出の内訳

2015年 2016年
食料 16.4% 16.5%
酒類、たばこ 2.6% 2.8%
被服および履物 7.3% 7.2%
住居、光熱、水道 15.3% 15.3%
家具・家事用品 4.6% 4.6%
保健医療 2.8% 2.8%
交通 11.6% 11.6%
通信 5.5% 5.4%
娯楽 6.6% 6.5%
教育 4.2% 4.2%
レストラン・ホテル 11.2% 11.1%
諸雑費 12.5% 12.8%
全体 100.0% 100.0%

(ジェトロ公表資料より作成)

家計消費支出額も2011年以降増加しており、ジェトロは、「購買力は年々高くなっている。2019年には人口が5,000万を突破するとみられており、今後、中間層がますます増加することが期待される」と述べました。

米国の影響が大きいメキシコフランチャイズ事情

人口では日本と同じくらいのメキシコ(約1億2701万人)。昨年は米トランプ大統領がメキシコとの国境に壁を建設するなどと発言したことで、米国との関係は複雑化しています。

経済では、昨今の原油価格の低迷を受けて悪化が懸念されるも、米経済の回復を背景に、2015年は2.5%、2016年は2.3%の成長率となり、7年連続のプラス成長を記録することができました。

日本との貿易面では、EPAが2005年に発効済みであり、多くの自動車メーカーや自動車部品メーカー等がメキシコで新工場や販売会社を設立しています(2016年時点で1111社)。

国内ブランドが7割以上

メキシコのフランチャイズは米国の外食チェーンが主流となっているものの、国内ブランドは7割強を占めています。

フォーブス・メキシコがまとめた「フランチャイズ店舗数ランキング」によると、トップ15企業のうち、外食産業が9ブランドを占めました。

首位はガソリンスタンドの「ペメックス」で、店舗数は16万8000店舗です。次いで、「セブンイレブン」1700店舗、薬局の「ファルマシアス・デル・アオロ」1400店舗、「サブウェイ」880店舗、「ドミノピザ」605店舗、「マクドナルド」513店舗、「スターバックス」500店舗、「バーガーキング」436店舗、家電の「ステレン」364店舗、「ケンタッキーフライドチキン」298店舗、寝具の「ドルミムンド」210店舗、ファストフードの「カールスJr.」200店舗、「ピザハット」131店舗、ホテルの「ホリデイ・イン」131店舗、ファストフードの「ベネデッティス」122店舗と続きます。

順位 企業名 店舗数 業種
1 ペメックス 168000 ガソリンスタンド
2 セブンイレブン 1700 コンビニ
3 ファルマシアス・デル・アオロ 1400 薬局
4 サブウェイ 880 ファストフード
5 ドミノピザ 605 ファストフード
6 マクドナルド 513 ファストフード
7 スターバックス 500 カフェ
8 バーガーキング 436 ファストフード
9 ステレン 364 家電
10 ケンタッキーフライドチキン 298 ファストフード
11 ドルミムンド 210 寝具
12 カールスJr 200 ファストフード
13 ピザハット 173 ファストフード
14 ホリデイ・イン 131 ホテル
15 ベネデッティス 122 ファストフード

(ジェトロ公表資料より作成)

メキシコでは合計1200程度のフランチャイズブランドがあり、バーガーキング、ドミノピザなど米国資本も多いですが、74%は地場ブランドとされています。

参入しやすいメキシコのFC市場

ジェトロによれば、メキシコのフランチャイズは外資規制がなく、100%外資でもあっても可能なため、比較的参入しやすい市場であると言えます。

しかし、幾つかのブランドの成功をもって、メキシコにはフランチャイズビジネスが向いていると結論付けるのは時期尚早だとも指摘しています。

メキシコでは、10年以上継続してフランチャイズ経営をすることは難しく、5年もたっていないブランドが30%近くあるとされます。22%は7~9 年、21%は4~6年、9%は3年以下で、10年以上継続しているブランドは全体の48 %にとどまります。

3回に渡って見てきた中南米のフランチャイズ事情。成長著しいブラジルや、経済危機に瀕するベネズエラなど、各国それぞれの経済事情を抱えながらも、フランチャイズ市場は拡大傾向にあることがわかりました。